AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

5842:モデルナ

2022年02月28日 | ノンジャンル
 オミクロン株による第6波は既にピークを越えたはずであるが、一日当たりの新規感染者数はそれほど下がってはいない。

 2月27日の東京都の新規感染者数は1万321人であった。その数字をスマホのニュースで確認した時「惜しい・・・もう少しで1万人切れたのに・・・」と思ってしまった。新規感染者数だけで一喜一憂するのは浅はかかもしれないが、ついつい気にしてしまう。

 1週間前の同じ日曜日(20日)より2614人少なかったが、第5波の時と比べて下がるペースが鈍い。27日までの1週間平均の新規感染者数は1万1142人で、前週の75%であった。

 コロナ感染に関しては身近に迫ってきている。事務所の女性スタッフの大学生の娘さんが感染してしまい、その女性スタッフも「濃厚接触者」となった。

 幸い本人はPCR検査の結果「陰性」であったが、1週間は仕事を休む必要がある。テレワークで対応できるので、大きな影響が出るわけではないが、仕事の効率はやはり悪くなる。

 確定申告業務が始まった現在、土日祝日も休みなく仕事に追われている。そのため20日も27日もチームのロングライドには参加できなかった。
 
 昨年同様、コロナ禍の影響により確定申告の提出期限は1ケ月延長されたが、できれば3月15日までにはほぼ全てを完了させておきたい。

 感染対策の決め手はワクチン接種である。数日前に私にもようやく「接種券」が届いた。「なるべく早めに接種した方が良いな・・・」と思い、スマホを片手に幾つか当たってみた。

 市内の接種会場では一番早くて3月2日であった。大手町で自衛隊が行っている大規模接種会場を確認すると2月28日で予約が取れた。

 ということで2月最後の日に3回目のワクチン接種を受けることになった。1回目と2回目は市内の接種会場で受けたので、ファイザーのワクチンであった。3回目はモデルナである。

 1回目、2回目ともに副反応はほとんどなかった。腕の鈍い痛みはあったが、熱や倦怠感に悩まされることはなかった。

 いろんな人から聞くと、3回目の接種は副反応が出やすく、さらにモデルナの方が副反応の程度がひどいということである。

 「さすがに、今回は副反応がでるだろうな・・・」と覚悟はしている。しかし、この時期熱があるからといって仕事を休むわけにはいかない・・・ぼうとした頭で確定申告書と格闘することになるのかもしれない・・・
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5841:-A

2022年02月27日 | ノンジャンル
 パワーアンプはジェフローランドのモデル2であった。かなり古い製品であるので中古品である。リスニングポイントから近い位置にあるので、しげしげと眺めていたが、30年近く前の製品であるが、実に綺麗なパネルの輝きを維持していた。

 サイズはちょうどいい。大きすぎず小さすぎず、ラックに実に美しく収まっていた。ジェフローランドの古い時代の製品はこの独特のフロントパネルがくすんでしまっているものが多いが、これは実に良い状態を維持している。前オーナーが定期的に磨いていたのであろう。

 銀色のフロントパネルの真ん中には正方形のパイロットランプがあり、それが淡いオレンジ色に輝いていた。

 「このパワーアンプで我が家のGuarneri Mementoを駆動したらどんな音になるのであろうか・・・そうなるとプリも欲しくなるな、組み合わせるとすると同じジェフローランドのシナジーかな・・・」などど夢想していた。

 FMさんはもう一枚レコードを取り出した。ヒンデミットの「主題と4つの変奏曲”4つの気質”」が収録されているもので、ピアノはT.ニコライエワ、S.ソンデツキス指揮リトアニア室内管弦楽団との共演である。

 アマティ・オマージュからは現代曲らしいモダンで構成力のある音楽が流れ始めた。ヒンデミットの「主題と4つの変奏曲”4つの気質”」は、もともとは、バレエ振付の巨匠、バランシンのために書かれたバレエのための曲で、”4つの気質”とは、古代ギリシアのヒポクラテスが提唱した「四体液説」が起源である。

