AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

6237:屋台骨

2023年03月31日 | ノンジャンル

 ポルシェは3月30日に、4月の上海モーターショーでワールドプレミアを迎える新型「カイエン」のインテリアを先行公開した。

 メルセデスベンツもつい最近、間もなくフルモデルチェンジする予定のE-CLASSのインテリアを先行公開したが、インテリアのみを先行公開することが流行っているのであろうか・・・

 

 新型カイエンのインテリアは、従来のポルシェのインテリアの雰囲気を残しつつも、やはりかなり新しさを感じるものに変わった。

 ダッシュボードには3枚のスクリーンからなるフルワイドの液晶パネルが置かれている。見渡す限り液晶パネルで覆われているが、ダッシュボード中央の上部にアナログ時計が残されていて、その組み合わせが絶妙である。

 そして、従来はセンタコンソールにあったギアセレクターは、メータパネルとセンターディスプレイの間、ステアリングホイールの隣に配置された。

 

 ギアセレクターが小さく目立たないものに変わっていくことは、各メーカーが採用している手法であり、ポルシェもその流れに乗ったことになる。

 センターコンソールに存在感たっぷりにギアセレクターがあり、それを手で包むように握って操作するということは、どのメーカも今後発表されるニューモデルからはなくなっていくようである。

 これからはひとさし指と親指で軽くつまんで動かすだけのスイッチのような存在になっていく。

 ドライバーの視線が最も集中するメータパネルは完全にデジタル化されたフリースタンディングデザインの12.6インチ曲面ディスプレイとなった。フードカバーが不要なため、モダンでスリムな外観となった。

 メータパネルの表示は7つのパターンが用意される。ポルシェならではの5連メータパネルデザインをデジタル時代に移行させたクラシックモードも用意されている。私ならきっとそのクラシックモードを選択するであろう。

 この新型カイエンのインテリアは、新しい要素を大胆に取り入れながらも、従来のポルシェの硬派な雰囲気も残し、その両方の要素をうまくバランスさせていると感じた。

 ポルシェのドル箱であり、ポルシェの経常状況を一気に改善することに大きや役割を果たしてきたカイエンは、まもなくエクステリアも公開される新型でも、ポルシェの経営面での屋台骨となることは確実なことのようである。

コメント

6236:1.55倍

2023年03月30日 | ノンジャンル

 Zwiftの「Alpe du Zwift」のタイムと、Mt.富士ヒルクライムのタイムとの関連性については、いろいろと語られている。

 いろんな説があるが、Alpe du Zwiftのタイムを1.55倍すると、Mt.富士ヒルクライムのタイムの近似値になるという説が一番有力である。

 昨年の自分のタイムで検証してみた。

 昨年のMt.富士ヒルクライムのタイムは1時間26分59秒であった。

 一方Mt.富士ヒルクライムの直前にAlpe du Zwiftを走った際のタイムは57分13秒であった。

 57分13秒を1.55倍すると、1時間28分41秒である。概ね近い数値である。

 今年のMt.富士ヒルクライムの目標は「還暦でもブロンズ」である。

 年齢を考慮すると、タイムを落とすのはやむを得ないが、1時間30分は切りたいところである。

 Mt.富士ヒルクライムには、50歳の時に初挑戦した。1回目と2回目は1時間30分を切ることはできなかった。

 「3度目の正直」とばかりに、3回目のチャレンジでどうにかこうにか1時間30分を切ってブロンズリングをゲットした。

 昨年まで10回挑戦して、ベストタイムは1時間22分48秒である。還暦を迎えた今年は11回目の参加となる。

 徐々に本番が近づいてきたので、確定申告の繁忙期によって相当に低下してしまった脚力を回復させるべく、Alpe du Zwiftでのタイムアタックを確定申告終了後に始めた。

