AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

3853:E38

2016年09月30日 | ノンジャンル
 営業マンが在庫確認のためにテーブル席から離れた。「どうする、どれがいいかな・・・?」私は呟くように言って、VW PASSAT、Audi A4、Audi A6の見積書も取り出して、BMW 523iの見積書と一緒にテーブルに並べた。4枚の見積書がテーブルの上に綺麗に並んだ。

 「一番いいと思うものを、『せいのっ!』で指さそうか・・・?」

 私がそう言うと、「いいね・・・それ・・・」と妻は軽く応じた。

 「せいのっ!・・・」

 私はBMW523i、妻はPassatを右手の人差し指で示した。

 「やっぱりね・・・そうくるよね・・・」

 私がそう言うと、妻は「これが一番安いでしょう・・・」と応じた。

 「でも、BMWの値引額凄いでしょう・・・これはお得だと思うよ・・・」

 「お得ね・・・そう言われてみればお得かな・・・」

 「絶対にお得・・・」

 妻は車にはとんと興味がない。しかし、乗り心地に関してはうるさい。運転はしなので、助手席か後席での乗り心地に関して、結構的確な指摘をする。
 
 確かに運転手は乗り心地以外の様々なインフォメーションを感知するので、幾つかの評価指標を総合して車を判断するが、運転しない妻は唯一乗り心地で車を判断する。

 結果として「どれも乗り心地が良かった・・・」ということなのであろう。「なら、一番安いものが良い・・・」という判断となる。

 二人の間には深い溝が横たわっているような気がした。その溝の深さは確かに深い。しかし、その溝を越えるために、ひょいと飛ばないといけない幅はそれほど広いものではなかった。

 私は右の眉を少し上げた。そして、もう一度その動作を繰り返した。

 「お得なら・・・BMWにする・・・?」
 
 妻がそう言ったので、ほっとした。

 来年にはフルモデルチェンジするBMW 5シリーズをこのタイミングで購入するのは、巨額の値引も大きな要因ではあったが、エクステリアデザインが、私が最初に所有したBMWであるE38を彷彿とさせるものであったことも選択の要因であった。

 E38は20年も前の車であるので、細部を見れば現在のBMWのデザインとは大きく異なるのであるが、その全体としてのいでたちのようなものに、523iと共通の風情を感じた。



 E38は、ワイド・アンド・ローのプロポーションを強調するエクステリアデザインで、その姿は歴代の7シリーズのDNAを引き継ぎ、流麗であった。 
コメント

3852:コンサバ

2016年09月29日 | ノンジャンル
 BMW 523i Toringのエンジンは2L 直4である。その質感は格別にスペシャリティー溢れるものではない。

 VWやAudiの2L直4エンジンはとても良く出来ていた。それと比較してBMW製のエンジンだからといって、その質感が上回っているわけではなかった。

 やはり直4は直4で、BMW製であってもエンジンに関するプレミア度合いはそこそこと言った感じである。室内で聞けるエンジン音は穏やかで、アクセルをぐっと踏み込まない限り、その躾具合は極めて良い。

 今回、Passat、A6、523iと3台の車に試乗した。試乗はしなかったがAudi A4は少し前に試乗しており、改めて展示車をじっくり眺めて、中にも乗り込んでみた。

 4台のうち新しいPassatとA4はやはり内装にも新鮮さが感じられた。どちらもオプション扱いであるがメーター類は液晶ディスプレイによるバーチャル表示である。インテリアは直線基調のシャープさが勝った造形で見ていて胸がスカッとする感じである。

 一方、A6と523iはモデル末期であり、基本設計はやや古い。マイナーチェンジにより新しい要素が組み込まれているので、それほど古いという感じはないが、インテリアの造形には時間の経過というものを感じさせる。

 しかし、それがかえって穏やかさを感じる要因にもなっている。目新しさは無くても練られた造形は気持を落ち着かせる。

 BMWのディーラーに戻って、E350の査定と見積書を待った。出されたアイスコーヒーを飲みながらしばし待つと、営業マンが「お待たせしました・・・」と言って見積書を持ってきた。

