AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

4552:ドクター

2018年08月30日 | ノンジャンル


 リスニングルームに設置されている三つのGTラックの真ん中の上段が、Marantz Model7の定位置である。

 そこはしばらくの間、なにもない空間だけが占めていたが、ようやくシステムの主役であるModel7が戻ってきた。

 と言っても、具合が悪くなって修理に出していたというわけではない。メインボードに設置されているコンデンサをウェスタンエレクトリック製のものに交換する作業を依頼していたのである。

 依頼した先は埼玉県ふじみ野市にある「響工房」である。作業が完了した旨の連絡を受けたのは、先週であったが、週末は「全日本マウンテンサイクリングin乗鞍」があったので、昨日仕事が終わってから、受け取りに行った。

 メインボードの7ペアのコンデンサ全ての部品を調達できたのであるが、そのうち2ペアは計測した数値が悪かったので、交換は差し控えた。

 製造されてから相当な年数を経過しているので、こういった古いパーツは、リスクがある。それはもともと装着されていた「バンブルビー」と呼ばれるカラーコードが印象的なスプラグ製のコンデンサも同様である。

 取り外された5ペア合計10個のオリジナルのコンデンサも、その半数近くのものの容量がかなり減っている状態であった。

 「やはりこういった古いコンデンサは、状態が良くないものが多いんですよね・・・今まで見てきたModel7も、バンブルビーで状態が良いものはほとんどなかったです・・・」と響工房の井村さんは話されていた。

 上部の蓋を開けて、中を見せていただいた。とても綺麗な仕上がりであった。メインボードは一旦本体から外されたうえでコンデンサ交換作業は行われた。

 コンデンサの交換作業以外にも、古いテレフンケン製のケーブルを使ったRCAケーブルと電源ケーブルの組み上げ作業も依頼していた。

 それも綺麗に仕上がっていた。「RCAケーブルはシールドがされていないので、ノイズが乗る可能性があります。使う場所は限られるかもしれません・・・」とのことであった。

 現在RCAケーブルはDACとプリアンプの間とプリアンプとパワーアンプの間に、2ペア使っている。アナログ系は付属ケーブルが直出しであったり。汎用性のないプラグであったりするので、交換はできない。

 その2ペアのRCAケーブルはどちらもMIT MI330 SHOTGUNを使用している。これをテレフンケン製のケーブルのものに交換してみるのも楽しみである。

 同じくテレフンケン製のケーブルを使った電源ケーブルは、ORACLE Delphi6の電源部に使う予定である。

 ここは、なんの変哲もない付属電源ケーブルを使っている。付属ケーブルがいけないというわけではないが、ここを変える不思議と音が変わる。

 普通に考えると、レコードプレーヤーのモーターを回す電気を送るケーブルであり、音楽信号に直接的な関係がないケーブルで音が変わるとは思えないのであるが、実際に試してみると変わるのである。ちょっと摩訶不思議な世界である。

 「響工房」で一時間ほど談笑の後、段ボールにMarantz Model7をしまい込んで、BMW523iの後部座席にその段ボールを慎重に座らせた。

 「響工房」から自宅までは1時間ほどで着く。その丁寧な仕事ぶりと良心的な価格は、とても嬉しかった。ようやく安心して任せられる「ドクター」が見つかった。
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