AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

4430:ロータス ヨーロッパ

2018年04月30日 | ノンジャンル
 11台のロードバイクは長いトレインを形成して西へ向かって走り始めた。11台のロードバイクの内訳は、ORBEAが3台、COLNAGO、Kuota、RIDLEYが2台ずつ、そしてBH、FUJIが1台ずつであった。

 小平市の市街地を抜けて、玉川上水に沿って続く道を走った。今日は初夏を思わせる天気であった。最高気温は27度まで上がるようである。4月としては少し暑すぎる気候である。

 トレインが長いと、巡航スピードは穏やかなものになる傾向があり、今日も比較的穏やかなスピードで予定のコースをこなしていった。

 最初の休憩ポイントである拝島駅前のファミリーマートに到着した。拝島駅の白いフェンスにはずらっと様々な色合いのロードバイクが並んだ。



 補給食にはサンドイッチを選択した。それをロードバイクの傍で食していると、見ず知らずのおじさんが近づいてきて、話しかけてきた。

 「どこまで行くんだ・・・?」「檜原村の都民の森です・・・」「なら、日の出の大仏を見に行けばいい・・・」「大仏・・・?大きいんですか・・・?」「鎌倉の大仏よりも大きい・・・」「えっ・・・そんなに・・・」

 そんな会話がしばし続いた。日の出町の大仏は最近できたようで、高さは12メートルもあり、確かに鎌倉の大仏よりも少し大きいようである。

 話好きのおじさんと別れて、先へ進んだ。もちろんおじさんに勧められたからといって、コースを変更することはなかった。

 国道16号の下を潜る連絡通路を通り過ぎて、睦橋通りに入った。ゴールデンウィークの前半で天気は最高、ローディーの姿をもっと見かけるかと予想していたが、思ったほどではなかった。

 いつも通り赤信号で何度かストップ・アンド・ゴーを繰り返しながら、武蔵五日市駅まで走って駅前を左折した。

 檜原街道は緩やかな上り基調である。市街地を抜けていくと周囲の風景は緑の比率が多くなっていく。



 今日は木陰が嬉しかった。季節は一足飛びに進んでいってもう夏に手をかけていた。檜原街道の陰地が嬉しい季節になりつつあった。

 檜原街道を順調に走っていくと、次の休憩ポイントである檜原村の特産物を販売している「山の店」の駐車場に着いた。

 ここには公衆トイレがあり、トイレを済ませた。その駐車場には濃い青が色鮮やかなロータス ヨーロッパが停まっていた。

 1966年に発売が開始されたロータス ヨーロッパは、その時代の空気を色濃く反映してノスタルジックな風情をしたスポーツカーである。

 コンディションを保つのは、きっと大変で、お金もかかるはず。趣味は違うが、我が家のリスニングルームに設置されているオーディオ機器のことを思い浮かべた。1950年代に設計・製造された古い機器は確かに手がかかる。しかし、手がかかるほど愛着も沸くものである。


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4429:普段履き

2018年04月29日 | ノンジャンル
 「今週も履いてみようかな・・・ボーラ・ウルトラ・・・」という誘惑は確かにあった。その乗り味はやはり魅惑的であった。

 しかし、「これは決戦用だからな・・・普段履きにするわけにはいかない・・・」と思い直して、昨晩、Kuota Khanから取り外した。

 そしてブレーキシューもアルミホイール用のものに戻してから、フルクラム レーシング・ゼロを装着した。

 フルクラム レーシング・ゼロに組み合わせているタイヤはコンネンタルのグランプリ4000である。

 ここ数年、この組み合わせを継続している。チームメンバーの一人が最近タイヤをピレリのP ZEROに替えた。その印象がとても良いとのことで、次にタイヤを変えるタイミングで試してみようかとも思っている。

 普段履きとしては、この組み合わせでまったく不満はない。レーシング・ゼロはカチッとした剛性感が頼もしく、グランプリ4000は乗り心地がマイルドで、耐パンク性能も高い。

 その従来の組み合わせに戻した仕様で、朝の7時に走り出した。先週のロングライドで体験した「ボーラ・ウルトラ+コルサ スピード」の組み合わせと比べると、乗り味が硬めでダイレクト感がある。決して不快というわけではないが、路面から伝わる振動はしっかりと体に届く。

 「レーシング・ゼロ+グランプリ4000」では、踏めば踏んだ分だけしっかりと進む感じで「もっと踏んで・・・!」という感じでちょっとせっつかれる感じがする。

 一方「ボーラ・ウルトラ+コルサ スピード」では、物理的にはあり得ないが感覚としては踏んだ分よりも余分に進むような気にさせてくれる。

 なので「そんなに無理しなくても良いよ・・・こちらに任せて・・・」といったメッセージを受け取るような感じで、あまりシャカリキにならなくてもいい。

 「ボーラ・ウルトラ+コルサ スピード」では「余裕」といったものを感じさせてくれるのである。

 もちろんこれは平地巡航での話である。上りとなれば話は別であるが、このゆとり感は、比較的斜度が緩めで長い距離を走るMt.富士ヒルクライムでは、良い効果があるのではないと密かに期待している。