 来年にはフルモデルチェンジが予定されている5シリーズである。車両価格からの値引きはかなり思い切った数字が記載されていた。その値引率は車両価格の20%に達した。

 さらにE350の査定額もVWやAudiのディーラーの査定額よりも高く、かなり頑張っている感じである。

 E350の前に乗っていたBMW735iは、このディーラーで購入したものであった。今年フルモデルチェンジした7シリーズから2代前の7シリーズである。

 「BMWにカムバックしていただきたいので、頑張りました・・・」と営業マンは笑顔で話した。

 私が以前乗っていたBMW 735iはクリス・バングルが初めてデザインしたモデルで、そのアバンギャルドな容姿が物議を醸したモデルであった。

 5シリーズも1世代前のモデルはクリス・バングル時代であったので、かなり攻めたデザインであった。クリス・バングルからデザイン責任者が変わり、現在の5シリーズのデザインはぐっとコンサバになった。

 そのコンサバ路線の5シリーズは、アクの強さや押し出しに関しては特別秀でたものはないが、全体的なバランスの良さは、優れている。

 3台の車に試乗し、4台の車に関する見積書が整った。後はその中から1台を選ぶだけである。チームでのロングライドをパスしてどうにか作り出した貴重な時間である。無駄にするわけにはいかない。決断すべき時が来た。
コメント

3851:BMW 523i

2016年09月28日 | ノンジャンル
 Mercedes-Benz E-CLASSは、今年の7月にフルモデルチェンジした。ディーラーからのDMを見て、早速先月試乗した。

 セダンがまず出た。ステーションワゴンは来年になるようであった。ステーションワゴンが間に合っていれば、候補の一つにあがるはずであったが、今回はタイミングが合わなかった。

 巨大なスリーポンテッドスターが掲げられたモダンな建物の前を通り過ぎて、次に向かったのはBMWのディーラーである。

 E-CLASSの直接的なライバル関係にある5シリーズは、2010年の発売。2014年にマイナーチェンジを受けた。

 来年の2017年にはフルモデルチェンジが予定されていて、インターネットにはその新型の予想写真が出ている。

 その新型の予想写真を見てみると、フロントフェイスは最近のBMWらしくフロントライトとキドニーグリルが繋がり、今年フルモデルチェンジされた7シリーズに似た造形である。

 インテリアも7シリーズに準じたデザインで、基本的なロジックはBMW流でありながら、より煌びやかな風情が加味されている。

 その予想写真を見る限り、現行5シリーズに比べて、劇的な変化はなさそうである。「正常進化」という表現が適している。

 現行モデルは、モデル末期であるので、値引きは相当期待できる。さらにドイツ車はイヤーモデルごとに細かな改良が加わるので、モデル末期の熟成度はかなり高い。

 購入して1年ほどで新型が出るという点を除けば、モデル末期は意外と買い時と捉えることもできる。

 ディーラーの駐車場に車を停めた。建物の中に入り、受付の女性に要件を伝えた。しばしテーブルに座って待っていると営業マンが出てきた。

 「523iツーリングを試乗したいんですけど・・・」と伝えると「セダンなら試乗車があります・・・M-Sportという仕様です・・・」との返答であった。

 「それで、お願いします・・・」

 「では、試乗車を用意してきます・・・」

 営業マンは建物の外に出ていった。座ったテーブル席のすぐそばには「X3」が展示されていた。SUVは車高が高く存在感がある。

 そのフロントフェイスがこちらを睨み付けていた。マイナーチェンジを経て、そのフロントフェイスはやはりフロントライトとキドニーグリルがくっついたデザインに変更されていた。

 「離れていた方が良いと思うんだけどな・・・今後は全てこのデザインになるんだろうな・・・」と思った。

 しばし、待っていると「お待たせしました・・・」と声がかかり、試乗車へ向かった。5シリーズはモデル末期ではあるが、見た目的には古い感じはしなかった。

 中に乗り込んだ。私は運転席に納まり、妻が助手席に座った。営業マンは後席に座った。新青梅街道に出て、15分ほどぐるっと一回りした。

 M-Sport仕様はスポーツサスペンションを備えている。乗り心地はしっかり感はあるが硬すぎるという印象は無い。

 2Lの直噴ターボエンジンは低い回転域からトルクがたっぷり出るので、日常的な運転領域ではパワーに不足感を感じることはなかった。

 室内空間はゆったりとしている。インテリアの造形は、BMWらしく十分に練り込まれたもので、使い勝手は良さそうである。Audi A4のようなシャープで近未来的な要素は少ない。それゆえか眺めていると気分はゆったりとする。

