AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

PとGOLD

2006年06月30日 | ノンジャンル
 ROLF KELCHはドイツ人である。トーレンスで製造部門の責任者を務めていた人物である。したがって、ROLF KELCHのプレーヤーはどことなくトーレンスと同質の雰囲気がある。先日ROLF KELCHのREFERENNCE DDをダイナミックオーディオの東さんの試聴室で聞かせていただいた時には、その音の素晴らしさに「やはりアナログの可能性はすさまじい。」との印象を抱いた。

 しかし、その価格もすさまじい。躯体の大きさや重さも半端ではない。残念ながらこの製品を導入する可能性は今のところない。そこでより現実的なモデルである、The Baby Blue GOLDとThe Baby Blue Pを試聴してきた。まずGOLDの方をREFERENCE DDと全く同じシステムで聞かせていただいた。比較するのは酷かもしれないが、REFERENCE DDと比べると腰高で前のめり的な音に感じられてしまう。価格差が3倍以上の開きがあるのだから当然なのだが、その音楽に迫る肉迫感の差はいかんともしがたい。GOLD単独で聞けば充分に高いレベルなのであるが、その隣にREFERENCE DDがあると随分と影が薄くなってしまう。

 The Baby Blue Pはいわばノーマルバージョン。GOLDとの違いはアウタープラッターの材質が違う。Pはアルミ製で1.6kgであるのに対して、GOLDは砲金製で重量は9kg。見かけはそれほどの差はないが、価格差は53万円と大きい。Pの方はダイナミックオーディオの新宿店で試聴した。トーンアームはSMEのM2-9、カートリッジはオルトフォンのMC Kntrapunkt-aが装着されていた。フォノイコライザーはAESTHETIXのリーア、アンプはVIOLAのカデンツァとシンフォニーのペアで、スピーカーはAMATI ANNEVERSARIOという豪華な顔ぶれであった。

 「これで充分。」と思わせる、バランスの良い音である。トーンアームもカートリッジもそれほど高級というわけではないが、アナログらしい、自然で豊かさを感じさせる音である、音場表現もSACD並みに広がり感のあるものであった。見た目的にもとてもコンパクトにまとめられており、その色合いもGOLDよりも落ち着いていて良識さを感じさせてくれる。価格的にもタ-ンテーブルとアームで925,000円と想定の範囲内に収まる。

 アナログはどの製品も魅力的に感じられる。REFERENCE DDは別格であったが、聞かせていただいた「GAIA」「LP12」「Champion Magnum」「The Baby Blue GOLD」「The Baby Blue P」どれもそれぞれ、「これで充分ではないか。」と思わせる音を聞かせてくれた。時々オーディオ雑誌などでアナログプレーヤーを複数台所有しているマニアの方が載っていたりするが、その方の気持ちが分かるような気がする。どれも良い音を聞かせてくれるので、ひとつに絞れないのである。

 
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潔いデザイン

2006年06月29日 | ノンジャンル
 「潔いデザイン」というものが存在する。過剰とは裏腹に、必要な機能にのみ的を絞り、無駄なものを徹底的に削いでゆく。その結果としてエッセンスのみが残り、結晶として結実することにより、すばらしいバランスと機能美が生まれてくる。

 オーディ機器、特にアナログプレーヤーには、そういった潔いデザインの製品が散見される。これらの製品のなかで、私が勝手に両巨頭と感じているのは、LINN LP12とROKSAN XERXES 20である。この両者はいずれもイギリス製である。イギリス製のオーディオ機器の多くは、奥ゆかしいまでのコンパクトさと潔さがある。アメリカ製や日本製のオーディオ機器のような「あくなき欲望」的なあざとさがない。

 LP12とXERXES 20には、合理的な機能性の追求とともに人の手作業の持つ暖かみのようなものが感じられる。デザインとしてはORACLE DELPHIのアクリルとアルミの妙なる融合による精霊が宿るかと思わせるような崇高さも素晴らしいが、LP12とXERXES 20には、人が直接手を触れて操作する「道具」としての使い心地のよさも兼ね備えているように感じられる。