 来月の20日にはチームで富士スバルラインを試走する。その際には「ボーラ・ウルトラ+コルサ スピード」を再度試す予定であるので、良い効果があるのか否かがはっきりとするであろう。

 7km程の距離を走っていくと、集合場所であるバイクルプラザに着いた。今日は11名と参加者が多かった。やはりMt.富士ヒルクライムが近づいてきたからであろうか・・・

 行先は定番コースである「都民の森」に決まった。往復距離は120kmほどであり、多摩エリア在住のローディーに人気のあるコースである。
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4428:主役

2018年04月28日 | ノンジャンル
 大川さんのリスニングルームに置かれた三段ラックの中段に新たに設置されていたのは、THETA DS PRO BASICである。

 DS PRO BASICが発売されたのは1990年であるので、28年前の製品である。マルチビットDSP方式DAコンバーターで、発売された当時は立体感のある歯切れの良い音質で好評を得た高級DAコンバーターである。

 その躯体は1Uサイズの薄型で、とてもシンプルな造形である。センターにはトルグスイッチが二つと赤いシグナルランプが二つあるだけという潔さ。清教徒的に抑制された造形美を誇っている。

 「良いデザインですね・・・COPLANDのアンプの造形とも通じるような美しさです・・・」私はそう言うと、大川さんは相好を崩した。

 「まあ、ほとんど見た目の美しさだけ欲しくなったDAコンバーターです。このトルグスイッチが良い味出していますよね・・・見た目のシンプルさは重要です。これでセレクターその他のスイッチが複数個並んでいたりすると一気にデザインが死んでしまいます。」

 「オーディオショップでの購入ですか・・・?」

 「いえ、オークションです・・・結構手ごろな価格で出ていたんで、思わず落札しました。前から聴いてみたいとは思っていたんです。」

 CDトランスポートはKRELL MD-10が接続されていた。「KRELLとの相性が良かったので・・・」と大川さんは話されていた。

 KRELL MD-10とTHETA DS PRO BAISCの組み合わせとは実に渋い。MD-10の発売は1993年であるので、このペアはほぼ同世代である。

 この組み合わせで何枚かのクラシックのCDを聴かせていただいた。スピーカーはGershman Acousticsの Grande Avant Gardeである。私はこのスピーカーメーカーのことはまったく知らなかった。

 「このメーカーも相当昔には正規に輸入されていたんです。パイオニアインターナショナルというパイオニアの子会社が輸入代理店になっていました。もちろんとっくの昔にそんな会社はなくなってしまいましたがね・・・」

 「そうなんですか・・・全然知りませんでした。でも、このスピーカーは独特の形をしていますね・・・なんだかちょっと妖精的というか、呪術的な造形を感じますね・・・」

 「そうですね・・・一旦目にすると脳裏に焼き付いて離れない・・・そんな独特の形状をしていますよね・・・」

 最初にかかった曲はラベルの「左手のためのピアノ協奏曲」であった。これは第一次世界大戦で右手を失ったピアニストのためにラベルが書き上げたピアノ協奏曲である。

 重厚な響きが心地よく、ラベルらしい華麗なオーケストレーションも聴きどころである。Grande Avant Gardeはピアノと相性の良いスピーカーのような気がする。ピアノの華麗な響きを混濁させることなく放出する。

 KREL MD-10とTHETA DS PRO BASICの組み合わせは、大川さんが相性が良いと評されるのが分かる。どちらも音の傾向は暖色系でどっしりとしている。その相乗効果からか、左手一本で奏でるピアノの中低域に濃厚な厚みがある。

 華やかなオーケストレーションを支える低音楽器の抜けも良いバランスに思えた。「確かに相性が良いようですね・・・この両者・・・」私は、この曲が終わった時そうつぶやいた。

 「KRELL純正組み合わせももちろん良いけれど、このペアも結構良い・・・」大川さんはにんまりとしていた。

 続いてかかったのは、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番である。これはプロコフィエフの協奏曲のなかでもっとも人気のある曲である。

 構成が実に緻密で、プロコフィエフらしい目まぐるしいまでのリズムに乗って、ピアノが疾走する様が爽快である。

 この曲も現状のシステム構成で不満なく聴き終えることができた。「これをORACLE CD2000とZanden Model 5000の組み合わせで聴いたらどんな感じに変わるのだろうか・・・?」という興味は、オーディオマニア的には自然と湧いてくるものであるが、それを言葉にすることはなかった。

 「聴き比べ」は楽しくもあるが、ややもすると音楽から遠ざかる要因ともなる。今日の主役はTHETA DS PRO BASICであるから、その演奏を堪能すればいいのである。

 「それにしても、このDAコンバーター・・・良い顔しているな・・・」そんなことを思いながら、続いてかかったピアノ独奏によるムソルグスキーの「展覧会の絵」に聴き入った。 
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4427:GE236

2018年04月27日 | ノンジャンル
 BMW523iに乗って走った。向かったのは高円寺であった。道はそれほど混んでいなかった。大川さんの自宅前のどん詰まりの私道にバックで車を停めたのは出発してちょうど1時間後であった。

