AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

2633:ジェニファー

2013年05月31日 | ノンジャンル
 「ジェニファー」の手は暖かく柔らかい。そして、その笑顔も暖かく柔らかである。7時少し前にダンススクールに着いた。

 入口を入り、フロアを見ると、今までに何度か見かけた小学生高学年らしい男の子と女の子のペアがラテンを踊っていた。

 どうやらこのかわいらしいペアは競技会に出るらしい「準決勝」がどうのといった話を講師の男性としていた。

 おそらく、小学生の低学年のころから熱心にやっているのであろう。複雑なステップで華麗に踊る。

 その様子を眺めながら、ダンスシューズに履き換えた。ダンスシューズはエナメル製で表面がピカピカしている。ちょっと気恥ずかしい風体である。

 「ジェニファー」はいつもと同じ笑顔で迎えてくれた。レッスンを受けるのは、何回目であろうか・・・確か5回目か6回目のような気がする。

 「ジェニファー」は、30代前半と推測される。既婚か未婚かは不明であるが、左手の薬指に指輪をしていないところを見ると未婚なのかもしれない。映画の「Shall We Dance?」のジェニファー・ロペスをも凌駕する魅力を持った女性である。

 映画では、遺言専門の弁護士であるリチャード・ギアが、通勤電車の窓から、ダンス教室の窓辺に悲しげな表情で佇むジェニファー・ロペスを見かけたところから物語がゆっくりと始まる。その魅力に惹かれてダンス教室の扉を開いたリチャード・ギアが徐々にダンスにのめり込んでいく過程が、個性的なダンス仲間たちとともに生き生きと描かれる。

 私の場合は、そういったロマンティックな過程を経て、ダンス教室の扉を開いたわけではない。「ウィンナ・ワルツを習いたいんですけど・・・」と入会を申し込み、体験レッスンを受けに後日ダンス教室を訪れた時に、担当となったのが「ジェニファー」であったのである。

 今日も今までの復習から始まった。少々腰が引けてしまう悪い癖があるようで、重心を足の指の付け根あたり、前目にキープする意識を持つ必要があるようである。

 復習の後は音楽に合わせて練習する。ナチュラルターン6回、クローズドチェンジ3回、リバースターン4回、クローズドチェンジ3回でフロアを1周する。曲が途切れるまで、フロアを1周、2周、3周と回る。

 ウィンナ・ワルツの音楽はゆったりと流れるようであるが、そのステップはかなりテンポが速い。足は素早く無駄なく動き、腰から上はすっとまっすぐで軸がぶれないようにしないといけない。

 これが結構体力がいる。ダンスフロア内はもちろん冷房が効いている。しかし、レッスンの後半に入ってくると汗が流れてくる。

 30分のレッスンは終わった。修正すべきポイントは多い。まだ5,6回のレッスンを受けたにすぎない。ようやく音楽に乗ってステップがとりあえず踏めるようなったという程度である。まだまだ、先は長そうである。 
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2632:クエン酸

2013年05月30日 | ノンジャンル
 あと数日でMt.富士ヒルクライムである。こういう場合、疲労が蓄積するようなトレーニングは避けて、軽めにした方が良いのでは・・・と思い、1時間ほど軽めの負荷で固定式ローラー台で汗を流すことにした。

 普段の7割ぐらいの負荷でクランクを回し始めた。軽めの負荷であるので心拍数はそれほど上がらない。最大心拍数の7割程度である。

 このくらいの負荷で長時間運動を続けると脂肪の燃焼効率が良い、と聞いた覚えがある。では、この負荷で1時間ほど漕いでみるか・・・と思った。

 負荷はそれほど高くはないが、時間が経過してくると汗が流れ出してくる。それは、もっと高い負荷で脚を回している時と大して変わらない。

 汗は汚れ防止のためにフレームにかけてあるタオルにどんどん落ちていく。雑巾を絞るかのような感じで体の中の水分は我先に外に出ていく。

 1時間が経過した。

 頭の中で「今日は木曜日、本番は日曜日・・・明日が本番というわけではない・・・もう少し負荷を上げても、本番までには疲労は抜けるはず・・・」と考えた。

 そして、あと30分だけ負荷を上げて回してみることにした。負荷を上げると、比較的穏やかであった心拍数はぐっと上昇した。呼吸も必要とする酸素を体内に取り込もうとせわしないものになってくる。

 負荷を上げて30分クランクを回し続けると、やはりぐったりとした。肩で息をするような感じでぺダリのビンディングを外した。

 ローラー台でのトレーニングを終えて、グリコから出ている「クエン酸&グルタミン」を500mlの水に溶いて飲んだ。これは疲労回復に効果があるサプリメントである。1袋あたりクエン酸500mg、グルタミン500mgが含まれている。酸味のある味わいで、色はピンク。

