AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

4536:正丸丼

2018年08月14日 | ノンジャンル
 山伏峠の頂上を越えて、その向こう側へ下りながら、2度、3度とカーブを曲がった。路面が濡れていると、カーブで細いタイヤがグリップを失う恐れがあるので、無理をしない範囲のスピードで下っていった。

 やがて正丸峠へと向かう道が見えてきた。その道へ向かってほぼ直角に右折する。その右折ポイントには砂利がたまっている。ここも落車の危険性があるので、ブレーキングでスピードをぐっと抑えて曲がった。

 その先はやや緩めの斜度で1.5Kmほどの峠道が続いている。その路面は荒れていて、ハンドルを握る手に大きめの振動が伝わってくる。

 前を行く2名のメンバーの背中は視界にあったので、その「引力」を利用して最後まで走り切れそうであった。

 2番手を行くメンバーの背中からは、「疲労光線」がおぼろげに発せられていた。「ゴール前までには追いつけそうだ・・・」そう思いながら、正丸峠の鬱蒼とした木々に囲まれた道を走り続けた。

 脚の筋肉が発するパワーは「引力」のおかげで少し上がっていた。250ワットぐらいでクランクを回し続けた。前を走るメンバーの背中が近づいてきた。

 そのすぐ背後につけて、ゴール手前でスパート勝負するか、ここで一気に抜き去って逃げ切るか・・・二者択一の状況であった。

 視界の先の背中を見つめた。「脚はそれほど残っていないようだ・・・」そう判断して、後者を選択した。

 パワーを一時的に300ワットぐらいまで上げて、前に出た。少し差が開いてから巡航速度に戻した。一時的とはいえペースを上げるとやはり苦しい。

 余裕のない呼吸を繰り返しながら正丸峠の上りの終盤に差し掛かった。残り300メートルほどのところで、先ほどかわしたメンバーが後ろからスパートした。

 「まだ、脚があったのか・・・」さっと右を駆け抜けていったその背中を見て思った。しかし、そのスパートはゴールまでは持たなかった。

 スローダウンしたので、すかさずペースを上げてそのすぐ後ろに付いた。「もう脚、ありません・・・」と、「脚切れ宣言」がそのメンバーから出たので、ゴール手前100メートルほどから私がスパートして、頂上に達した。

 久しぶりの「坂バトル」であった。今までの「酷暑ライド」では、暑さにめっぽう弱い私はバトルにまったく参戦できなかった。今日はこの気温であったのでようやく参戦できた。



 全員が上り終えてから恒例の記念撮影をした。そして、「奥村茶屋」で少し早めの昼食を摂った。もちろん名物の「正丸丼」である。



 甘辛い味噌ダレに漬け込まれた豚肉が実にご飯に合う。空腹のため大きな口を開けている雛鳥のようになっている胃袋にその丼を一気呵成に納めていった。

 その正丸丼パワーのおかげで、帰路に控えていた「小沢峠」と「笹仁田峠」でのミニバトルでもたれることなく、バトルに参戦できた。

 今日は、酷暑の隙間をついた涼しい気候のおかげでしっかりと追い込んだ走りをすることができた。

 「15日の水曜日に予定している『超々ロングライド』も、今日のような涼しさであれば嬉しいが、酷暑のなか270kmもの道のりを走ることになる可能性も十分にあるな・・・」そんなことを思いながら、帰路をスムーズに走っていった。
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