AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

5599:バイク交換

2021年06月30日 | ノンジャンル
 補給食を物色するためにダイニングキッチンに向かい、冷蔵庫の扉を開けた。目についたのは「QBB チーズデザート 瀬戸内レモン」。黄色のパッケージである。

 その丸い箱から2個を取り出して、胃袋に納めた。ボトルにミネラルウォーターを補充して、一息入れた。

 休憩を終えて再びロードバイクに跨った。「後半もよろしくお願いします・・・」と挨拶をして、「BIG LOOP」の後半を走り出した。

 しばし下っていった。下り切ると「ジャングルサーキット」と呼ばれるエリアに向かう。「ジャングルサーキット」は、ほぼ全てが未舗装路である。

 未舗装路の転がり抵抗は、MTB<グラベルバイク<ロードバイクの順なので、「一旦止まってバイクを交換しましょう・・・」ということになった。

 「MENU」を指で押して、フレームを取り替えることのできる画面に進んだ。MTBを選ぼうと思っていたが、その画面の一番上には「NEW ARRIVED」と赤い文字が表示されているフレームがあった。

 「新しいフレームが届いている・・・TREKのEmondaか・・・」Emondaは軽量性を追求したTREKのフレームである。
 
 デザインからパーツ選択に至るまで、各グレードにおいて最軽量ロードバイクを目指して設計されたヒルクライムマシーンである。



 「ジャングルサーキット」には不向きなフレームであるが、なんとなくこれを選択した。そして砂煙を上げながら「ジャングルサーキット」を走った。

 悪路である。もしもリアルでこんな道をロードバイクで走ったらガタガタと振動して大変であるが、そこはヴァーチャルである。ロードバイクが振動することはない。

 ようやく「ジャングルサーキット」を抜けた。「また、バイクを交換しますか・・・」ということになって、再度止まった。

 そこで、今度は「TTバイク」に乗り換えた。ここか先はずっとフラットであり、ゴールに向かってペースが上がっていくはずであった。

 WATOPIAの島々を繋いでいる橋の幾つかを渡っていくと、今日のコースのゴールが近づいてきた。残り距離が10kmを切ってくるとペースがぐっと上がり、負荷も200ワット以上になってくる。

 MEET UPに参加していると画面の右上に残り距離も表示される。その数値が下がっていくのを確認しながら、高速巡行をこなした。

 残り1kmを切って、ラストスパートに備えた。コース終了の少し手前にアーチがある。そのアーチに向けて、最後の力を振り絞った。

 アーチを潜り抜けると脚を緩め、惰性で今日のコースの終了を示す半透明に青く光るラインを越えた。

 「BIG LOOP」における二つの頑張りどころはしっかりと頑張った。それ以外は軽めに流したが、疲労度は結構高めであった。
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5598Epic KOM:

2021年06月29日 | ノンジャンル
 スタートして海沿いの道をしばし走った。やがて道はファンタジックな海底トンネルに入っていった。

 ガラス越しに海の様子を眺めることができる海底トンネルは現実にはあり得ないが、幻想的な世界を覗くことができる。時折イルカの群れが走るロードバイクと遊ぶかのように泳いでいる姿を見ることができた。

 海底トンネルを抜けてしばし走っていくと、今日の頑張りどころである「Epic KOM」にさしかかった。

 「Epic KOM」の計測区間は9.5kmであり、走っている時間は約30分。計測開始ラインを越えるとスマホの画面にはタイムが表示される。そのタイムを確認しながら走っていった。

 計測開始から少しづつ負荷を上げていき200ワット前後で巡航態勢に入った。途中、ヨーロッパの中世の面影を残す古い集落を抜けていく。

 ペースは少しづつ上がってきた。トンネルに入ると負荷も上がり、240ワット前後で推移するようになる。

 トンネルを抜けると山頂が近いことを思わせる景色に変わる。ここからゴールへ向けて緊張感が高まっていく。

 負荷はさらに高くなってくる。「まとめる」機能が働いているので、集団は大きくばらけることはなく、「Epic KOM」の終盤を走った。

 残り距離が少なくなってくると、現在のペースで走り切った場合の予想タイムも画面に表示され始める。その予想タイムから現在のタイムを差し引いて「残りあと3分か・・・」とゴールまでの残り時間を暗算しながら、高い負荷に耐え続けた。

 その残り時間が1分を切ってくるとスパート合戦となってくる。300ワット超えるパワーゾーンに移行して、ゴールを示すアーチが視界に入ると、さらにヒートアップした。

 2着でアーチの下を潜り抜けた。「頑張りどころ」を一生懸命に頑張った。その代償として激しい疲労感が全身を覆った。

 乱れに乱れた呼吸を整えるために脚を緩めた。私のアバターはしばし惰性で走ってから止まった。「カチャ・・・」と音をさせて左足のクリートをペダルから外して、地面に足を着けた。

 今日はここで休憩を入れることになっていた。最後のスパート合戦に参戦すると、体に刻まれる疲労度は高い。

 「ふ~疲れた・・・」という感じで、ロードバイクから降りて、休息タイムに入った。ダイニングに向かって、補給食を摂ることにした。
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5597:降水確率

