AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

2572:イメージトレーニング

2013年03月31日 | ノンジャンル
 「もしや・・・」と思って6時10分ごろベッドを這い出た。寝室の窓ガラスを開けた。「やっぱり駄目か・・・」細かい粒の雨が降っていた。路面は完全なウェット状態。「無理だな・・・」そう思ってまだ温もりの残っているベッドにもぐりこんだ。

 今日のチームでのロングライドは中止であった。昨晩確認した天気予報からすれば、予想の範囲内ではあるが、少々がっかりした。

 そこで今日は日頃おろそかになっている家族サービスに精を出した。午前中は日帰り温泉に家族を連れていった。家から車で10分程度のところにある「テルメ小川」である。一応天然温泉で、お湯はやや茶色い色をしている。今日は真冬並みの寒さに戻ったので、温泉は結構込んでいた。じっくりと温泉につかり体の芯から暖まった。

 帰り道、TSUTAYAによって「リング」を借りた。ハリウッド版のほうである。旧作であるのでレンタル料は100円。家で子供たちと一緒に観た。子供たちは観たことがないようであった。私は2回目である。妻はホラー系が大嫌いなので別の部屋に逃げていった。

 ホラー好きの二人の娘には比較的好評であった。日本版の方が恐いかもしれないが、ハリウッド版は予算が桁違い。やはり造り込みがしっかりとしている。

 夜には食事に連れて行って、とりあえずまずまずの父親を演じた。「夕食後はどうするか・・・ぐでっとするか・・・オーディオでクラシック音楽でも聴くか・・・」しばし考えた。

 「あと2ケ月でMt.富士ヒルクライムの本番である。ロングライドに行けなかったのであれば、何らかのトレーニングをすべきであろう・・・」

 「夜練か・・・実際にロードバイクに乗って、多摩湖堤防までの緩やかな坂を10往復なんてどうであろう・・・今は雨はほとんど止んでいるはず・・・」

 「それとも、ローラー台で本番をイメージしながら汗を流すか・・・目標タイムは1時間30分、距離は24km。1km、3分半のぺースで上がれれば1時間24分でゴールである。もちろんそんな速いペースでは実際には上がれないが、そのペースで上がっている自分をイメージしながらペダルを漕いでみるか・・・結構タフだろうな・・・」

 しばしの考慮の末、結局後者を選択した。3分半で1km、7分経ったら2km、そんな風にイメージしながら、ペースを極力変えないでクランクを回し続けた。

 20分もするとぽたぽたと汗が滴り落ちてくる。35分で10km・・・「本当にこのペースで上れれば良いだろうな・・・」そんなことを思った。この辺りまではそれほどしんどくはない。

 やはり想定走行距離が15~19kmあたりがしんどい。20kmを超えてくると残りが少なくなって終わりが見えてくるのか、少し元気が出てくる。

 そして最後の1kmはラストスパートで締めくくり。想定走行距離24km・・・時間1時間24分・・・実際にはあり得ないタイムであるが、まあ、イメージトレーニングのようなものである。その辺はあまり深く考えないようにしよう。

 このイメージトレーニング兼フィジカルトレーニングを本番まで繰り返せば、目標タイムの1時間30分も夢ではない・・・はず。

 しかし、人間はできない言い訳を考え付くことに関しては天才的な才能も持っているものである。私も例外ではない。週に3回ローラー台でトレーニングするという決意も時折この天才的な思いつきによる見事な言い訳の前で切り崩されそうになる。どうにか踏み堪えなければ・・・
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2571:霧雨

2013年03月30日 | ノンジャンル
 今日は朝から冷たい霧雨が降っていた。桜はまだ満開状態をかろうじて維持している。天気さえよければ桜を愛でるために近くの都立公園へ家族と一緒に行きたいところであったが、これでは難しい。

 雨はごく弱いもので、風も吹いていなかったので、桜はそれほど散ってはいない。「明日の日曜日の天気はどうであろう・・・」と、テレビの天気予報を確認してみたが、今日よりもさらに寒くなり、しかも雨も時折降るという予報であった。お花見もそうであるが、チームでのロングライドも難しそうな感じである。

 昨晩はMt.富士ヒルクライムのエントリーの日であった。私は「FUNRIDE」の年間購読を申し込んでいたので1週間前の先行エントリーでエントリーできた。なので、はらはらすることはなかった。

