AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

1478:国境線

2010年03月31日 | ノンジャンル


 我が家の1階のリスニングルームはオーディオ部門とピアノ部門に2分割された。オーディオ部分は6畳、ピアノ部分は2畳ほどの広さの「領地」を有することとなった。

 その間には目には見えないが、きっちりとした国境線が引かれたのである。これで平和が保たれるはずであった。

 しかし、妻から「ピアノの音がぼんつく・・・ピアノの隣に置いた家具をどけてほしいんだけど・・・」とクレームがついたのである。

 ピアノ左隣には北欧ビンテージ家具ショップで思わす購入してしまったライティンングビューローが置かれていた。これがピアノのそばにあるとその音がぼんつくようなのである。

 「音を気にするほどの腕前ではないはずであるが・・・」と内心は思った。しかし、クレームには迅速に対処するに限る。クレームに誠実に対応することにより、その後の展開がスムースにいくことは仕事柄よく分かっているのである。

 「どこにおけば・・・」としばらく、この広くもない部屋を見渡した。「当然オーディオ・エリアに移動するしかないであろう・・・」

 あちこちを候補を検討したが、「やはりここしかないであろう・・・」ということで落ち着いたのが右スピーカーの手前である。

 見た目的ななじみは悪くない印象である。「しかし、ピアノのそばにあるとピアノの音がぼんつく・・・ということは、スピーカーのそばに置いたらスピーカーの音がぼんつくかも・・・」という気がしなくもない。

 音を最優先するなら、この位置に家具を置くのはどうかといったところであるが、我が家では音最優先ではないので、やはりここが落ち着きどころのようである。 
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1477:名作

2010年03月30日 | ノンジャンル
 私は映画マニアではない。映画館で年に数回映画を観るが、大概は子供たちにねだられて、家族サービスの一環として映画館に足を運ぶ。

 なので、映画館で観る映画は「ハリーポッター」であったり、「カールじいさんの空飛ぶ家」であったりするのである。これらの映画も観ている間はそこそこ楽しめるので、決して嫌ではないが、観終った後に心に染み込むような後味を感じることは稀である。

 そんな映画マニアではない私がもっとも好きな映画は「木靴の木」である。1978年のイタリア映画で、監督はエルマンノ・オルミ。約3時間の長編であるが、全く中だるみがない。ないばかりか、一気に観せてしまう。

 DVDで年に1回は観る。もう相当な回数観ているはずであるが、いつも新鮮な感動を覚える。観るたびに、煤にすっかりくすんでしまった私の心が生き返るのである。この映画は第31回カンヌ映画祭のパルム・ドールを受賞した。その価値は十二分にある素晴らしい映画である。

 そして、「木靴の木」の次に好きな映画は「バグダッド・カフェ」である。こちらは1987年のドイツ映画。監督はパーシー・アドロン。ドイツ映画であるが舞台はアメリカ。ラスベガス近郊の砂漠にたたずむモーテルが舞台。

 この映画はシュールである。サルバドール・ダリの絵に代表されるシュール・リアリズムは神秘的でありながらどことなくユーモラスである。そんなシュールな雰囲気がこの映画の全編を覆っている。

 荒涼とした砂漠の景色、個性的で摩訶不思議な存在感を有する登場人物、ファンタジーといえるような物語の展開・・・その全ての融合が心に不思議な化学反応を起こさせるのか、心の奥底にじんわりと感動が広がる。

 「バグダッド・カフェ」も1年に1回はDVDで観る。この映画も観るたびに何かしら心に新鮮な風が吹き込んでくる。

 どちらの映画もハリウッド映画とは対極に位置する映画であり、多くの人にとっては刺激の少ない退屈な映画である可能性が高いが、私にとってはかけがえのない「名作」である。
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1476:バナナ端子

2010年03月29日 | ノンジャンル
 今日は一日携帯が気になった。仕事で急用の電話が携帯に入ることは珍しくないが、仕事の件で気になっている案件があるわけではない。

 「今日くらいのはずであるが・・・」と思っていたのである。しかし、結局仕事の案件での連絡は数件携帯に入ったが、気になっていた事柄に関する連絡は入らなかった。

 その気になっていた連絡とは、オーディオラボ・オガワからのものであった。「もうそろそろのはずだが・・・」と頭の片隅にあったのである。

 先日CHATSWORTHのメンテナンスに関する費用の見積もりと一緒に送られてきたメールに、「メンテナンス作業が完了するのは3月末頃になる予定です。完了したら携帯に連絡を入れます」と書かれていたのである。

 今日は29日、厳密には3月末ではないが「3月末頃」の範疇には入るはずである。明日は30日、こちらも厳密には3月末ではないが「3月末頃」の範疇には入る。明日には連絡が入るかもしれない。

 CHATSWORTHのメンテナンス費用は14万円ほどかかる。ユニットの分解清掃・不具合の補修、キャビネットの補修と再塗装、スピーカー端子の新設の3つの作業を依頼したのでそれなりの金額になった。

