GOLDMUND MIMESIS 39Aからは、その後、ラフマニノフのビアノ協奏曲第2番の第1楽章、マーラー交響曲第5番の第1楽章、そして、ブルッフのバイオリン協奏曲第1番の第1楽章のデジタルデーターがMIMESIS 12へ送られた。
1UサイズにまとめられたMIMESIS 12は、その控えめな躯体のわりに実に良い仕事をしているようで、OCTAVEのHP-300SEに精緻なアナログ信号を粛々と送り込んでいた。
OCTAVEのHP-300SEとRE280 MK2は、そのアナログ信号を、デフォルメすることなくきっちりと増幅し、スピーカーを駆動するに十分な出力までもっていってから、デンマーク製のスピーカーのユニットを振動させていた。
温度感は決して高いものではない。どちらかというと、冷静沈着と評していい質感を有していた。しかし、冷徹と評するほどに表情が乏しいわけでもない。
つまり、最初に聴いたグレン・グールドのピアノ演奏によるゴールドベルグ変奏曲であれば、実際に聴いた1981年の録音のものではなく、1955年に録音された彼のデビュー盤の方がふさわしく、次に聴いたラフマニノフのピアノ協奏曲では、実際に聴いた第2番ではなく、第3番の第1楽章の方がふさわしく、次に聴いたマラーの交響曲第5番であれば、ブルックナーの第5番の第1楽章の方がふさわしく、そして最後に聴いたブルッフのヴァイオリン協奏曲であれば、シベリウスのヴァイオリン協奏曲の第1楽章の方がふさわしい・・・そう感じさせる音の質感であった。
わが家のリスニングルームで聴ける音とは、当然のことであるが、方向性の異なる音である。まあ、我が家のオーディオシステムは60年前に製造されたスピーカーと真空管アンプが主たるポジションを占めているのであるから、この真新しく高性能なシステムと比べるまでもないことではあるが・・・
一通り聴いて、このシステムの大まかな印象を脳裏に刻んだ後、ほんの少し「実験タイム」も設けられた。
つい最近一般販売が開始されたGe3の「額縁」を導入したばかりのグールドさんは、勢いあまって、Ge3のRCAケーブルも購入したようである。
その製品名は「銅蛇」・・・Ge3らしく怪しいネーミングである。しかし、その見た目はいたって普通のRCAケーブルである。
それをグールドさんが持参されてきていたので、プリアンプとパワーアンプを接続しているRCAケーブルをこれに交換してみることになった。
さきほどまで使用されていたMITのMI330 SHOTGUNを外して、「銅蛇」に差し替えた。そのうえで直前に聴いていたブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番第1楽章を再度聴いた。
その印象は変わったか・・・やはり変わる・・・まあ、これも当然ではある。帯域バランスはどちらかというとやや高域よりにシフトした。そして、音の抜けきり感は明らかにアップした。
MITの時はちょっと詰まった感じかしていたのかもしれない。しかし、そのことがややタメを作っていて、聴感上は耳なじみの良い穏やかさを演出していたようである。抜けの良さを取るか、タメを取るか・・・まあ、これは個人的な好みなのかもしれない。
OCTVAEのプリアンプとパワーアンプ、さらにはRaidho Acousitcsのスピーカーは順次ヤフオクで処分される予定である。
これらのオーディオ機器が、次なるオーナーのもとで、その本領を発揮できることを願いながら、私は「オーディオショップ・グレン」を後にした。
1UサイズにまとめられたMIMESIS 12は、その控えめな躯体のわりに実に良い仕事をしているようで、OCTAVEのHP-300SEに精緻なアナログ信号を粛々と送り込んでいた。
OCTAVEのHP-300SEとRE280 MK2は、そのアナログ信号を、デフォルメすることなくきっちりと増幅し、スピーカーを駆動するに十分な出力までもっていってから、デンマーク製のスピーカーのユニットを振動させていた。
温度感は決して高いものではない。どちらかというと、冷静沈着と評していい質感を有していた。しかし、冷徹と評するほどに表情が乏しいわけでもない。
つまり、最初に聴いたグレン・グールドのピアノ演奏によるゴールドベルグ変奏曲であれば、実際に聴いた1981年の録音のものではなく、1955年に録音された彼のデビュー盤の方がふさわしく、次に聴いたラフマニノフのピアノ協奏曲では、実際に聴いた第2番ではなく、第3番の第1楽章の方がふさわしく、次に聴いたマラーの交響曲第5番であれば、ブルックナーの第5番の第1楽章の方がふさわしく、そして最後に聴いたブルッフのヴァイオリン協奏曲であれば、シベリウスのヴァイオリン協奏曲の第1楽章の方がふさわしい・・・そう感じさせる音の質感であった。
わが家のリスニングルームで聴ける音とは、当然のことであるが、方向性の異なる音である。まあ、我が家のオーディオシステムは60年前に製造されたスピーカーと真空管アンプが主たるポジションを占めているのであるから、この真新しく高性能なシステムと比べるまでもないことではあるが・・・
一通り聴いて、このシステムの大まかな印象を脳裏に刻んだ後、ほんの少し「実験タイム」も設けられた。
つい最近一般販売が開始されたGe3の「額縁」を導入したばかりのグールドさんは、勢いあまって、Ge3のRCAケーブルも購入したようである。
その製品名は「銅蛇」・・・Ge3らしく怪しいネーミングである。しかし、その見た目はいたって普通のRCAケーブルである。
それをグールドさんが持参されてきていたので、プリアンプとパワーアンプを接続しているRCAケーブルをこれに交換してみることになった。
さきほどまで使用されていたMITのMI330 SHOTGUNを外して、「銅蛇」に差し替えた。そのうえで直前に聴いていたブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番第1楽章を再度聴いた。
その印象は変わったか・・・やはり変わる・・・まあ、これも当然ではある。帯域バランスはどちらかというとやや高域よりにシフトした。そして、音の抜けきり感は明らかにアップした。
MITの時はちょっと詰まった感じかしていたのかもしれない。しかし、そのことがややタメを作っていて、聴感上は耳なじみの良い穏やかさを演出していたようである。抜けの良さを取るか、タメを取るか・・・まあ、これは個人的な好みなのかもしれない。
OCTVAEのプリアンプとパワーアンプ、さらにはRaidho Acousitcsのスピーカーは順次ヤフオクで処分される予定である。
これらのオーディオ機器が、次なるオーナーのもとで、その本領を発揮できることを願いながら、私は「オーディオショップ・グレン」を後にした。