 人間は血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁、という4つの体液を持っていて、その体液がバランスを保っていれば健康であり、これらの体液は人間の気質にも影響を与える、という説である。この曲は、この4体液が影響を及ぼす人間の気質を題材にして変奏曲に仕上げられている。

 試聴タイムは終了した。店主にことわってからアマティ・オマージュの外観を近くに寄って詳細に確認してみた。

 ストリングカーテンに緩みはなく、キャビネットにもはっきりと目につく傷はなかった。フロントバッフルを覆う黒い革は1箇所白くなっているところはあったが剥がれはない。

 キャビネットの側面は白濁が無く良好な状態であったが、天板は後ろの方にやや白濁しているエリアがあった。

 心の中で「外観は『良好』ではあるが、『AA』のレベルではないかな・・・」と思いながら、そのため息が出るような美しいデザインのスピーカーを舐めるように眺めていた。

 そして、店主に礼を言って、店を辞した。店主は「購入されるようでしたらご連絡ください。搬送はピアノ運送にお願いするので、搬入費用として別途5万円ほど必要になります・・・」と付け加えた。

 車で数分のところに「コメダ珈琲」があるので、そこに車で移動してFMさんとコーヒーを飲みながら雑談タイムを過ごした。

 「どうでしたか・・・?」と話しを向けると「良かったですね・・・やはりアマティは銘機ですね・・・Guarneri Mementoとの音の共通性も感じました・・・」とFMさんは返答された。

 「外観にかんしては『AA』ではないですよね・・・天板部分には白濁しているエリアもありましたし、フロントバッフルの皮部分にもヤレがありました・・・外観に関してはかなり期待していたのですが、『コレクターアイテム』とは言えないなと思いました。」と私は、外観に関して感じた事を話した。

 「そうでしたね・・・私の主観的な判断では『-A』といったところでしょうか・・・私は購入しようとは思いませんでした・・・どうされますか・・・?」と、FMさんは続けた。

 「そうですね・・・私も今回は見送ります・・・それよりもあのジェフローランドのパワーアンプ綺麗でしたね・・・モデル2は確か1990年代半ばぐらいの製品ですから、30年近く前の製品ですけど、新品のようなパネルの輝きでした・・・専用のアタッシュケースもあるようですし、あのアンプでGuarneri Mementoを鳴らしてみたくなりました。」

 「良いですね・・・じゃあプリアンプもそれに合わせたものに換えたほうがいいでしょう・・・あのLUXMANのプリアンプでもいいんじゃないですか・・・かなり高価なプリアンプでしたが・・・」

 そんなとりとめのない会話をしながら、二人は「コメダ珈琲」で1時間ほどの時間を過ごした。コメダ珈琲のブレンドは、コーヒーの香りは少し控え目な感じであった。その味わいは酸味も控え目で後味に苦味が際立つ。甘いデザートと合わせたくなった。
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5840:CL-1000

2022年02月26日 | ノンジャンル
 プリアンプはLUXMANのものであった。型番を確認するとCL-1000とあった。最新型とのことであるが、どこかしら昔懐かしさを感じるデザインである。

 店主の説明によると、1975年に発売された銘機C-1000にたいするオマージュとして企画・設計されたもので、そのためデザインが懐かしい感じがするとのことであった。

 立体的な造形のフロントパネルは、アルミを重ね合わせたもので精緻感が溢れている。ウォールナットの突板にローズウッド色の光沢塗装仕上げが施されたコの字型ウッドケースが組み合わされていて、とても豪華である。

 FMさんが取り出したレコードがレコードプレーヤーにセットされた。「このプリアンプはフォノイコライザー内臓なんですか・・・?」と店主に確認してみた。

 「いえ、CL-1000はラインプリです。フォノイコライザーは、Zandenという日本のメーカーのコンパクトなものを使用しています。Zandenは無名なメーカーですが、海外では高く評価されているんです。」との返答であった。

 最初にかかったのはレオニード・コーガンのヴァイオリンによるパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番であった。

