一通りの検証作業を終えて、グールドさんは再び大理石ボードを元の位置に戻して、四つに折られた布をその上にふわっと乗せた。どちらの色合いも穏やかなものであるので、その外観は地味でシックな質感である。
Wilson Audio CUBは、サウンドアンカー製の専用スタンドの上にセットされて、平行法でリスニングルームの短辺側に置かれている。専用スタンドの下にはアピトンを素材とする縦長のオーディオボードが置かれている。
その黒く塗装されたアピトンボードの手前にその大理石ボードは置かれているのであるが、大理石ボードとアピトンボードのと間には5cmほどの空間がある。グールドさんによると、その二つのボードの間隔の具合も音に影響があるようである。
Wilson Audio CUBは、仮想同軸のユニット配置を採用した大型のブックシェルフタイプのスピーカーである。発売当時価格は100万円ほどしたハイエンドモデルであり、高精細でリアルな音楽再生を得意としている。25年程前の製品であるが、その外観はしっかりとした美しさを保っている。
その後、ベルリオーズの幻想交響曲から第4楽章、マーラーの交響曲第5番から第1楽章、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番から第1楽章、さらに女性ボーカルも数曲聴いた。
3時間ほどの時間をグールドさんのリスニングルームで過ごしてから、自宅に戻った。
自宅に戻ってから、早速インターネットでスピーカー前面の床に置く音響調整アクセサリーについて、いろいろ調べてみた。最初に思いついたのが、サーロジックの製品である。
「もうカタログ落ちしているかな・・・」と思ったが、まだラインナップされていた。製品名は「Gallery-basso(ギャラリーバッソ)」。値段はそれなりに高い。スピーカーの前に置くので、当然2個必要である。
さらに、QRDについても調べてみた。製品名は「QRD BAD FLOOR」。こちらは販売が終了しているようであった。「ヤフオクでそのうち出るかも・・・」と、思った。
大理石のオーディオボードも調べてみた。こちらは、様々雑多なものが出ているようである。値段も様々であるが、その質感も千差万別であり、どれがいいのかは判別できない感じであった。
スピーカーの前面の床か・・・今まで全然気をつけていなかったけれど、結構音の質感に影響があるということが、今回判別した。今後、我が家でも一つのテーマとして取り組んでいこうと思った。