「少しお疲れですか・・・?」
「ゆみちゃん」はさらっと言った。
「疲れた顔してる・・・?」
少し心配になって彼女に訊いた。確かに最近体は疲れがちであった。暑さによって体が参っているのか、疲れがなかなか抜けずに、いわゆる「だるおも状態」が続いているのである。
「少し色合いが・・・」
「色合い・・・あっ、もしかしてオーラ・・・?」
彼女は少しばかり特殊な能力を持っている。人の背後に広がるオーラが見えるというのである。その色合いは人によって基本となる色があり、体調や健康状態によってその色合いが微妙に変わるようなのである。
特殊な機械を使うと、そのオーラは撮影できるのであるが、それが肉眼で見えるという話は聞いたことがない。
彼女はいつも見えるわけではないと言う。「昼間は見えることはなくて、薄暗い部屋で気持ちが穏やかな時になんとなく人の背後にぼんやりとした靄のようなものが見えて、それに色合いがついている・・・」と言っていた。
喫茶店「Mimizuku」の中は少ない白熱灯が店内を薄らぼんやりと照らしているに過ぎない。夜の「Mimizuku」の店内は、オーラが見えやすい環境のようである。
「色合いがくすんでいるとか・・・?」
「そうですね・・・taoさんの場合、基本の色合いは緑なんですが、その色合いが少しくすんでいますね・・・」
「いや~最近疲れがちなんだよね・・・夏バテかもね・・・結構、立ちくらみなんかもあって・・」
「この暑さのなかでも、ロードバイクで走っているんですか・・・?」
「週一でね・・・この前の日曜日はきつかったな・・・暑すぎて意識がぼっとしてくるような感じで・・・」
「それで、疲れてるんじゃないですか・・・?熱中症に気を付けてくださいよ・・・日中、外を歩くだけで息苦しい感じですもの・・・」
「そうだよね・・・」
苦しげに稼働音を発していたエアコンが「ガクガク・・・」と少しばかり異様な音を発し始めた。それを確認して、女主人はエアコンのそばに行ってその左側を持ち上げるようにして手で2,3度叩いた。すると、その異様な振動音は止んだ。
「もうそろそろ、取り換え時かしら・・・30年以上頑張っているのよね・・・」
女主人はそう言った。そのエアコンの色合いは濃い茶色であった。そのクラシックな風合いは古い店のなかに溶け込んでいた。今風の真っ白なエアコンはこの店にそぐわないように思えた。
「ゆみちゃん」はさらっと言った。
「疲れた顔してる・・・?」
少し心配になって彼女に訊いた。確かに最近体は疲れがちであった。暑さによって体が参っているのか、疲れがなかなか抜けずに、いわゆる「だるおも状態」が続いているのである。
「少し色合いが・・・」
「色合い・・・あっ、もしかしてオーラ・・・?」
彼女は少しばかり特殊な能力を持っている。人の背後に広がるオーラが見えるというのである。その色合いは人によって基本となる色があり、体調や健康状態によってその色合いが微妙に変わるようなのである。
特殊な機械を使うと、そのオーラは撮影できるのであるが、それが肉眼で見えるという話は聞いたことがない。
彼女はいつも見えるわけではないと言う。「昼間は見えることはなくて、薄暗い部屋で気持ちが穏やかな時になんとなく人の背後にぼんやりとした靄のようなものが見えて、それに色合いがついている・・・」と言っていた。
喫茶店「Mimizuku」の中は少ない白熱灯が店内を薄らぼんやりと照らしているに過ぎない。夜の「Mimizuku」の店内は、オーラが見えやすい環境のようである。
「色合いがくすんでいるとか・・・?」
「そうですね・・・taoさんの場合、基本の色合いは緑なんですが、その色合いが少しくすんでいますね・・・」
「いや~最近疲れがちなんだよね・・・夏バテかもね・・・結構、立ちくらみなんかもあって・・」
「この暑さのなかでも、ロードバイクで走っているんですか・・・?」
「週一でね・・・この前の日曜日はきつかったな・・・暑すぎて意識がぼっとしてくるような感じで・・・」
「それで、疲れてるんじゃないですか・・・?熱中症に気を付けてくださいよ・・・日中、外を歩くだけで息苦しい感じですもの・・・」
「そうだよね・・・」
苦しげに稼働音を発していたエアコンが「ガクガク・・・」と少しばかり異様な音を発し始めた。それを確認して、女主人はエアコンのそばに行ってその左側を持ち上げるようにして手で2,3度叩いた。すると、その異様な振動音は止んだ。
「もうそろそろ、取り換え時かしら・・・30年以上頑張っているのよね・・・」
女主人はそう言った。そのエアコンの色合いは濃い茶色であった。そのクラシックな風合いは古い店のなかに溶け込んでいた。今風の真っ白なエアコンはこの店にそぐわないように思えた。