リスニングポイントには3人掛けのソファが置かれている。その真ん中に座らせてもらった。Ensembleさんはその3人掛けソファの脇に置かれたアームソファに座られた。二つのスピーカーは十分な間隔を開けられてセッティングされている。内振りが若干つけられている。
CAIRNの専用スタンドは金属製で過剰な装飾はなく精悍な姿をしている。そのスタンドの下にはアピトン製と思われる真っ黒なオーディオボードが置かれている。このボードはELEKTRAの時にも使われていたものである。
スピーカーの間には、YAMAHAのGTラックが二つ置かれている。向かって左のラックの天板にはYBA Classic3 Σが置かれている。フランス製の一体型CDプレーヤーである。右側のGTラックの天板にはEnsemble Dirondoが置かれている。こちらはスイス製の一体型CDプレーヤーである。どちらも個性的なデザインを有し、トップローディンン式であることも共通している。
アンプはプリメインアンプである。Dirondoと同じくEnsembleの製品で、その製品名はFuoco。比較的コンパクトなプリメインアンプである。見る者を威圧するような要素はほとんどなく、とても穏やかな姿をしている。
そして、今日のOFF会の主役であるCAIRNは、写真よりも実物の方が全然かっこいい。まじかで見ると、その精緻な造り込みの凄みが良く分かる。これはかなり高性能なのであろうという雰囲気がプンプンしてくる。
「とはいっても、このフーファーの口径からすると低域が切れはよく締まっているが、量感たっぷりというわけにはいかないだろうな・・・空間表現は見るからに得意そうだ・・・」と思った。
「これですか・・・YG ACOUSTICSというともっと硬質なイメージがあったのですが、この新しいシリーズは少し暖かみが感じられますね・・・」と私がその印象を話すとEnsembleさんは「創業者であったYoav Geva氏が去って、新たな設計者が開発したので、こPEAKSシリーズは、かなり雰囲気が変わりました・・・音の印象も結構変わりましたよ・・・」と答えられた。
Ensembleさんは、クラシックは聴かれないようである。メインジャンルは女性ボーカルである。まずは1枚のCDがYBA Classic3 Σにセットされた。実はもう1台のCDプレーヤーであるEnsemble Dirondoは、現在調子が悪いようであった。「もう相当に古いものなので、修理に出す必要があるようです・・・」とEnsembleさんは心配げに話されていた。
YBA Classic3 ΣにセットされたCDはアン・バートンのものであった。彼女の人気を確立した1969年発売の「BALLADS & BURTON」から1曲が選択された。私はこの新しいスピーカーがどのような音を聴かせてくれるのか、身構えた。