 チームのメンバー間のみで行っているtwitterで確認したところ、ほとんどのメンバーが比較的スムースにエントリーできたようである。昨年はエントリーのためのシステムがフリーズしてしまい、時間切れになってしまうケースがあったが、今年はその辺は改善されたようである。

 Mt.富士ヒルクライムは、ヒルクライムレースとしては最もポピュラーなものである。富士スバルラインを使って、24kmの上り坂を上る。

 昨年はエントリーに失敗してしまったため、参加できなかった。今年、初めて参加する。富士スバルラインは普段の日でも自転車で上ることができる。自転車の通行料は200円である。

 チームの事前練習走行で一度、そして一人でも一度、このコースを上った。やはり24kmは長い。どちらも1時間40分ほどの時間を要した。後半に入ってくると、腰やお尻、そして背中に傷みが襲ってくる。心肺機能や脚の筋力以外にも、頑丈な体が必要なコースである。

 目標タイムは1時間30分である。1時間30分でこのコースを上れると、「まあ、そこそこ頑張ってますね・・・」という評価をもらえる。

 本番まで約2ケ月。モチベーションはこれから上がってくる。できれば明日はロングライドに参加したいところである。しかし、泣く子と地頭と雨には勝てないのがロードバイクである。
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2570:アルプス交響曲

2013年03月29日 | ノンジャンル


 杉並公会堂の「大ホール」は、実質的には「中ホール」というべき広さである。2階席から眺める景色からしてもコンパクトである。

 そのため、音の響きという点においては、多少物足りなさを感じることがある。しかし、自宅から車で気軽に来ることができる距離にあるので、時折訪れる。席は大概、2階席を取る。

 今日の座席は2階席の後方の真ん中であった。全体を俯瞰するのにちょうどいいポジションである。

 今日のプログラムは前半がブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番」、後半がR.シュトラウス「アルプス交響曲」である。演奏は上岡敏之指揮日本フィルハーモニー交響楽団。ブルッフのヴァイオリン協奏曲のソリストは郷古廉。

 まずはブルッフのヴァイオリン協奏曲 第1番。これは日本ではとても人気のあるヴァイオリン協奏曲である。ロマンチックで甘い旋律は如何にも日本人好み。若々しく伸びやかな音楽の流れは本当に気持の良いものである。

 郷古廉は1993年12月生まれの19歳。若く才能豊かな演奏家である。彼はこの曲のロマンチックな旋律をスムースに描き抜く。変に拘泥することのない、滑らかなそのヴァイオリンの音色はこの曲にピッタリである。1682年製のストラディヴァリは、実に高貴な音色で、聴く者を魅了してくれた。

 休憩の後の後半はR.シュトラウスである。「アルプス交響曲」は彼の代表作の一つである。「交響曲」となっているが実質的には「交響詩」と呼ぶべき作品である。「夜」「夜明け」から始まり「登山」「森へ踏み入る」「小川に沿って歩く」といった具合にアルプスの山々の景観を、登山者の目を通して時系列的に描いていく。

 そこには登山者がいてアルプスの雄大な自然がある。人は登山という行為に伴い、目に映る山々の風景に感動し、その変化に富んだ気候を体験する。音楽は実に写実的であり、刻々と変化してゆく山の姿を丹念に描いていく。

 登山者の目を通して描かれる自然は雄大でエネルギーに溢れ、とても毅然としている。その存在感は登山者の存在をはるかに凌駕し、人間である登山者はその前では全く無力でしかない。

 この曲は、淡々とした時間の流れと、自然の厳然とした存在感がしっかりとクローズアップされる。その景観を前にして、人間はその全てを受容するのみの存在として描かれているように感じられる。

 「アルプス交響曲」を聴き終わると、私の心の中では「受容しなさい・・・全てを。身の回りに起こる全てを受容しなさい・・・」という言葉が響く。

 独特な味わい感に満ちた曲である。単なる風景描写のみに終わることがないのは、交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」を作曲した作曲家の作品であるからであろう・・・

 来月はサントリーホールの2階席でシベリウスの交響曲を聴く予定である。今から楽しみである。サントリーホールは響きが豊かでとても好きなホールの一つである。
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2569:CLX

2013年03月28日 | ノンジャンル
 現在の愛車であるORBEA ONIXを購入したのは、2011年4月16日であった。もうすぐ丸2年になる。ONIXとは定期的に長い距離を走り、ヒルクライムで汗を流す。頼れる相棒である。

 しかし、ONIXが私にとって初めてのロードバイクではない。その前にCOLNAGO CLXに乗っていた。CLXを購入したのはONIXを購入する3年前の2008年である。