 静粛性は高い、風きり音、ロードノイズも低く抑えられている。Audi A6に試乗した時にも感じたが、プレミアム感が体を包み込む。
コメント

3850:Audi A6

2016年09月27日 | ノンジャンル
 Audiのディーラーには今年一度行っている。その時は出たばかりのA4を試乗した。A4は上質感あふれる良い車であった。

 エクステリアは定規を当てて引いたようなきりっとした直線でほとんどすべてのラインが構成されていて、シャープな質感を醸し出している。

 インテリアも近未来的な質感に溢れていた。計器類やナビゲーションなどのディスプレイを全て統合した「バーチャルコクピット」は確かに目新しくクールであった。

 見積書を貰った。エンジンは2,OTFSIでAudiならということでクワトロ。A4 Avantは出たばかりであるので、車体価格の値引きは厳しい。E350の査定額もVWでの時とほぼ同じ。

 A4の見積書を見てみると、Passat 2.OTSIのコストパフォーマンスの高さが浮き上がってくる。オプション価格一つとっても、A4ではLEDヘッドライトとバーチャルコックピットのセットオプションが340,000円であるのに対して、Passatでは同様のセットオプションが129,600円である。

 コストパフォーマンスの良さでは明らかにPassatが優れている。荷室の広さも圧倒的にPassatが有利であった。

 両者の価格差は、クールでシャープなAudiデザインの良さと4WDであるクワトロ、さらにプレミアムブランドとしてのAudiブランドに対する対価ということになる。  

 ディーラーの建物の中には数台の車が展示されていた。A4の見積書ができるのを待っている間、展示されていたAudi A6 Avantに乗ってみた。

 A6は2011年の発売。モデル末期に差しかかってきている。昨年マイナーチェンジを受けて装備面でのアップデートが行われた。

 「A6の試乗車ありますか?」と訊いてみた。「ありますよ・・・セダンですけど・・・」と営業マンは応じた。

 そこで、急遽A6の試乗となった。用意されていた試乗車のグレードは2.0TFSI クアトロ。2,0L直4エンジンを搭載した4WD車である。

 私が運転席、営業マンが助手席、妻は後席に納まり、ディーラーを出て、街中を20分ほど試乗した。

 それにしても最近の2,0L直4エンジンは良く出来ている。少し前ならA6が属するEセグメントの車の場合、3,OLの直6かV6が定番であったが、今はすっかりとダウンサイジングエンジンが主流である。

 その乗り味は見事にフラット。静かで穏やかな走りの質感はやはりプレミアム感が感じられる。操縦性に関しても実にスムースで神経質さはない。

 インテリアの質感はA4のような新しさはない。落ち着いた感じの造形は心を沸き立たせる要素は少ないが、熟成感がある。

 試乗を終えて、ディーラーの駐車場に戻ってきた。車から出て改めてA6のエクステリアを眺めた。Audiデザインはやはりクールでシャープである。昨年のマイナーチェンジによりエクステリアから曲線がほぼ排除されて、そのシャープさ加減は更にアップしたようである。

 A6の見積書ももらった。さすがにモデルが古いだけに車体価格からの値引きは一桁違う数字が可能のようであった。

 Audiのディーラーを後にした。既に時刻は1時になろうとしていた。「お昼食べよう・・・」と新青梅街道沿いにある「肉の万世 小平店」に立ち寄った。

 メニューを見てそれぞれ注文を済ませてから、テーブルの上で三つの見積書を見比べた。妻は「これが良いと思うけど・・・」とPassat推しである。

 私はA6の値引きの数字に引きつけられていた。Audi A6はBMW 5シリーズそして今私が乗っているMercedes-Benz Eクラスとの直接的なライバル関係にある。

 6年前E350を購入する際にも、先代のAudi A6と最後まで迷った。最終的には40万円の「クリーンディーゼル補助金」が決め手となった。
 
 食事を済ませた。「じゃあ、もう一つ最後のところへ行こうか・・・」そう言ってE350に乗り込んだ。妻は「この車燃えたりしないよね・・・」と少々心配顔であった。
コメント

3849:Passat 2.0TSI

2016年09月26日 | ノンジャンル
 フォルクスワーゲンのディーラーの建物の中に入っていった。ここは事務所の営業車であるPOLOを購入したディーラーであり、点検等で何度か訪問している。

