AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

4549:ヒルクライム

2018年08月27日 | ノンジャンル
 計測ラインを越えると、周囲のロードバイクの流れも速くなった。その流れの平均スピードよりも少し速めのスピードを維持しながら、その流れに乗った。

 道路のやや右側を通過しながら、「序盤は無理をしない・・・」と自分に言い聞かせていた。脚の余力が十分にある序盤は、レース独特の高揚感にのまれてしまうと、無理をしてしまいがち・・・自分の脚力を冷静に判断し、220ワットぐらいの平均出力になるようにクランクに込める力を調整しながら序盤の道を走っていった。

 終盤になっても220ワットの平均出力を維持できれば、目標達成はできるはずであるが、それがとても困難なことであることは、昨年、一昨年と、このヒルクライムコースで経験済みである。

 今年はどうであるか・・・「3度目の正直」ということで終盤までペースをしっかりと維持でき、目標を達成できる可能性もあるし、「2度あることは3度ある」ということで、やはり今回も終盤で脚がなくなり、平均出力がずるずると下がってしまう可能性もある。

 私としては、終盤まで脚をもたせるプランでいたので、序盤ははやる心を抑えて走っていった。このコースは大まかに三つに分割できる。スタートからCP1までの7kmは比較的斜度の変化が少なく、平均勾配も緩めで走りやすい。脚もあるので、良いペースで走れるはずである。

 CP1からCP2までの8Kmほどは、斜度の変化があり、厳しい斜度のエリアもあるので、脚を削られがち・・・この区間もできるだけ一定の負荷で走り、斜度の厳しいところで頑張りすぎないように注意しながら走るつもりであった。

 CP2を経過してゴールまでの5km程は、一番しんどい区間である。斜度はしっかりとある。脚の余力が底をついてくる頃合いであり、森林限界を越えると空気が薄くなるので、脚に力が入りずらくなってくる。

 この5kmでペースが落ちるのはやむを得ないが、そのペースダウンの比率を最小限に抑えれば、良いタイムが出る。ここでたれ切ってしまうと、タイムは伸びない。この区間が正念場である。

 スタートからCP1までは良い感じで走れた。平均パワーは220ワットをしっかりと維持できていたし、脚にも余力が感じられた。

 ぴったりのペースで走っているトレインは残念ながらなかったので、自分でしっかりとペースを管理しながら走っていった。

 天気の心配もなく爽やかな空気の中を数多くの参加者とともに走っていけた。次はCP2までの第2区間である。

 この区間は距離が長めで斜度の変化も結構ある。脚を使いすぎないようにサイコンのパワーの数値にたびたび視線を落とした。

 私はもともとうつむきがちの乗車フォームである。辛くなってくるとさらにそのうつむき加減は強くなる。

 厳しい斜度のところはダンシングに切り替えて上っていった。水分補給もできるだけ定期的に行うように心掛けた。

 そうしているうちにようやくCP2が視界に入ってきた。CPではボランティアの方々がコップに入れた水やスポーツドリンクを手渡してくれる。

 手を伸ばして、一つの紙コップを取った。それを一気に口の中へ流し込み。ほぼ空になった紙コップを道路の脇へ落とした。

 CP2を経過してすぐに「残り5Km」の看板が見えた。通過タイムは1時間1分を少し経過していた。できれば「残り5km」のところをちょうど1時間で通過したかったが、通過した時のサイコンのタイム表示は「1:01:14」であった。

 昨年とほぼ同じタイムである。ここからの5kmが正念場である。踏ん張れるか、否か・・・本当につらい行程に突入していった。

 これから心と体で味わうであろう「苦痛」を思い、筋肉が一瞬堅くなった。「大丈夫・・・今までのペースをそれほど落とすことがなければ・・・1時間25分は切れる・・・」自分にそう言い聞かせながら、クランクを回し続けた。
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