 自宅のそばに多摩湖の周遊道路があり、そこでは多くの市民がジョギングやウォーキングそして、自転車に乗って汗を流していた。

 私は犬の散歩の時に歩くくらいで、それらの人々を眺めていた。そして、「せっかく、こんな環境の良いところに住んでいるんだから、何か運動でもするか・・・」そんなふうに漠然と思っていた。

 運動と言えば、月に2回程度のゴルフとテニスぐらいであった。「ジョギングやウォーキングは、続きそうにないな・・・自転車なら、案外続くかも・・・」そう思って購入したのがCLXであった。

 コンポーネントはshimano 105が着いていた。完成車で30万円を少し切るくらいの価格であった。黒に赤のラインが入った精悍ないでたちであった。



 しかし、CLXに乗っていた頃は、ロードバイクは趣味と言えるような存在ではなかった。週に1回休みの日に、多摩湖の周遊道路を2周するのみであった。2週すると距離は25km。時間にすると1時間ほどであった。それでも走り終わると結構汗をかき、「良い運動になった・・・」と思ったものである。

 しかも、CLXに乗っていたころは、真冬はあまりにも辛く、1,2月の2ケ月は全くのお休み。CLXは玄関わきのサイクルハンガーにかけられたまま、ほこりをかぶっていた。

 「これじゃ、なんだかな・・・」という気持ちでいたところ、「3年たったからロードバイクを買い替えよう・・・そして、もっと長い距離も走ってみたい・・・」と思い立ち、ロードバイクをONIXに換え、そして購入した店が主催するバイクルプラザR.T.に入れてもらった。それが契機となり、新たな世界に入っていくこととなったのである。

 ロードバイクの世界にも中古市場というものがしっかりとあり、COLNAGO CLXは買取業者に10万円で買い取ってもらった。購入額の3分の1である。オーディオの中古市場よりも良心的な買取価格であった。

 CLXは3年たっても全然平気で買い替える必要はなかったのであるが、モチベーションを上げるのに買換えは結構効果があった。その点はオーディオと一緒かもしれない・・・
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2568:距離感

2013年03月27日 | ノンジャンル


 吉祥寺にある北欧ビンテージ家具の専門店で購入したArne Vodderデザインのイージーチェアが今日自宅に届いた。

 そのイージーチェアを既存のものの前に縦に並べるように設置した。これでリスニングポジションが二つとなった。既存のポジションよりも1メートルほど前になる。それでもスピーカーからは6メートル以上離れている。

 既存のポジションでは2階席中ほど・・・このポジションで聴くと1階席の後方のイメージ。もちろん音量によっても変わるのであるが、1階席後方をイメージさせるには、音量は控えめ。ガツンガツンくる音量ではない。オーディオマニア的には「音が来ないね・・・」的な音量である。でも、1階席後方では音はがつがつしていないものである。

 バッハのバイオリン協奏曲第1番を聴いた。バイオリンはAkiko Suwanai。鮮烈さを伴った色彩感は感じられるが、きつく響くことはない。俯瞰する感覚で音楽を捉える事ができ、音楽との距離感が心地よい。

 続いてヴェルディのオペラからアリアを数曲・・・Erwin SchrottのBassbaritonは、オペラのドラマチックな展開を想像させるうねり感を効率良く表出する。それは全てを呑み込んで流し去るような大きなうねりとはならずに、身の丈にあったうねりとなり頭上をかすめる。

 最後はブルックナー。交響曲第4番の第1楽章・・・ヴァントの指揮によるベルリンフィルは音の配置・構成が職人芸的に適切で丁寧である。理にかなった構成美に一時酔う。

 スピーカー側からリスニングポイントを見ると、縦に連なったイージーチェアがベッドに挟まれるようにして並んでいる。

 そう、この部屋の本来の役割は寝室である。昨年我が家にやってきたESL989はしばらくの期間、1階の狭い部屋に閉じ込められていた。しかし、縦にしても斜めにしても、ESL989は息苦しそうであった。そこで、ESL989は広い空間を求めて2階のこの部屋に上がってきてしまった。



 空間と距離・・・これはオーディオにとってとても重要な要素である。広ければ広いほど良いという単純なものではない。遠ければ遠いほど良いというものでも当然ない。しかし、自分が「こんな風にしたい・・・」とイメージしているものに近づけるためには、どうしてもある程度以上の空間と距離が必要なようであった。
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