PSD T3が帰ってきた。しかし、以前のT3ではない。T3.5と呼びたい気分である。まずそのスピーカーベースであるが、とても気合が入っている。厚みがすごい。重さもすごい。しかもT3がすぽっとおさまるようにT3の形なりの窪みがつけてある。
さらにスパイクが装着されていて、前後のスパイクの長さの違いによって仰角がつけてある。ほんの少しスラントしていて、見た目的な洗練度合いもアップ。このスピーカーベースを装着するとツィーターの位置がちょうど耳の高さと一致する。この効果は相当なものである。
私のT3は最初期のもので、その後ネットワークに変更がくわえられた。戻ってきたT3は最新式のネットワークに変更されている。この新たなネットワークも音に相当な影響度合いがあった模様である。
新たなT3は1階のリスニングルームではなく2階の主寝室にセッティングされた。この部屋は当然普通の部屋である。広さは12畳。ベッドが二つと大きな箪笥が二つ置いてあり。部屋の中央部にアンティークのデンマーク製ソファがあり、その前にちょうどオーディオがセッティングできるスペースがあるのである。
セッティングしてみると実にしっくりくる。佇まいが落ち着いている。駆動系は新たな意匠をまとって復活したフィンランドバーチ合板のボードにのせられ、床に置かれている。至極シンプルな構成である。無駄が全くない・・・
そしてその音であるが、何曲が聴きながら・・・「大人の音である・・・」「オーディオ機器の介在をほとんど感じることなく音楽にすっとはいっていける。」「以前のT3は優等生的で多少それを鼻にかけているようなところがあったが、人格がワンランク上がったようだ・・・」心の中でぶつぶつとつぶやく。
となりに座っているPSDの大山さんに感想を率直に述べると、大山さんもまったく同感といった感じで、「ひとつ突き抜けた感じがするでしょう・・・」「自然なホール感が出ますね・・」と述べられた。
これはT3ではなくT3.5である。このスピーカーベースはオプションになるとのことであるが、はっきり言って「必需品」である。これなくしてはT3の真の実力は語れない。そういった印象を持ったのである。