2021年06月28日 | ノンジャンル
 前日の土曜日に、日曜日の天気予報を確認すると、降水確率は70%とのことであった。その天気予報を受けて、日曜日のチームでのロングライドは「リアル」から「ヴァーチャル」に変更された。

 選択されたコースは、「BIG LOOP」。BIG LOOPはその名前のとおりWATOPIAの中を大きく1周するルートである。走行距離は42.5kmで、獲得標高は662mである。



 ヒルクライムは、前半の「Epic KOM」のみである。この「Epic KOM」が今日一番の頑張りどころである。

 後半はほぼ平坦となる。ゴールが近づいてくるに従ってペースが上がっていくであろう。そしてコースが終了する直前のアーチを目指してスプリント合戦になだれ込んで、終了になる予定である。

 「ということは、今日の頑張りどころは2ヶ所ということか・・・それ以外は軽めの負荷で流そうかな・・・」

 そんなことを思っていた。そして日曜日の朝となった。空には雲があるが、その色合いは明るい。すぐには雨が降りそうな感じではなかった。

 スマホで天気予報を確認すると、午前中は曇りで午後から傘マークが表示されていた。「あれ、天気予報が良くなっている・・・もしかして短めのコースならリアルでも大丈夫だったかな・・・」と思った。

 ヴァーチャルライドの場合のスタート時間は8時半であるので、朝はゆっくりとできる。8時前には準備ができたので、Zwiftで軽めのアップをすることにした。

 30分ほどアップをしていると、Zwiftの画面に「MEET UPに参加」の表示が出たので、それをクリックした。

 すると私のアバターは今日のコースのスタート地点にワープした。スタートまでの間はそこで白く光る固定式ローラー台に繋がれる。

 スタート時間の10分前になったので、ZOOMにも接続した。メンバーに挨拶をしてしばし雑談していると、スタート時間が迫ってきた。

 しかし、一人のメンバーがトラブルでZwiftに入れないでいたので、急遽スタート時間が10分間延長された。

 私のスマホに表示されているスタートまでの時間に10分が加わった。スタート時間延長の措置が上手く届かずに二人のメンバーのアバターは走り始めてしまった。

 二人は一旦、MEET UPから退出してもう一度入り直す必要があった。すると今度は入り直す必要のあるメンバーの一人がZwiftにスムースに入れないようで、再度5分間スタート時間が延長された。

 「3度目の正直」という感じで2回延長された後のスタートはトラブルはなかった。朝のうちの気温は20度前後で快適ではあったが、クーラーの電源はONにしておいた。アップをしていたので、クーラーがついた状態でちょうど良い感じであった。
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5596:傘

2021年06月27日 | ノンジャンル
 「待望の新型GOLFが入庫しました。展示車はR-LINEのキングスレッドとSTYLEのドルフィングレーの2台。試乗車は1.5LターボのマイルドハイブリッドSTYLEのブラックをご用意しています。是非新しいGOLFをご体感下さい。試乗、査定をされた方にフォルクスワーゲンオリジナルアンブレラをプレゼントさせて頂きます。」

 フォルクスワーゲン小平から「新型GOLF試乗会開催!」とのタイトルでメールが来ていたのは昨日のことであった。

 「新型GOLFか・・・試乗車は1.5LのSTYLE・・・乗ってみたいな・・・GOLFに乗り換える可能性は低いけれど・・・査定すると傘ももらえるしな・・・」

 と、完全に「もの」に釣られる形で、今日の午後フォルクスワーゲン小平に試乗予約の電話をしたうえで、我が家から車で15分程度の場所にあるディーラーに出向いていった。

 POLOを事務所の営業車として7年間使っていたので、フォルクスワーゲン小平には過去に何度も訪問したことがある。その少し懐かしい感じがするディーラーの駐車場に車を停めた。



 ディーラーの建物の中には入庫したばかりという2台のNEW GOLFが展示されていた。赤はR-LINE、グレーはSTYLEというグレードである。

 NEW GOLFはインターネットで何度も見ているが、実車を目にするのは初めてである。全体のシルエットは見紛うことのないGOLFの特徴を備えているが、フロントフェイスは先代のGOLF 7よりも少し難解になったといえるであろう。

 私は個人的には好きな造形であるが、先代のGOLF 7の方が好きだというフォルクスワーゲンオーナーは多いような気がする。

 試乗車は1.5L4気筒エンジンを搭載している。実は少し前にゴルフの下位グレードが搭載する1.0L3気筒エンジンと同じエンジンを搭載するAudi A3に試乗した。

 同じグループに属する兄弟車であるゴルフとA3との比較、さらに1.5L4気筒エンジンと1.OL3気筒エンジンとの比較ができることとなる。

 試乗車の色は黒であった。そのドライバーズシートに乗り込んだ。インテリアの質感はニューモデルらしく、デジタル化が一気に新たなレベルまでに進められていた。

 物理的なスイッチやダイヤルがほとんど廃止されて、ダッシュボードやセンターコンソールまわりがとてもすっきりとしたデザインになっている。

 ATセレクタレバーもなくなりとても小さなスイッチになっている。「こんなもので良いのかな・・・」と思ってしまうが、慣れの問題であろう。

 小平市や東久留米市の市街地コースを30分ほど走った。その印象は「やはりエンジンは1.0Lよりも1.5Lの方が良いかも・・・」というものであった。

 1.OL3気筒エンジンは必要最小限の充足度を与えてはくれる。これが1.5L4気筒エンジンになると、やはり余裕を感じさせてくれる。この体感的な余裕・・・それがドライバーの気持ちに与える影響は思いのほか大きいように感じられた。