 最近はオーディオショップやオーディオ雑誌でもアナログ機器ばかりに目がいってしまう。そんな私にとってLP12とXERXES 20はその存在感が日に日に大きくなってきている。しかし、この両者は使い手の技量を相当要求してくることが予想される。長くつい合うにはそこがまた魅力ではあるのであろうが、そのような技量の持ち合わせのない私にとっては、長い茨の道が待ち受けているのかもしれない。

 この両者は、プレーヤー本体・トーンアーム・電源部など各パーツを最高級のもので組み合わせると100万円程度になる。オーディオに興味のない普通の人が見れば、俄かにはその価格が信じられないであろう程に、その佇まいは自然でさりげない。人を威圧したり、たじろがせる様な迫力はその容姿からは感じられない。しかし、名人といわれる職人が作った道具が持っている「使うことによる満足感」を与えてくれる名器ような気がする。

 
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クリアオーディオ

2006年06月28日 | ノンジャンル
 今日は御茶ノ水にある顧問先の会社を訪問したついでに、オーディオユニオン御茶ノ水店を訪問した。3階を覗いてみると、見慣れないアナログプレーヤーとフォノイコライザーが展示してあった。聞いてみると、ドイツのクリアオーディオの「CHAMPIOM MAGNUM」と「SYMPHONO」という製品であった。よく見てみると「SYNPHONO」にはバランス出力が備わっている。BAT VK-51SEはバランス入力しかないのでフォノイコライザーはバランス出力が装備されていることが必要条件となってくる。見た目的にもこの両者、硬質なきらめき感があり、デザインセンスも相当レベルが高い。

 店員の方にお願いして、早速試聴させてもらった。他の試聴機器は、ジェフローランドのプリとパワーのペアにスピーカーはパイオニアのS-1EXであった。バッハの弦楽合奏曲のレコードを聞かせてもらったのだが、SN比のよさが印象的、透明感と弾力感のバランスも高いレベルで両立している。「これ結構良いな~」

 GERMAN PHYSIKSのスピーカーを購入してからは、ドイツという国に対して妙に親近感を抱くようになっているため、MADE IN GERMANYは私にとってとても魅力的である。ZYXのR100 YATRA MKⅡという見知らぬカートリッジが装着されていた。このクリアで魅力的な音には、このカートリッジも貢献しているのであろう。私の好みからするともう少し躍動感というか、実在感が欲しいところであるが、カートリッジを替えるなどの調整で変更できる範囲であろう。価格も比較的手ごろで、CP比は相当高い。クリアオーディオは全くノーマークであったが、急遽ダークホース的な存在として浮上してきた。

 アナログは全くの初心者なのであるから、いきなり高額な製品を買わず、このクリアオーディオのようなミドルクラスの良心的な製品から始めてみるのが最適なのかも知れない。

 ドイツといえば気になるのが、OCTAVEというアンプメーカーである。最近HP500SEという同社が誇るプリアンプの中古情報を入手した。このプリアンプは良質なフォノイコライザーを内蔵している。HP500SEの中古情報を入手して、フォノイコライザーを新規に購入するのではなく、プリアンプをフォノイコライザーつきのものに買い換えるという手もあるな、とふと思いついた。そうすればオーディオ機器としてはアナログプレーヤのみが増えることとなり、設置面でも電源環境面でも良い影響があるのではと考えてしまう。

 あまりオーディオ機器の数は増やしたくない。なるべくシンプルな構成にしたい。これが私の基本方針なのだが、この数ヶ月は全く逆の結果となっている。フォノイコライザーつきのプリアンプという今まで頭に浮かばなかったプランもひとつの選択肢として浮上してきた。
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スペース確保

2006年06月27日 | ノンジャンル
 アナログを始めるにあたってまずクリアしなければならない問題のひとつは、機器の設置スペースである。プリアンプのBAT VK-51SEはフォノイコライザーを内蔵していない。したがって、アナログプレーヤーとフォノイコライザーの2つのオーディオ機器が増えることになる。

 現在使用しているクアドラスパイアのラックは4段のもので、全ての棚板は既に埋まっていて空きはない。そこで一昨日、しばらく部屋をじっくり眺めていると、とあるアイディアが浮かんできた。それは、既存のクアドラスパイアのラックの4段目を外し、3段にして、棚板2枚とポールを1セットそれとスパイクを別途追加購入すれば、全く同じ3段のラックが2つできる。この二つのラックをパワーアンプの両サイドに置けば、設置スペースの問題はクリアできるのではないか。というわけで実は一昨日上遠野さんのところにお邪魔してLINN LP12の試聴をした際に注文しておいた。

