「ご無沙汰しています・・・・」
私がPaoさんの携帯に連絡を入れたのは、夜の8時を少し回っていた。BMW523iを自宅の駐車場に停めた時に、ふと思いついたのである。
「もしかしたら、Paoさんが以前使われていたAurexのSY-Λ88Ⅱをまだ持っているかもしれない・・・」
Paoさんは、2年ほど前にプリアンプをMark LevinsonのNO.26Lに替えた。その前はAurexのSY-Λ88Ⅱを長く使われていた。
AurexのSY-Λ88ⅡにはLo-DのHMA-9500MKⅡが組み合わされていた。このペアで25年以上、長岡鉄男氏設計のスピーカーを鳴らされていた。
そのスピーカーはバックロードホーン式のキャビネットを持ち、「D-55」という型番を持っていた。そのスピーカーも1年ほど前に新たなスピーカーに替わった。
そのスピーカーはYAMAHAが新たに出したNS-5000であった。スピーカーを新調された1年ほど前に、Paoさんのお宅にお邪魔して、その雄姿を眺めたが、ピアノブラックの艶やかな姿がまぶしかった。
プリアンプをSY-Λ88ⅡからNo.26Lに替えられた後しばらくしてパワーアンプもHMA-9500MKⅡから、Mark LevinsonのNO.27.5に替わった。
この数年でPaoさんのお宅のシステムは随分と変わった。「退職金がドカンと入ったのでね・・・扶養家族もいないし・・・冥途の土産だよ・・・」とPaoさんは笑って話されていた。
「おう・・・久しぶり・・・」
「どう・・・お宅のオーディオ・・・まだ骨董趣味でやってんの・・・?」
「えっ・・・プリアンプがまた壊れた・・・もうやめたら、そんな古いの・・・うっぱらって、Mark levinsonでも買えば・・・」
スマホの向こうからは相変わらず口の悪いPaoさんらしい言葉が矢継ぎ早に繰り出されてきた。その次々に放たれる言葉の矢を「ええ、まあ・・・」「そうですね・・・」とやり過ごしながら機会を見て、「Paoさん、以前使われていたAurexのプリアンプ、まだお持ちですか・・・?」と伺った。
「あっ・・・Aurexのプリアンプ・・・まだ動くかな・・・箱に入れてもうずいぶんと物置に入ったままだからな・・・」
「どうすんの・・・?もしかして、Marantz Model7を手放して、Aurexのプリアンプに替えるのか・・・?」
「それは良いアイディアだと思うよ・・・もし具合が悪くてもしっかりと直せる業者を知ってるから紹介するよ・・・」
「そうだな・・・あのプリアンプは意外と人気があるんだよな・・・10万円と言いたいところだけど、3割引きで7万円でいいよ・・・」
Paoさんはギアを上げて先走った。「そうそう・・・実は我が家にはもう1台プリアンプがあるんだ・・・少しの期間だけ使ったものでね・・・YAMAHAのC2aだよ・・・これも良いよ。そうだな、こっちも7万円かな・・・」
Paoさんのお宅のオーディオ機器には一つのルールがある。色がブラックであることである。No.26LもSY-Λ88ⅡもC2aもその色合いはブラックである。
「一度お伺いしますよ・・・プリアンプ出しといてください・・・」と話しながら日程を調整した。
「もう定年退職して、今は嘱託の身だから時間はあるよ・・・」とPaoさんは屈託ない。Paoさんのお宅は新宿区の西早稲田にある。自宅のすぐ裏には「甘泉園公園」があり、ここが新宿区とは思えないような静かさである。
私がPaoさんの携帯に連絡を入れたのは、夜の8時を少し回っていた。BMW523iを自宅の駐車場に停めた時に、ふと思いついたのである。
「もしかしたら、Paoさんが以前使われていたAurexのSY-Λ88Ⅱをまだ持っているかもしれない・・・」
Paoさんは、2年ほど前にプリアンプをMark LevinsonのNO.26Lに替えた。その前はAurexのSY-Λ88Ⅱを長く使われていた。
AurexのSY-Λ88ⅡにはLo-DのHMA-9500MKⅡが組み合わされていた。このペアで25年以上、長岡鉄男氏設計のスピーカーを鳴らされていた。
そのスピーカーはバックロードホーン式のキャビネットを持ち、「D-55」という型番を持っていた。そのスピーカーも1年ほど前に新たなスピーカーに替わった。
そのスピーカーはYAMAHAが新たに出したNS-5000であった。スピーカーを新調された1年ほど前に、Paoさんのお宅にお邪魔して、その雄姿を眺めたが、ピアノブラックの艶やかな姿がまぶしかった。
プリアンプをSY-Λ88ⅡからNo.26Lに替えられた後しばらくしてパワーアンプもHMA-9500MKⅡから、Mark LevinsonのNO.27.5に替わった。
この数年でPaoさんのお宅のシステムは随分と変わった。「退職金がドカンと入ったのでね・・・扶養家族もいないし・・・冥途の土産だよ・・・」とPaoさんは笑って話されていた。
「おう・・・久しぶり・・・」
「どう・・・お宅のオーディオ・・・まだ骨董趣味でやってんの・・・?」
「えっ・・・プリアンプがまた壊れた・・・もうやめたら、そんな古いの・・・うっぱらって、Mark levinsonでも買えば・・・」
スマホの向こうからは相変わらず口の悪いPaoさんらしい言葉が矢継ぎ早に繰り出されてきた。その次々に放たれる言葉の矢を「ええ、まあ・・・」「そうですね・・・」とやり過ごしながら機会を見て、「Paoさん、以前使われていたAurexのプリアンプ、まだお持ちですか・・・?」と伺った。
「あっ・・・Aurexのプリアンプ・・・まだ動くかな・・・箱に入れてもうずいぶんと物置に入ったままだからな・・・」
「どうすんの・・・?もしかして、Marantz Model7を手放して、Aurexのプリアンプに替えるのか・・・?」
「それは良いアイディアだと思うよ・・・もし具合が悪くてもしっかりと直せる業者を知ってるから紹介するよ・・・」
「そうだな・・・あのプリアンプは意外と人気があるんだよな・・・10万円と言いたいところだけど、3割引きで7万円でいいよ・・・」
Paoさんはギアを上げて先走った。「そうそう・・・実は我が家にはもう1台プリアンプがあるんだ・・・少しの期間だけ使ったものでね・・・YAMAHAのC2aだよ・・・これも良いよ。そうだな、こっちも7万円かな・・・」
Paoさんのお宅のオーディオ機器には一つのルールがある。色がブラックであることである。No.26LもSY-Λ88ⅡもC2aもその色合いはブラックである。
「一度お伺いしますよ・・・プリアンプ出しといてください・・・」と話しながら日程を調整した。
「もう定年退職して、今は嘱託の身だから時間はあるよ・・・」とPaoさんは屈託ない。Paoさんのお宅は新宿区の西早稲田にある。自宅のすぐ裏には「甘泉園公園」があり、ここが新宿区とは思えないような静かさである。