 しばし、静かに耳を傾けた。レオニード・コーガンは技術においても解釈においても至高のヴァイオリニストの一人として認められている。

 その演奏スタイルは、オイストラフほどには個性的なものではないが、モダンで洗練されたものである。その澄んだ音色の豊かな響きはやはり気持ちが良い。

 「やはりソナスで聴くヴァイオリンは良いな・・・オーケストラのスケールもやはり大きい・・・」と好印象であった。

 「カートリッジはヴァン・デン・ハルとのこと・・・ということはオランダ製か・・・」SMEのアームに装着されたカートリッジは初めて見るものであった。

 店主の説明によると型番は「The Crimson XGW」。高級な価格帯のモデルであるが、かなり精度高くレコードの音溝から音楽信号を吸い上げているようであった。

 FMさんはもう1枚レコードを取り出した。10インチのレコードであった。ガスパール・カサドのチェロ、原智恵子のピアノ伴奏によるチェロの名曲を数曲収めたレコードであった。

 その中からフレスコバルディの「トッカータ」を聴いた。フレスコバルディは即興性と建築性を見事に組み合わせた曲を作る。

 イタリア人らしく情感豊かな歌心を感じさせ、同時にヴィルトゥオーゾ性に満ちた曲であった。この曲を聴いていると、ついついカラヴァッジョの絵画を連想してしまう。

 「さすが、FMさん・・・見事な選曲・・・」と感心した。「これも、ソナス・ファベールのスピーカーを聴くのに最適な曲だな・・・」と、じっくりと聴いていた。
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5839:試聴室

2022年02月25日 | ノンジャンル
 そのオーディオショップは郊外の住宅地に近いエリアにぽつんと立っていた。建物は2階建てで、その建物の横には車を3台ほど停めることができる駐車場があった。

 その駐車場には既にFMさんのホンダ インサイトが停まっていた。その駐車場に車を入れてインサイトの隣にバックで車を駐車した。

 インサイトからはFMさんが降りてきて挨拶をした。気温は低いはずであるが、天気は良く陽光がたっぷりと降り注いでいたので、車の中は暖かかった。

 「こんなところにオーディオショップがあったんですね・・・」とFMさんと一言二言言葉を交わしながら、その店内に入った。

 平日の午後であったので、他に客はいなかった。店主は70代と思しき物静かな男性であった。オーディオショップの店主というと、少しエキセントリックな方を連想しがちであるが、少しほっとした。

 「どうぞ・・・どうぞ・・・お待ちしていました・・・」と店主は比較的愛想が良かった。店の1階には新品の展示品や中古品が所狭しと並んでいた。スピーカーも8セットほどあった。

 それらはいずれもコンパクトな2ウェイやスリムなトールボーイタイプのスピーカーであった。ソナスファベールのエレクタ・アマトール3の姿もあった。

 しかし、お目当てのアマティ・オマージュの姿は見当たらなかった。すると店主は「アマティは2階にあります。」と話した。

 店主に導かれて、2階に上がった。2階は1階と同じ20畳ほどのスペースに大型のスピーカーが3組置かれていた。

 フランコ・セルブリンのKtemaもそのうちの1組であった。そしてアマティ・オマージュの姿があった。もう1ペアは、FOCAL SOPRA No2であった。

 フランスのオーディオメーカーであるFOCALは、昔はJM Labsというメーカー名であった。堅牢でいかにも高性能な外観をしている。

 3組のスピーカーがセットされた手前には、3段の大型ラックが2つ置かれていた。そこにはハイエンドのオーディオ機器が並んでいた。

 ラックの最上段には3つのレコードプレーヤーが置かれていた。いずれもがっちりとしたリジッドな感じのレコードプレーヤーである。

 その手前の黒い革製の大型ソファに座って眺めると、Tecdas Air Force 3、TECHNICS SP-10R,、そしてVPI Prime Scoutであった。