 3番目のスピーカー端子の新設については依頼しようか多少迷った。CHATSWORTHはキャビネットの背面下部からスピーカーコードが尻尾のようにひょろっと出ていた。

 その尻尾にアンプから伸びてきたスピーカーコードをより合わせそのうえから絶縁テープを巻いていたのである。これで音的には恐らく問題はないはずであるが、なんとなく原始的な感じがして落ちつかなたっかのである。

 そこでスピーカー端子を新設し、アンプから伸びてくるスピーカーコードの末端にはバナナ端子を取り付けて、そのバナナ端子をにゅるっとスピーカー端子に挿入する。こちらのほうが文化的という気がするのであるが、音的にはもしかしたら劣化の要因になるかもしれない。しかし、気がするだけであっても「文化的」な方が好みなのである。
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1475:ハイブリッド

2010年03月28日 | ノンジャンル


 時代はハイブリッドである。ドイツのプレミアムブランドも各社ハイブリッド車を順次販売していき、その数も増えていくようである。

 Mercedes-BenzはSクラスにハイブリッドモデルをいち早く用意し、日本でもその販売が開始された。少し遅れたがBMWも7シリーズにハイブリッドモデルを用意し、つい最近日本市場に投入された。しかし、いずれもモデルも非常に高価でありそれほどのインパクトは市場に与えてはいないようである。

 そして御三家のひとつAUDIもモデルチェンジされたばかりのA8にハイブリッドモデルを設定し、先ほど行われたジュネーブ・モーター・ショウで発表した。

 注目すべき点はなんと排気量2Lのエンジンをハイブリッド化したことにある。AUDIはVOLKSWAGENグループに属している。なので、必然的にダウンサイジング戦略を強力に推し進めている。

 その象徴的な存在である2.0TFSIをハイブリッド化の対象エンジンとしたのである。さすがAUDI、切り口が鋭い。2.0TFSIエンジンと8速ATとの間に電気モーターを置くパラレル・ハイブリッド・システムを採用している。

 2.OTFSIエンジンはもともと燃費が良いエンジンであるが、ハイブリッド化により燃費は16.1km/Lを誇る。A8が属するセグメントにおいては桁外れに高燃費といえる。

 Mercedes-Benzが先行している環境対応型モデルは日本市場でも受け入れられてういるようである。ハイブリッドではないが、Eクラスに用意されたE250CGIブルーエフィシェンシーはエコカー減税の対象となったのが効を奏したのか、Eクラスでの販売比率は40%にも達しているのである。

 Eクラスに4気筒の1.8Lでどうなのかな・・・という気にはなったのであるが、市場はとても合理的な判断をしているようである。

 となれば、AUDIのA8のハイブリッドモデルもこの流れに乗るべく日本市場に参入される可能性は高い。しかも、搭載エンジンが2.0TFSIであればその価格も比較的低く設定されるはず。日本市場ではSクラス、7シリーズの牙城を全く崩せないでいるAUDI A8にとって、この2.0TFSIハイブリドモデルは大きな武器になるかもしれない。
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1474:熟成の音

2010年03月27日 | ノンジャンル


 Avalon Acoustics Acent mk2は見るからに手ごわそうなスピーカーである。これでもかと物量が投入されたフラッグシップ機である。このスピーカーの実力を引き出すには相当な豪腕が必要になってくる。

 その役を担っているのがVIOLAのSPIRITとBRAVOである。その腕力は桁外れ。きかんぼうのAcent mk2 をしっかりコントロールしている。

 量感と締まり具合が絶妙な低域は、音楽の土台を磐石に築き、鮮明で爽快な中高音が色取り鮮やかに、その表情をしっかり伝えてくる。

 CDトランスポートはGOLDMUND。DAコンバーターはMark Levinson。いづれも作りこみの凄さに目を見張る高級機である。

 今日はhadesさんのお宅にお邪魔した。ハンコックさんと一緒である。ちょうど1年ぶりの訪問となる。1年という時間の経過はそれほど短いものではない。それなりの時間なのであるが、この年になると短くも感じられる。

 その1年間、hadesさんの機器構成は全く変わっていない。セッティングに関してもスピーカーの間隔がほんの少しばかり広げられたのとその内振りがほとんどなくなったのが唯一の変更点。

 機器構成もセッティングもほぼ変更ないが、その音は確実に熟成しているように感じられた。これだけ凄いオーディオ機器がそろっているが、こけおどし的な音の出方は全くしない。

 実に懐の深いゆとり感というか、「重厚なしなやかさ」とでも表現したくなる音の質感が滲み出てくるのである。

 最高級の素材を用いてじっくりと熟成させたウィスキーのように、その味わいは体のすみずみにまで染み渡るようである。

 hades邸の音はフラッグシップらしいゆとりある存在感を感じさせる「熟成の音」であった。過ぎてしまうと短く感じられる1年間であるが、365日、8,760時間という時の積み重ねは、やはり貴重なものであると改めて感じた。


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