 エンジン横置きプラットフォーム「MQB」が、GOLF 8にも採用されている。多少の改良が加えられているとはいえ、キャリーオーバーであることに変わりがない。

 「やはり開発予算はEV車に集中して、内燃機関モデルにはほどほどにという流れであろうか・・・」とは思ったが、静粛性、乗り味の上質さ、そして運転支援システムやコックピットのデジタル化の推進などにはやはり先代よりも確実に進化していると思わせる要素が多かった。

 「Cセグメントは実力のあるモデルが多いが、GOLFがこのセグメントにおけるリーダーであることは間違いない・・・ずば抜けている要素は特にはないが、様々な要素の平均点が一番高いのは依然GOLFなのかもしれない・・・」そんな感想を持ちながら、試乗を終えた。帰り際にはフォルクスワーゲン特製の傘をもらうことも当然忘れなかった。 
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5595:微笑

2021年06月26日 | ノンジャンル
 「オーディオショップ・グレン」に一時的に滞留しているEnsembleのスピーカー、プリアンプそしてパワーアンプにより構成されたオーディオシステムの音を1時間ほど聴かせてもらった。

 送り出しは、常設機器であるNAGRA CDCである。メカごと前にせり出してくるCDCにセットされて、Ensemble PA-1から穏やかに放たれた曲はショパンのノクターン(夜想曲)であった。アルトゥール・ルービンシュタインのピアノ演奏である。

 ショパンのノクターンは全部で21曲ある。ショパンはノクターンを20歳から晩年に至るまでほぼ均等に作曲している。

 最も有名なのが第2番であるが、私は好きなのは第1番である。第1番と第2番そして第20番の3曲を聴かせてもらった。ノクターンの語源はラテン語で夜をさす「NOX」のようである。

 実に理にかなった選曲のような気がした。マーラーの交響曲を最初に聴くべきシステムではない。もちろんブルックナーも・・・

 このシステムで聴くノクターンは、じわじわと心の襞に染み込んでくる。印象的な映画「戦場のピアニスト」でもテーマ曲として使われていたノクターンの第20番を聴いている時には、映画の幾つかのシーンが脳内スクリーンに映し出された。

 次にかかったのはシューベルトであった。シューベルトは「歌曲王」と称されるように歌曲が有名であるが、ヴァイオリンのための曲にも隠れた名曲が多い。

 その一つである「ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 ハ長調 D938」がかかった。ヴァイオリンはイザベル・ファウスト、ピアノ伴奏はアレクサンドル・メルニコフ。

 欧米各国で目覚しい活躍ぶりを見せ、現代において最も注目されるヴァイオリニストの一人であるイザベル・ファウストの演奏は、きりりと冴えた持ち味を活かしながらも流麗にして華麗なものである。

 我が家ではヨハンナ・マルツィの演奏によるレコードで聴くことが圧倒的に多い曲である。1955年の11月に録音されたレコードであるので当然モノラルであるが、何度聴いても聴き飽きることのない名演である。

 Ensemble PA-1はどちらかというとクラシック向きのスピーカーかもしれない。ヨーロッパ的な、端正で陰影感のある音色である。

 そして「少しへ編成の大きなものも聴いてみますか・・・」と最後に選択されたのが、ドヴォルザークのチェロ協奏曲であった。

 チェロはジャクリーヌ・デュ・プレ。ダニエル・バレンボイムの指揮によるシカゴ交響楽団との協演である。1970年11月の録音である。

 デュ・プレの演奏は、壮大なスケール感と伸びやかな歌いまわしが聴くものを否応なく惹きつける。

 そのジャケットには、この数年後に訪れる悲運を予期していなかったはずの彼女の屈託ない微笑が印象的な写真が使われている。

 その第1楽章を聴き終えた。この演奏を聴くと、その悲劇性を帯びた曲調ゆえか、デュ・プレをその後襲った悲劇のことがついつい頭に浮かぶ。「もしかして、彼女は悪魔と契約し、天才的な演奏能力を得ることの代償に不治の病を引き受けたのかもしれないと・・・」と考えてしまう。 

 「どれも素晴らしいですね・・・このシステム、我が家に欲しいくらいです・・・もちろんスペースがないので置きようがありませんが・・・それに売却先はもう決まっているんですよね・・・ところでスピーカーとプリアンプ、そしてパワーアンプの一式・・・幾らで売れたんですか・・・?」

 「220万円・・・」小暮さんはにこやかな表情で言い放った。ついさっきまで夢の世界にいたが、その値段を聞いて、現実世界に否応なく引き戻されたような気がした。  
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