 FMさんや私が使っているORACLE DELPHIとはかなり雰囲気が違う。メカ的な精度感はいずれも高く、躯体も大きい。

 ラックにはCDプレーヤーやアンプ類も数多く並んでいた。エソテリック、LUXMAN、マッキントッシュなどのメーカーのものが確認できた。

 その中にジェフローランドのパワーアンプであるModel2の姿もあった。その銀色に輝く独特のフロントパネルの中央には四角いパイロットランプがあり、淡くオレンジ色に輝いていた。

 店主はコーヒーを出してくれた。少し雑談をした後、試聴タイムとなった。私はアマティーのすぐそばに行って外観の詳細を検証したかったのであるが、それはまだ控えていた。

 FMさんは専用のバックからレコードを取り出した。店主から「どのレコードプレーヤーが良いですか・・・?」と訊かれた。

 私はどれでもよかったので、「FMさんが決めてください・・・」とFMさんに決定権を譲った。FMさんは、「これは私のような年代の者には懐かしさを感じますね・・・」と、TECHNICS SP-10Rを選んだ。

 「このSP-10Rには、木の集成材を使った専用のキャビネットを合わせています。アームはSME MK4で、カートリッジはvan den Hulです。とても正確な音情報を提供してくれます。」と店主は紹介してくれた。

 「今、プリアンプはLUXMANの最新型のもので、パワーアンプはジェフローランドのものに繋いでありますが、これでいいですか・・・」と店主が確認したので、「では、それでお願いします・・・」とFMさんが返答した。

 TECHNICSのレコードプレーヤ、LUXMANのプリアンプ、ジェフローランドのパワーアンプ、そしてアマティ・オマージュというラインナップでの試聴タイムが始まった。  
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5838:余波

2022年02月24日 | ノンジャンル
 FMさんからメールがあったのは、先週のことであった。「Amati Homageの中古が出ています。一度一緒に見に行きませんか?」という内容のものであった。

 Amati Homageは、1993年にリュートの形に霊感を得て開発販売されたGUARNERI Homageについで1998年に発売された。

 Amati Homageもまたリュート形状を特徴として、低域の再生周波数を拡大しオーケストラなど編成の大きなものをより生々しく実在感あふれるスケールで再生することを狙ったモデルである。

 Homageシリーズはその後5年の歳月を経て、無限大平面における音源の優位性という新たなる方向性を見出し、STRADIVARI Homageが開発販売されて完成した。

 その後、GUARNERI Homageの後継機としてGUARNERI mementoが、Amati Homageの後継機としてAMATI anniversarioが続き、それぞれ現在の4世代目にまで引き継がれている。

 STRADIVARI Homageだけは後継機種が続かずに初代のみで断絶している。もしかしたら、今後2世代目が出ることがあるのであろうか・・・

 「Amati Homageか・・・1998年というこは24年前か・・・コンディションが良いものは少ないはず・・・」と思った。

 FMさんのメールでは「ショップの外観評価は『AA』とのことです。」と続いていた。「期待できるかも・・・」と思ったが、前回外観評価が「A」であったAMATI anniversarioの中古を見に行ったところ、キャビネットに1箇所引っ搔き傷があり、さらにフロントバッフルの黒い革部分に2箇所剥がれがあった。遠目には見えないであろうが、購入意欲は急速にしぼんだ。

 「今回はどうであろうか・・・」と思いながら、「A」ではなく「AA」なので、期待できるかもと思いながら、待ち合わせ時間に間に合うように車に乗り込んで、そのショップに向かった。

 東京の郊外にあるそのショップには自宅から車で1時間ほどで着く。FMさんとはそのショップの駐車場に午後2時に待ち合わせをした。

 私とFMさんは期せずして昨年、GUARNERI mementoをそれぞれのリスニングルームに迎え入れた。私はTANNOY GRF、そしてFMさんはVerity Audio Parsifal Encoreを使っていたが、従前のスピーカーとはともにかなり雰囲気の違うスピーカーを導入したことになる。

 それ以来我が家もFMさんのお宅でも「イタリア・ブーム」が続いている。その余波から「HOMAGEシリーズの中古が出たら見に行きましょう・・・」ということになっていたのである。 
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