 その追加分のクアドラスパイアが今日到着した。さっそく組み立て、二つのラックをパワーアンプの両脇に設置した。向かって右側のラックには上からCDT・DAC・CLOCKのデジタル機器を置き、左側のラックの一番下にPREを置いた。左側の1段目にはアナログプレーヤー2段目にはフォノイコライザーを近い将来に設置すれば、パワーアンプを真ん中に右側にデジタル機器、左側にアナログ機器が整然と並ぶこととなる。

 だが、そのアナログの機器の選定については、まだ暗中模索といったところ。先日東さんのところで聞かせていただいた「GAIA」と「REFERENCE DD」は価格面からして導入の可能性はない。アナログプレーヤーに関しては「The Baby Blue GOLD」「DELPH MKⅡ」「GyroSE-TA」「LP12」「XERXES20」などが候補として上がっている。しかし、取り付けるトーンアームやカートリッジ、さらにフォノイコライザーとの組み合わせまで考えると全く何がなんだか分からない世界となってくる。

 そんななか、AUDIO BASIC vol.38を見ていたらフォノイコライザーの比較試聴記事が載っていた。そのなかで和田博巳氏が「何を聞いても感心するすごいフォノイコ」という表現でCHORD Symphonicのことを絶賛していた。BAT VK-51SEはバランス入力しかないのでフォノイコライザーはバランス出力装備が条件となる。その点Symphonicはバランス出力を備える数少ないフォノイコライザーのひとつ。この記事を読んでいて、フォノイコライザーはSymphonicで決まりかな・・・と思っている。となると和田氏が今回の比較試聴の際に使用された御自宅の機器に近い「XERXES20」「ARTEMIZ2」「HELIKON」と「Symphonic」を組み合わせたら良いんじゃないかとついつい短絡的に思ってしまった。アナログ機器の選定については当分迷走が続くことであろう。

とりあえずスペース確保!

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締めすぎ

2006年06月26日 | ノンジャンル
 「ふんどしを締める」「勝って兜の緒を締める」などなど、締めるということは、気を引き締め、集中力を高めるというイメージがある。よくオーディオ雑誌などにも、オーディオ機器のネジなどを改めて締めなおすことにより音質向上がもたらされた、というようなことが書かれていたりする。

 HRS-120のDDDユニットは六角レンチを使うネジによってキャビネットに固定されいる。そこでためしに六角レンチを何本か持ってきたところ、丁度合うサイズの物があったので、締めてなおしてみた。思ったよりゆるく締められており、締めなおすとまだまだ締まるという感じで六角レンチが半周したりする。「おいおい、いいかげんだな~」と思いながら、「ドイツ人って几帳面な民族のはずだが・・・」と首をかしげかしげ締めてみた。

 1台に6個のネジが付いているのでスピーカーの周りをぐるっと一周しながら締め上げていく。全て締め上げて、「よし!これですっきりした。」「音がグッと密度感のあるものにかわっているかも~」と期待しながら、音を出してみた。

 最近コンサートに行って、その休憩時間に購入した熊本マリのショパン夜想曲集を聞いてみる。出だしのゆっくりした部分までは良かったが、高弦の強い打鍵時の音に歪が感じられる。「あれ?」という感じで何度か聞きなおしてみるが、同様の箇所で音が歪む。

 ネジしかいじっていないはず、DDDユニットに耳を近づけて聞いてみたが、やはり音そのものに歪が感じられた。「ネジを締めすぎたか?」と思い、先ほどとは逆に締め上げたネジを緩めてみる。そうすると先ほどの歪み感はなくなった。「こんなこともあるんだ。」「緩めに締めていたのには、音質的な調整の意味合いがあったのか・・・」「やはりドイツ人は几帳面な民族であった。」と反省させられた。

 オーディオにセオリーはあるのか?「ネジはきつく締めるもの!」という思い込みが通じないケースもあるということを今日学習した。オーディオはケースバイケースで同じ手法が吉と出ることも凶と出ることもあるのだ。

締めすぎ注意!

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