 受付の女性に要件を伝えると商談用のテーブル席に案内された。「何かお飲み物はいかがでしょうか?」と訊かれて、私はアイスコーヒを妻はオレンジジュースを頼んだ。

 次の車を選択するにあたり、まずは第一の選択があった。「ステーションワゴンにするのか、SUVにするのか・・・」という選択である。

 今現在乗っているE350はステーションワゴンである。荷室はとても広くゴルフバッグ4個を飲み込む。さらに後席を倒せば、ロードバイクもタイヤを外すことなくそのまま放り込むこともできる。

 セダンと比べて乗り味にそれほど差を感じることもない。荷室が広く利便性が高いステーションワゴンは合理的な選択である。

 SUVは全世界的に売れまくっている。日本も例外ではなく、各メーカも一番注目して力を入れているジャンルである。

 最新のSUVは、オンロードでの乗り味もそれほど違和感がなく、車体が重くなるために不利な燃費に関しても、相当改善されてきている。

 オフロード走行の可能性がない私の場合、SUVでなければならない必然性は全くないのであるが、「流行りもの」というのは、やはりきらきらとしていて魅力的な存在である。

 まずはこの二者択一をクリアする必要があった。悩んだ末選択したのは、ステーションワゴンであった。

 1年間で20,000kmほど走るわけであるが、そのほとんどがビジネスでの使用である。それを考慮するとステーションワゴンの方が無難であろう。さらに年に数回であるが、3名乗車あるいは4名乗車でゴルフに行くことがある。ゴルフバッグの積載ということに関してはSUVの荷室は奥行きが足りない。

 担当の営業マンが来たので、今月新たにラインナップに加わったばかりのパサート2.0TSIの試乗車がないか訊いた。

 残念ながらまだ試乗車はないとの返答であった。「1.4Lエンジンのモデルであればあるんですけど・・・」

 「もう一度乗ってみるか・・・」実はPASSATの発売が開始された昨年、1.4Lエンジンのモデルには一度試乗しているのである。「じゃあ、その間E350の査定をお願いします。」

 そして、私と妻はPASSATに乗った。「査定と見積書の作成をしますので、いつものコースを回って15分ほどで戻ってきてください・・・」と担当営業マンは告げた。

 試乗車は「VARIANT」と呼ばれるワゴンモデルであった。内装が豪華な「Hightline」仕様である。エンジンは1.4L。

 昨年乗った時も思ったが「これで1.4L・・・?」と感心するほどに良く出来たエンジンである。インテリアの設えもフォルクスワーゲンらしい清潔感と高級感がある。

 「家の車よりも静かじゃない・・・これにしたら・・・」と妻も乗り気である。「ベンツよりも安いんでしょう・・・?」

 一回りしてディーラーに戻ってきた。Passat Variant 2.0TSIの価格は5,199,000円。さらに12.3インチ大型ディスプレイによる「フルデジタルメーター」、縦列駐車・車庫入れの駐車時に駐車可能スペースの検出とステアリング操作を自動で行う「駐車サポートシステム」などがセットになった「テクノロジーパッケージ」と呼ばれるオプションが129,600円である。合計5,328,600円。

 エクステリアデザインは最近のVWらしい、直線を多用してワイドアンドローを演出するシャープなもの。

 GOLFの陰に隠れがちであり、どちらかというと地味な存在であったPassatをよりプレミアムな方向に向かわせている。

 車両価格の値引きは出たばかりの2.0TSIの場合、あまり期待できない。E350の査定額も想定の範囲内であった。

 「1.4Lでも十分と思えるけど、2.0Lなら相当余裕があるだろうな・・・2.0TSIの場合、R-Lineと呼ばれる内外装に特別な演出も加わる。この価格なら良心的とも言える。」

 心の中でにやにやしていた。「賢者の選択」という言葉が脳内スクリーンに貼り付いた。「では、検討します・・・」と担当営業マンに告げて、次なる目的地に向かった。

 PassatからE350に乗り換えると、状態が悪化している3.0Lディーゼルエンジンの音と振動がやはり気になる。

 新青梅街道に出て、西東京市方向へ向かった。次なる目的地が見えてきた。ガラス面が大きな真っ白な建物である。建物の壁面には四つのシルバーの輪っかが連なっていた。
コメント