「実は変わった依頼を受けましてね・・・相続の案件なのですが、亡くなった方がオーディオマニアでかつレコードコレクターだったものですから、相続税の申告以外にも、その処分について相談されたのです・・・」
私は、小暮さんが淹れてくれた珈琲を飲みながら、話し始めた。
「うちで扱えるようなものはある・・・?」
小暮さんは表情を少し変えて訊いてきた。小暮さんが経営されている「オーディオショップ・グレン」は主にヴィンテージものを扱っている。
「新しいものばかりです。レコードプレーヤーはORACLE Delphi5です。私が使っているものの一つ前の世代のものです。アームはSME製のORACLE専用のもので、カートリッジはZYX AIRY。プリとパワーはOCTAVEの真空管式のものです。フォノイコはプリアンプ内臓のものを使っています。スピーカーが珍しいもので、RAIDOH ACOUSTICSのAyra C-2です。C-2はリボンツーイーターを使っていて、とても良いデザインをしています。」
「趣味が良い感じだね・・・そのラインナップを聞いただけで、オーナーの人柄が分かるというか・・・クラシックの人・・・?」
「いえ、それがロックなんです。ロックの一つのジャンルであるプログレッシブロックのレコードのコレクションが大量にあって・・・レコードはディスクユニオンに引き取ってもらって査定してもらっています。おそらく数百万円になると思います。枚数も1万枚を超えていましたから・・・」
「ロックやジャズのほうがレアなレコードは高い値が付くからね・・・それにしても1万枚を超えるコレクションとは凄いね・・・」
「そうなんですよ『レコード部屋』と家族が呼んでいた6畳間には作り付けのレコード棚があって、そこにぎっしりと詰まっていました。」
「幾つだったの・・・?亡くなった方・・・」
「59歳です・・・私とそれほど違わないので、ちょっと身につまされる感じがしました・・・家族にもしものことがあった時のオーディオやレコードの処分について事前に話しておかないと、と思いましたよ。家族にとっては何の価値も見いだせないものでしょうから・・・」
「確かにモニターシルバーが入ったオリジナルのTANNOY GRFが数百万円の価値があるなんて、家族には想像すらつかないだろうからね・・・・taoさんにもしものことがあったら、TANNOYとMarantzは、うちが引き取るよ・・・適正価格でね・・・」
そう言って、小暮さんは笑った。
「うちで扱うには少し新しいかな・・・買取価格は査定してもらったの・・・?」
「ええ、4つの業者に見積もってもらいました・・・まあ、大体予想したとおりで、ヤフオクで処分できそうな価格の5割から6割ぐらいでした。どれも結構人気のある機種なので、ヤフオクでもすぐに売却できるようです。C-2はかなりレアなものなので、ヤフオクでもヒートアップしたなら結構高く売れるはずです。」
「じゃあ、うちでその査定額の一番高い価格で引き取って、すぐにヤフオクで処分しようかな・・・」
「そうしたらどうですか・・・確実に利益は出ますよ・・・綺麗に使われていて、コンディションはどれも良いようでした。」
「悪い話じゃないよね・・・」
私は、小暮さんが淹れてくれた珈琲を飲みながら、話し始めた。
「うちで扱えるようなものはある・・・?」
小暮さんは表情を少し変えて訊いてきた。小暮さんが経営されている「オーディオショップ・グレン」は主にヴィンテージものを扱っている。
「新しいものばかりです。レコードプレーヤーはORACLE Delphi5です。私が使っているものの一つ前の世代のものです。アームはSME製のORACLE専用のもので、カートリッジはZYX AIRY。プリとパワーはOCTAVEの真空管式のものです。フォノイコはプリアンプ内臓のものを使っています。スピーカーが珍しいもので、RAIDOH ACOUSTICSのAyra C-2です。C-2はリボンツーイーターを使っていて、とても良いデザインをしています。」
「趣味が良い感じだね・・・そのラインナップを聞いただけで、オーナーの人柄が分かるというか・・・クラシックの人・・・?」
「いえ、それがロックなんです。ロックの一つのジャンルであるプログレッシブロックのレコードのコレクションが大量にあって・・・レコードはディスクユニオンに引き取ってもらって査定してもらっています。おそらく数百万円になると思います。枚数も1万枚を超えていましたから・・・」
「ロックやジャズのほうがレアなレコードは高い値が付くからね・・・それにしても1万枚を超えるコレクションとは凄いね・・・」
「そうなんですよ『レコード部屋』と家族が呼んでいた6畳間には作り付けのレコード棚があって、そこにぎっしりと詰まっていました。」
「幾つだったの・・・?亡くなった方・・・」
「59歳です・・・私とそれほど違わないので、ちょっと身につまされる感じがしました・・・家族にもしものことがあった時のオーディオやレコードの処分について事前に話しておかないと、と思いましたよ。家族にとっては何の価値も見いだせないものでしょうから・・・」
「確かにモニターシルバーが入ったオリジナルのTANNOY GRFが数百万円の価値があるなんて、家族には想像すらつかないだろうからね・・・・taoさんにもしものことがあったら、TANNOYとMarantzは、うちが引き取るよ・・・適正価格でね・・・」
そう言って、小暮さんは笑った。
「うちで扱うには少し新しいかな・・・買取価格は査定してもらったの・・・?」
「ええ、4つの業者に見積もってもらいました・・・まあ、大体予想したとおりで、ヤフオクで処分できそうな価格の5割から6割ぐらいでした。どれも結構人気のある機種なので、ヤフオクでもすぐに売却できるようです。C-2はかなりレアなものなので、ヤフオクでもヒートアップしたなら結構高く売れるはずです。」
「じゃあ、うちでその査定額の一番高い価格で引き取って、すぐにヤフオクで処分しようかな・・・」
「そうしたらどうですか・・・確実に利益は出ますよ・・・綺麗に使われていて、コンディションはどれも良いようでした。」
「悪い話じゃないよね・・・」