日曜日の夕方から始まった「レコード・コンサート」の締めを飾ったのは、「ECHOS DE ROMPON」と題された一連のレコードの一枚であった。
この一連のレコードの多くはとある礼拝堂で録音された。その礼拝堂は、フランスのアルデッシュ県の寒村、ロンポンにある。
1965年、ピアニスト ジャンヌ・ボヴェは、村のはずれにある廃屋同然の礼拝堂を3,000フランで買い取った。
その後彼女はその礼拝堂で慈善演奏会を開き続け、その寄付金によりこの礼拝堂を復興させた。年々、その慈善演奏会には彼女以外にも多彩な演奏家が顔を揃えるようになり、この礼拝堂は有名となった。
彼女はロンポンに住みながら、一年に一枚のペースでレコードを作成した。その録音場所はロンポン礼拝堂が多い。そのレコードの収益金は礼拝堂の維持管理に充てられた。
演奏者は、彼女だけでなく、慈善演奏会に参加した他のメンバーの場合もある。彼女が所有していた3台のピアノ(ベーゼンドルファー、スタインウェイ、シュミット=フロール)が、おのおの使用されている。
「ECHOS DE ROMPON」と題されたその一連のレコードは、ディープなレコードマニアの間ではとても大切にされている。
ROKSAN XERXES Ⅹのターンテーブルに乗せられたのは、ジャンヌ・ボヴェが演奏し、ロンポン礼拝堂で録音されたもの。
その片面に納められたバッハ「シャコンヌ第1番」が奏でられた。礼拝堂の写真がジャケットに写っている。
その建物は、素朴で飾り気はないが、心にすっと染み入るような造形をしている。決して声高に主張されることのない、地中深く静かに根を張る信仰心がそのまま形になって現れたかのような佇まいである。そして、ボヴェというピアニストが奏でるバッハは、その礼拝堂の写真と見事にリンクする。
このレコードが制作された経緯には、こちらの心を魅了するものがある。その経緯を心の片隅にそっと溶け込ませながら、ボヴェの弾くピアノに耳を澄ませる。
清浄な音の流れである。ロンポン礼拝堂の空気はきっとこうだったのでは思えるような清澄な空気感に全身が満たされていく。
誰かに聴かせるというよりは、純粋な祈りに似たようなピアノの音は、質素で素朴な礼拝堂の中の隅々にまで響き渡り、レコードを通してその音の響きを聴く者の心に「こだま」のように残響する。
この「ロンポンのこだま」と題されたシリーズ・・・聴くのはこのレコードが始めてである。メジャーレーベルで数多く作られたレコードではないので、中古市場では高価な価格で取引されているようである。シリーズ全てではなくても、数枚であれば、私もコレクションしたいと思った。
この一連のレコードの多くはとある礼拝堂で録音された。その礼拝堂は、フランスのアルデッシュ県の寒村、ロンポンにある。
1965年、ピアニスト ジャンヌ・ボヴェは、村のはずれにある廃屋同然の礼拝堂を3,000フランで買い取った。
その後彼女はその礼拝堂で慈善演奏会を開き続け、その寄付金によりこの礼拝堂を復興させた。年々、その慈善演奏会には彼女以外にも多彩な演奏家が顔を揃えるようになり、この礼拝堂は有名となった。
彼女はロンポンに住みながら、一年に一枚のペースでレコードを作成した。その録音場所はロンポン礼拝堂が多い。そのレコードの収益金は礼拝堂の維持管理に充てられた。
演奏者は、彼女だけでなく、慈善演奏会に参加した他のメンバーの場合もある。彼女が所有していた3台のピアノ(ベーゼンドルファー、スタインウェイ、シュミット=フロール)が、おのおの使用されている。
「ECHOS DE ROMPON」と題されたその一連のレコードは、ディープなレコードマニアの間ではとても大切にされている。
ROKSAN XERXES Ⅹのターンテーブルに乗せられたのは、ジャンヌ・ボヴェが演奏し、ロンポン礼拝堂で録音されたもの。
その片面に納められたバッハ「シャコンヌ第1番」が奏でられた。礼拝堂の写真がジャケットに写っている。
その建物は、素朴で飾り気はないが、心にすっと染み入るような造形をしている。決して声高に主張されることのない、地中深く静かに根を張る信仰心がそのまま形になって現れたかのような佇まいである。そして、ボヴェというピアニストが奏でるバッハは、その礼拝堂の写真と見事にリンクする。
このレコードが制作された経緯には、こちらの心を魅了するものがある。その経緯を心の片隅にそっと溶け込ませながら、ボヴェの弾くピアノに耳を澄ませる。
清浄な音の流れである。ロンポン礼拝堂の空気はきっとこうだったのでは思えるような清澄な空気感に全身が満たされていく。
誰かに聴かせるというよりは、純粋な祈りに似たようなピアノの音は、質素で素朴な礼拝堂の中の隅々にまで響き渡り、レコードを通してその音の響きを聴く者の心に「こだま」のように残響する。
この「ロンポンのこだま」と題されたシリーズ・・・聴くのはこのレコードが始めてである。メジャーレーベルで数多く作られたレコードではないので、中古市場では高価な価格で取引されているようである。シリーズ全てではなくても、数枚であれば、私もコレクションしたいと思った。