Paoさんは、ピックアップに明らかな不具合が生じていたCD34をオーディオラックの最上段から降ろした。鈴布団のような形状のインシュレーターも一緒にラックから撤去された。
そしてその代わりにオーディオラックの最上段に位置したのが、YBA CD3 SIGMAであった。アルミ製のボディーは淡い白色で清楚ないでたちである。
トップローディング方式で、蓋は手で左右方向に開閉する。フロントフェイスには左側に小さなトルグスイッチが三つ並んでいる。
真ん中にはディスプレイが、そして右側には金色のバッジがあり、そこにはYBAというメーカーのロゴが大きく記され、その下に「Classic 3 Σ」と記されていた。
Paoさんは「CD3 SIGMA」と言われていたが、正式な製品名は「Classc 3 Σ」なのかもしれない。まあ、どちらでもいい話ではあるが・・・
少し変わっているのが脚である。前1後ろ2の3点支持で、インシュレーターかと思ってしまうような独自形状の脚が付いている。
いろんなところが変わっている。そして全体的に見るとバランスが良いような悪いような、不確かで微妙なバランスの上に辛うじて均衡を保っているといった危うさがある。
Paoさんは左右スライド式の蓋を開けてCDをセットした。そしてスタビライザーを乗せてCDをしっかりと固定した。
CDは先ほどと同じベルリオーズの幻想交響曲であった。そしてリモコンを操作してやはり第4楽章を選択した。
「断頭台への行進」が厳かに流れ始めた。CD34の時に比べて、サウンドステージがより後方に奥深く展開した。
音の質感は穏やかで滑らかなもので、ぐんと前に張り出してくるタイプではなかった。2005年の発売とのことであるので、新しい機械ではない。
Paoさんの説明によるとアナログ用とデジタル用にそれぞれ独立した電源トランスを採用しており、発売時の定価は100万円近いものであったとのことである。
一体型のCDプレーヤーで定価が100万円近いものということは相当な高級機ということになる。情報量もしっかりとあり、その質感は高い。決してピーキーにならない穏やかな耳当りの中高域は魅力的である。
「なんだかフランスのエスプリを感じるな・・・」理詰めのドイツ車ではなく、ふわっとした猫脚が心地いいルノーやシトロエンといったフランスメーカーの車の乗り味を連想させる音である。
第4楽章が終わった。「良いじゃないですか・・・フランスの香りを感じますね・・・上質です・・・」
「ちょっと柔くないかな・・・」とPaoさんは若干ネガティブな評価を下していたが、私個人の感想としてはCD34よりもクラシックに限ってはCD3 SIGMAの方が良いと思われた。
「しかし、このデザイン、好きな人と嫌いな人とがはっきりと分かれる感じですね・・・私はなんだか分からないけど妙に惹かれるものを感じますね・・・この訳の分からなさ加減が実にフランス的ですね・・・今はやりの言葉で言うと『癖が強い・・!』ということになるのでしょうか・・・これは外観も音もブルーチーズ的な魅力があります。」
私は思いつくままにそんなことを話した。「オーディオ仲間の方は、このCDを売ってくれるのですか・・・?」と訊くと「気に入ったら20万円でどうだって言われている・・・」とPaoさんは応えた。
「20万円か・・・決して安くない価格ではあるが、私なら買うだろうな・・・」と心の中で思った。Paoさんはあまり乗り気ではないようではあるが・・・
その後グレン・グールドのピアノでゴールドベルグ変奏曲や五嶋みどりのヴァイオリンでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のCDなども、このフランス製のCDプレーヤーを送り出しにして聴かせてもらった。
「まろやかでコクもある・・・なんだかワインに合うと思わせる音だな・・・」そんなことを思いながら、優雅な日本庭園が魅力の甘泉園公園に隣接した一室で典雅な一時を過ごした。
そしてその代わりにオーディオラックの最上段に位置したのが、YBA CD3 SIGMAであった。アルミ製のボディーは淡い白色で清楚ないでたちである。
トップローディング方式で、蓋は手で左右方向に開閉する。フロントフェイスには左側に小さなトルグスイッチが三つ並んでいる。
真ん中にはディスプレイが、そして右側には金色のバッジがあり、そこにはYBAというメーカーのロゴが大きく記され、その下に「Classic 3 Σ」と記されていた。
Paoさんは「CD3 SIGMA」と言われていたが、正式な製品名は「Classc 3 Σ」なのかもしれない。まあ、どちらでもいい話ではあるが・・・
少し変わっているのが脚である。前1後ろ2の3点支持で、インシュレーターかと思ってしまうような独自形状の脚が付いている。
いろんなところが変わっている。そして全体的に見るとバランスが良いような悪いような、不確かで微妙なバランスの上に辛うじて均衡を保っているといった危うさがある。
Paoさんは左右スライド式の蓋を開けてCDをセットした。そしてスタビライザーを乗せてCDをしっかりと固定した。
CDは先ほどと同じベルリオーズの幻想交響曲であった。そしてリモコンを操作してやはり第4楽章を選択した。
「断頭台への行進」が厳かに流れ始めた。CD34の時に比べて、サウンドステージがより後方に奥深く展開した。
音の質感は穏やかで滑らかなもので、ぐんと前に張り出してくるタイプではなかった。2005年の発売とのことであるので、新しい機械ではない。
Paoさんの説明によるとアナログ用とデジタル用にそれぞれ独立した電源トランスを採用しており、発売時の定価は100万円近いものであったとのことである。
一体型のCDプレーヤーで定価が100万円近いものということは相当な高級機ということになる。情報量もしっかりとあり、その質感は高い。決してピーキーにならない穏やかな耳当りの中高域は魅力的である。
「なんだかフランスのエスプリを感じるな・・・」理詰めのドイツ車ではなく、ふわっとした猫脚が心地いいルノーやシトロエンといったフランスメーカーの車の乗り味を連想させる音である。
第4楽章が終わった。「良いじゃないですか・・・フランスの香りを感じますね・・・上質です・・・」
「ちょっと柔くないかな・・・」とPaoさんは若干ネガティブな評価を下していたが、私個人の感想としてはCD34よりもクラシックに限ってはCD3 SIGMAの方が良いと思われた。
「しかし、このデザイン、好きな人と嫌いな人とがはっきりと分かれる感じですね・・・私はなんだか分からないけど妙に惹かれるものを感じますね・・・この訳の分からなさ加減が実にフランス的ですね・・・今はやりの言葉で言うと『癖が強い・・!』ということになるのでしょうか・・・これは外観も音もブルーチーズ的な魅力があります。」
私は思いつくままにそんなことを話した。「オーディオ仲間の方は、このCDを売ってくれるのですか・・・?」と訊くと「気に入ったら20万円でどうだって言われている・・・」とPaoさんは応えた。
「20万円か・・・決して安くない価格ではあるが、私なら買うだろうな・・・」と心の中で思った。Paoさんはあまり乗り気ではないようではあるが・・・
その後グレン・グールドのピアノでゴールドベルグ変奏曲や五嶋みどりのヴァイオリンでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のCDなども、このフランス製のCDプレーヤーを送り出しにして聴かせてもらった。
「まろやかでコクもある・・・なんだかワインに合うと思わせる音だな・・・」そんなことを思いながら、優雅な日本庭園が魅力の甘泉園公園に隣接した一室で典雅な一時を過ごした。