 グリコは「POWER PRODUCTION」というシリーズを展開していて、スポーツの前後に飲むと効果のある製品を幾つか出している。

 私はこの「クエン酸&グルタミン」以外にも「BCAA」を愛用している。これは運動前に飲むもの。筋持久力をサポートしてくれる。ヒルクライムの前の飲むと、脚の筋肉の疲労度を軽減してくれる。

 こういったサプリメント類はつい最近から飲むようになった。チームでのロングの時に他のメンバーが飲んでいるのを見て、「これって効果があるのかな・・・」という感じで購入して飲むようになった。

 私は、「やはり、効果があるのでは・・・」という気がしている。もちろん、ハードな運動の後には筋肉は疲れるし、自分の実力以上のものが引きだされるわけではないが、気持的にも安心感をもたらしてくれる。

 大量の汗をかいたので、ぐいぐいと勢い良く「クエン酸&グルタミン」を飲んだ。そして、シャワーで汗を流し去った。

 体にも脚にも疲労感が残った。でも、きっとクエン酸とグルタミンが綺麗に掃除してくれるであろう・・・そんなことを思いながら、疲れ切った体をベッドに横たえた。
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2631:ディーゼル・ハイブリッド

2013年05月29日 | ノンジャンル


 Mercedes-Benzの旗艦であるS-Classがフルモデルチェンジした。このセグメントにおけるベンチマークであり、BMWの7シリーズやAUDIのA8というライバルに追い上げられながらも首位の座をけっして明け渡さない、あるいは明け渡してはいけないS-Classは、Mercedes-Benzにとっては絶対の牙城とも言えるモデルである。それだけに、相当な気合が入ったモデルチェンジであるはず。

 新型S-Classのボディサイズは全長5,116mm×全幅1,899mm×全高1,496mm。ホイールベースは3,035mm。従来のモデルと比べて、そのサイズはほとんど変わらない。全幅および全高はほんの少しその数値が増えているが、全長は逆にやや短くなっている。ホイールベースは変わらない。

 そのデザインであるが、最近フルモデルチェンジされたA-Classの顔つきに代表される新たなMercerdes-Benzの造形様式がはっきりと見て取れる。そのヘッドライトは細かに連続するLEDライトで有機的に縁取られ、どことなく爬虫類や両生類の目を思わせる雰囲気が漂っている。



 フロントからの眺めは、大型化したグリルや、LEDを配したヘッドライトにより、その印象を鮮烈に強めている。かなり攻めの造形である。

 対してサイドからその全体を眺めると、二本のキャラクターラインは躍動感と伸びやかさをしっかりとその手中に収めるかのように描かれ、全体の造形は比較的穏やかでしっとりとした重厚感を感じさせる。

 モデルラインナップは、「S350 ブルーテック」「S400 ハイブリッド」「S500」でスタートし、その後、「S300 ブルーテック ハイブリッド」が加わる予定である。

 日本には「S400 ハイブリッド」と「S500」が投入されるのであろう。日本はハイブリッドに人気が集まる傾向がある。E-Classには導入されたブルーテックと呼ばれるディーゼルエンジンのモデルの導入は少々微妙であろう。

 個人的にはディーゼルエンジンとハイブリッドを組み合わせた「S300 ブルーテック ハイブリッド」の導入を心待ちにしたいところである。このモデルは、最高出力204馬力、最大トルク500Nmを発揮する、2,143cc 直列4気筒ディーゼルエンジンと、電気モーターを組みあわせた高環境対応型モデルである。

 0-100km/h加速は7.6秒だが、燃費が22.7km/Lである。このセグメントにおいては相当に高い環境性能をほこる

 このセグメントの車を購入しようとするオーナーにとって、このような高い環境性能が購入の大きな動機となるのか疑問ではある。しかし、時代は確実に変わっている。このディーゼル・ハイブリッドモデルが日本にもしも導入されたなら、そこそこ成功するのではという気もするのである。
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2630:結末

2013年05月28日 | ノンジャンル
 西武新宿へ向かう急行列車のなかで、宅間孝行著「くちづけ」を読み始めた。出だしから少々虚を突かれた感じであった。知的障害者である「う―やん」の様子が生き生きと描かれていて、すっと心の中に入り込んでくる。そして、いきなり物語のラストの悲しい出来事が予告のように何気なく告げられる。

 「その夜、マコちゃんが死んだ。」

 この小説は映画化されて現在上映されている。小説を読み終えて、映画を観てみたいと思う反面、観ない方がいいのかも、とも思う。

 ストリー展開や登場人物など、とても映画に向いた作品である。読んでいても映像が鮮明に浮かび上がってくる。しかし、実際に映画を観ると自分が頭の中のスクリーンに勝手にイメージしていたのと違うな・・・という印象を持つ可能性も高いような気がする。

 それに、これは小説もそうであるが、映画もきっと涙なしでは観終えることは不可能な作品であろう。小説であれば、人知れずですむのであるが、映画館の中ではいい歳の中年オヤジが明るくなった館内で涙をあわてて拭う姿はみっとも良いものではない。若い女性なら様になるのであるが・・・

