ゴルフスクールが終わってから、いつものように休憩コーナーに立ち寄ってしばらくの時間を過ごした。その時Nさんは、とある提案をしてきた。
「ウィークエンドローディーにとってヒルクライムレースと言うと、富士山と乗鞍って感じですが、もうひとつ参加してみませんか?」
「もうひとつですか・・・でも、あんまり本格的というか、競技志向のレースはちょっと荷が重いというか・・・初心者でも参加できるようなヒルクライムレースって他にあるんですか?」
あんまりその辺の事情に詳しくない私はそう訊き返した。富士山と乗鞍は競技志向の参加者ももちろん多いが、雰囲気を楽しみたいというエンジョイ派もいる。特に富士山はお祭り気分のノリがあり、とても楽しい。
「小規模なヒルクライムレースは確かに、ちょっと硬派な感じが漂いますが、それはそれでピリッとした刺激があって良いものですよ・・・」
Nさんは私よりもロードバイク歴が長い。別のチームに所属し、定期的に長い距離を走ったリしているようである。
「箱根ターンパイク・ヒルクライムレースというのが、12月の上旬にあるんです・・・距離は約14kmなので、富士山や乗鞍に比べると短いんですが、平均斜度が7%を越えるんです。10%以上の激坂がところどころにあって、相当タフですよ。私のチームは毎年何名か参加しています。どうですか、人気のあるレースではないんで、抽選なんてないですよ・・・」
平均斜度が7%を超える・・・富士山や乗鞍は5%台の平均斜度である。それよりもかなり高い。斜度が10%を超えると、体にかかる負荷はまた別次元となってくる。そういう激坂区間がかなりないと、この平均斜度にはならないはず・・・そう思うと、少々息苦しさを覚えた。
「結構きつそうな感じですね・・・たぶん苦手なタイプの坂ですが、来年の富士山まで何もないと、だれちゃいそうですから、前向きに検討してみます。」
二人の会話を聞いていた「寧々ちゃん」は少々呆れ顔であった。
「本当に好きですね坂を上るのが・・・いわゆる『坂バカ』ですか・・・本当に信じられない。何でわざわざあんな苦しい目に会うために、いそいそと出かけていくのか・・・」
彼女は笑っていた。私も笑った。そして、Nさんも・・・
Nさんが「乗鞍の完走証、見せてください・・・さっき持ってきているって言ってましたよね・・・」と話を振った。
私は、ゴルフバッグの小物入れに入れていた「完走証」を見せた。
「1時間38分57秒057」の表示をみて、「寧々ちゃん」は「これだけの時間苦しんだっていう証拠ですね・・・」と言った。
Nさんは「これだけの時間努力しったっていう証拠ですよ・・・」と言って笑った。
私は「この時間は、しっかりと生きていたという証です」と言って笑った。
「ウィークエンドローディーにとってヒルクライムレースと言うと、富士山と乗鞍って感じですが、もうひとつ参加してみませんか?」
「もうひとつですか・・・でも、あんまり本格的というか、競技志向のレースはちょっと荷が重いというか・・・初心者でも参加できるようなヒルクライムレースって他にあるんですか?」
あんまりその辺の事情に詳しくない私はそう訊き返した。富士山と乗鞍は競技志向の参加者ももちろん多いが、雰囲気を楽しみたいというエンジョイ派もいる。特に富士山はお祭り気分のノリがあり、とても楽しい。
「小規模なヒルクライムレースは確かに、ちょっと硬派な感じが漂いますが、それはそれでピリッとした刺激があって良いものですよ・・・」
Nさんは私よりもロードバイク歴が長い。別のチームに所属し、定期的に長い距離を走ったリしているようである。
「箱根ターンパイク・ヒルクライムレースというのが、12月の上旬にあるんです・・・距離は約14kmなので、富士山や乗鞍に比べると短いんですが、平均斜度が7%を越えるんです。10%以上の激坂がところどころにあって、相当タフですよ。私のチームは毎年何名か参加しています。どうですか、人気のあるレースではないんで、抽選なんてないですよ・・・」
平均斜度が7%を超える・・・富士山や乗鞍は5%台の平均斜度である。それよりもかなり高い。斜度が10%を超えると、体にかかる負荷はまた別次元となってくる。そういう激坂区間がかなりないと、この平均斜度にはならないはず・・・そう思うと、少々息苦しさを覚えた。
「結構きつそうな感じですね・・・たぶん苦手なタイプの坂ですが、来年の富士山まで何もないと、だれちゃいそうですから、前向きに検討してみます。」
二人の会話を聞いていた「寧々ちゃん」は少々呆れ顔であった。
「本当に好きですね坂を上るのが・・・いわゆる『坂バカ』ですか・・・本当に信じられない。何でわざわざあんな苦しい目に会うために、いそいそと出かけていくのか・・・」
彼女は笑っていた。私も笑った。そして、Nさんも・・・
Nさんが「乗鞍の完走証、見せてください・・・さっき持ってきているって言ってましたよね・・・」と話を振った。
私は、ゴルフバッグの小物入れに入れていた「完走証」を見せた。
「1時間38分57秒057」の表示をみて、「寧々ちゃん」は「これだけの時間苦しんだっていう証拠ですね・・・」と言った。
Nさんは「これだけの時間努力しったっていう証拠ですよ・・・」と言って笑った。
私は「この時間は、しっかりと生きていたという証です」と言って笑った。