 チャイムを押すと、「どうも・・・どうも・・・」という感じで大川さんが出迎えてくれた。そして、早速リスニングルームに移動した。

 大川さんのリスニングルームは、ほぼ我が家のそれと同じ広さである。この部屋にはオーディオ機器とCDラック、そしてリスニングポイントに置かれた、ハンス・J・ウェグナーが設計した3人掛けソファとソファーテーブルのみが置かれていて、潔い感じで纏められている。

 ハンス・J・ウェグナーは1914年生まれのデンマークの家具デザインナーである。代表作は「Yチェア」で、日本でも人気のあるデザイナーである。

 3人掛けソファとしては「GE290」が有名で、北欧家具のヴィンテージショップでもよく見かけるものである。しかし、大川さんのリスニングルームにあるものは「GE290」ではなく、「GE236」である。「GE236」の生地は淡いグレーの色合い。とても落ち着いた質感である。



 そして横長の三段ラックに設置されている多くのオーディオ機器の質感も何故かしら、ハンス・J・ウェグナーがデザインした家具と共通する質感を感じさせる。

 プリアンプはCOPLAND CSA-303で、パワーアンプは同じくCOPLAND CTA-505である。このペアは実に美しい。

 相当前には日本にも正規に輸入されていたようであるが、輸入代理店が途絶えて久しいようである。

 さらに大川さんのオーディオラックには2台のCDトランスポートと4台のDAコンバーターが並んでいるが、いずれも優れたセンスのデザインがなされたオーディオ機器ばかりである。

 CDトランスポートは、ORACLE CD-2000とKRELL MD-10。受ける印象はかなり異なるが、どちらもフィリップス製のメカを搭載し、トップローディング方式である。

 そしてDACマニアである大川さんは4台ものDACを所有されている。メインで使われているのはZANDEN Model 5000(ORACLE CD2000と接続)とKRELL STEALTH(KRELL MD-10と接続)。

 他の2台は気分を変えたいときに使われるようである。そのサブとしての位置付けの2台は、WADIA 12とJOB DA96であった。

 「あった」という過去形になっているのは、小型でいかにもJOBらしい「必要最小限」という凝縮された美しさを提示していたDA96が姿を消して、新たなDAコンバーターが設置されていたからである。

 そして今日の主人公はこの新しいDAコンバーターである。「新しい」と言っても最新の機器ではない。この部屋においての「新参者」という意味合いのみで「新しい」のである。
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4426:乗り味

2018年04月26日 | ノンジャンル
 「裏子の権現」を下り終えて飯能駅方面へ向かって走った。メンバーの一人が「子の権現」の激坂で脚を攣ってしまったので、帰路も巡航速度は抑えめであった。

 このコースであれば上り返しがないので脚にかかる負担も大きくはない。しかし、峠はないけれど時折緩やかな上りは出てくる。

 激しく攣った後は緩やかな上りでも負担が大きい。そういったエリアではペースをぐっと落とした。

 飯能市の市街地を抜けて、八高線に沿った長い上りを走っている時であった。ここは緩やかない上りが1kmほど続いている。

 ゆっくりとしたペースで走っていると、リーダーから「行ける人は先にいちゃって・・・車が抜きずらいから・・・」との指示が出た。

 「どうしようかな・・・誰かが先に出たら付いていくかな・・・」と思っていたところ、一人のメンバーが猛然とダッシュして前に出ていった。

 「えっ・・・そういう展開・・・?」と思いながら、私もペースを上げて前に出いった。斜度は3~4%ほどであろうか・・・・

 最初にアタックしたメンバーの背中は随分と遠かったが、一緒に追いかけたメンバーの後ろに付かせてもらってその間合いを徐々に詰めた。

 後ろからもう一人のメンバーがペースをぐいと上げてさらにその間合いを詰めていった。私はさっと乗り換えてその後ろに付いた。

 ようやく最初にアタックしたメンバーをかわし、頂上が見えた段階で後ろに付かせてもらっていて脚が残っていたのでスパートした。

 なんだか「笹仁田峠」でのスピードバトルのような展開であった。ちょっと予定外のバトルであったが、今日の二度目のもがきであった。

 「やっぱり激坂系ではなく、スピード系バトルのほうが楽しいな・・・」そんなことを思いながら帰路を進んでいった。

 すると狭山湖に到着した。ここまで来るともう「ホームタウン」という感じでほっとする。さらに多摩湖まで行ってから、私は本隊から離脱した。



 今日はこの後杉並区の方に出かける必要があったので、自宅に帰りついてシャワーを急いで浴びた。

 さっぱりと汗を流し去ってから、BMW523iに乗り込んだ。エンジンスタートボタンを押して、電子式パーキングブレーキを解除してから走り出した。

 しばし、走った。そして思った。「BMW523iの乗り味は、カンパニョーロ ボーラ・ウルトラ+ヴィットリア コルサ スピードの乗り味と実に似ている・・・」

 どちらも実にラグジュアリーである。体に心地いい。特に激坂ライドの後の疲弊した体にはこの上質なラグジュアリー感は嬉しいものである。
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