 物語はいろんなエピソードが次々に展開する形で描かれてゆく。「うーやん」とその妹の「智ちゃん」を軸といて展開していたところに、「マコちゃん」とその父親の「いっぽん」が絡み合い、そして予告された結末へ向けて、収束していく。その流れはなだらかになったり、急になったりしながら、確実に一つのところへ向かっていく。

 心の中ではその収束地点に向かわないで欲しい、という気持ちを持ちながらも、読み進まざるを得えない。

 本を読んだり、映画を見たり、あるいは音楽を聴いたりして、心情を大きくゆすぶられて涙を流すことは、精神衛生上良い影響があると聞いた覚えがある。

 感動の涙は心を浄化する作用があるようである。そういう観点からすると、この「くちづけ」は精神衛生上とても良い効果をもたらしてくれる。

 物語の二つの軸をなす「うーやん」と「マコちゃん」は知的障害者である。精神年齢は小学生の低学年ほど・・・永遠の子供たちである。

 その永遠の子供たちの純粋さが、心の中に妙に染み込んでくる。現実の時間の中で干からび、ひび割れている私の心の中にも、その純粋な水はすっと流れ込み、吸い込まれていくのである。

 「くちづけ」を読み終えて、ふっと「星守る犬」を思い出した。こちらは原作は村上たかしの漫画である。映画にもなった。私が読んだのは原作の漫画を原田ハマが小説として描いたものである。

 こちらはも物語の結末が、冒頭に一つのエピソードとして予告されていた。その結末に向けた物語は流れ出す。避けられない結末に向けて・・・

 どちらの物語も心温まるものでありながら、予告された結末が常に影のようになり、その様々なエピソードや描かれる風景を縁取るかのようである。

 そして、読者は予告されていたとはいえ、その「結末」に最後には向き合わなければならない。多くの人は涙を流しながら向き合うことになってしまう。

 たとえ、その涙が精神衛生上読者の心を浄化する良い作用があるとしても、「いや、こんな結末は違う・・・違うべきだ・・・」と心の反作用が生じる方もいるはずである。私もそうであった「いっぽん・・・それは違う・・・違うよ・・・」そんな心を呟きがどうしても漏れ出てしまった。

 映画を観たいような・・・観たくないような・・・そんな迷える気持にさせる小説であった。
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2629:空洞

2013年05月27日 | ノンジャンル


 ORBEA ONIXに新たに装着されたサドルはsella italiaの「SLR SuperFlow 130」である。何と言ってもその特徴は「SUPER ANATOMIC CUTOUT」と物々しい名称で表現されている中央部分の空洞である。

 結構がばっと空いているのである。このサドルを数ケ月前、「FUNRIDE」の新製品紹介の記事で見かけた時、まず目がいったのは紛れもなくこの空洞である。

 「良いな・・・この大きな空洞・・・」
 
 思わず独り言を言った。

 今まで使っていたのは同じくsella italiaの「FLITE Gel Flow」。こちらは座面部分のクッション性が素晴らしく、長い距離を走っても坐骨部分が痛くならず、ロングライドにはもってこいのサドルである。

 普通のロングやヒルクライムでは、この「FLITE Gel Flow」で全く問題がなかったのである。しかし、MT.富士ヒルクライムのように20kmを超えるような長い上りが続くヒルクライムの時に10kmを超えたあたりから、尿道部分のしびれが少々辛くなってくるのであった。

 ヒルクライム時のフォームにおいて、骨盤がしっかりと立っていなくて少々斜めになっているのが、その原因であると思われるのであるが、すぐには直せそうにない。「であれば、とりあえずサドルを変えてみるか・・・」と安易な道を選んでしまった。

 先日の都民の森に向かう長い上りでも尿道部分のしびれはなかった。やはりこの広い空洞部分の恩恵は大きかった。

 サドルの重さは170gと軽量である。当然空洞部分は重さがないことにも由来するのであろうが、レールの素材がチタンであることが大きいようである。

 私のような初心者にとってレール部分の素材がチタンであろうが、アルミであろうが、それほど大きな影響はないのである。最も大事なのは、その大きな空洞である。

 心配された坐骨部分の痛みはまったくないわけではない。でもまあ、これくらいならといったレベル。「FLITE Gel Flow」の方が座面のクッション性は優れているので、普段のロングでは「FLITE Gel Flow」を使い、距離の長いヒルクライムの時だけ「SLR Super Flow 130」を使うなんてことも考えたりしている。

 多くのローディーにとってサドル選びは結構厄介な問題のようである。数え切れないほどの製品がある。その中から自分に最もあったものを選択するのは至難の業。私の場合、とにかく傷みが出ないものという視点のみから選んだ。

 この二つのサドルはそういう点からすると優れものである。目前に迫ったMt.富士ヒルクライムには、この新たな「SLR Super Flow 130」で臨むことになる。
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