 最初は全く脚が回らなかったが、回数を重ねてくると少しづつ感覚が戻ってきた。

 今週の月曜日のタイムは「58分36秒」、そして水曜日のタイムは「58分5秒」であった。もう少し頑張り続ければ57分台のタイムが出る可能性が出てきた。

 試しに水曜日のタイムを1.55倍してみた。58分5秒×1.55=1時間30分2秒となった。

 「ぎりぎり足らない・・・もう少し頑張って57分台のタイムがコンスタントに出るようになったなら、1時間30分を切れる可能性が高くなる・・・」と感じている。

 

コメント

6235:告白

2023年03月29日 | ノンジャンル

 最初にかかったのは、シューベルトのロザムンデ序曲であった。指揮はクルト・マズアである。

 当時の歌劇場は社交の場でもあった。開演前観客はあちらこちらで大声で談笑していて、今のように静かに席に座って開演を待っているということはなかった。

 ざわついている観衆に向けて、歌劇の開演を告げる序曲の冒頭は、大きな音で始まる。その後は軽快な展開を見せて、これから始まる歌劇への好奇心を煽るような曲調で続いていく。

 大川さんのリスニングルームでこれから開始される「試聴会」の開演を告げる「序曲」は、10分間ほど続いた。

 私は慎重に耳を傾けた。プリアンプとパワーアンプが、COPLANDからCLASSEに変わったので、当然音の印象は従前とは違う。その差は歴然であった。

 CLASSEのプリアンプとパワーアンプは外観がかなりしっかりとしたものであったので、ぐいぐいと音が前に出てくるのかと思ったが、意外とそういうことなかった。オーケストラがスピーカーの背後に整然と並び、その空間配置はゆるぎなく正確なものであった。

 音色に対する脚色は少なく、ソフトの音をゆがめることなく高いSN比で正確に増幅しているという感があった。MAGICO A3に対するコントロール力も常に緩むことがなく、4つのタイヤがしっかりと路面を捉えていて、音楽の安定感がある。高めのスピードでカーブを曲がってもロールは少なめであった。

 続いてかかったCDは、コルンゴルドのヴァイオリン協奏曲であった。その第1楽章を聴いた。ヴァイオリン独奏はリザ・フェルシュトマン。20世紀の作品でありながら、晦渋な印象のない滑らかで美しいヴァイオリン協奏曲である。「時代錯誤である・・・」と批判されることも当時はあったようであるが、現在ではバーバーのヴァイオリン協奏曲とともに20世紀の新ロマン主義の代表的な作品として評価されている。

 CLASSEのペアは、決して音の表面を毛羽立てることはなく、滑らかな音の質感でありながら、音の厚み、実体感も充分にある音の質感で、「とても良心的な音であり、良識の高いアンプだ・・・」と感じた。

 複雑な配合で仕上げられた秘伝のソースで食材の味わいを決定づけるというよりも、極力素材の良さや鮮度を活かし、味付けは塩のみといった、料理の在り方を連想させる音であった。そのため、ぱっと聴きは、こちらに迫てくるような音の迫力はないので物足りなさを感じるかもしれないが、じっくりと聴き込むとその実力の高さが分かる。

 2曲聴き終えたところで「CLASSEのアンプって、これ見よがしの派手さのない堅実な音ですね・・・破綻なく安定感抜群という感じです・・・このペアが80万円ほどであれば、コストパフォーマンスは抜群と言っていいような気がします・・・」と感想を述べた。

 大川さんは「COPLANDは春めいた色合いや独特の柔らかな雰囲気が好きだったのですが、CLASSEのアンプにするとすっと腰が下がって音楽の安定感が高まるのが分かります。SNもかなり良くなります。オーディオ的には2ランクぐらい上がった感じがします。MAGICO A3の潜在能力からすると、このレベルのアンプが必要な気がしてきます・・・」と話されていた。

 その後もクラシックのCDを3枚ほど聴いた。そして、最後に「こういうものは聴かれないかもしれませんが、私はちょっと若い頃を懐かしむために時折聴くんです・・・」と話されて、1枚のCDがORACLE CD2000にセットされた。

 そしてかかった曲は、竹内まりやの「告白」であった。冒頭の電話のベルが鳴った時に、そのリアルさにハッとした。その後に続く、竹内まりやのボーカルと濃密なバックの演奏。意味深な歌詞の内容とともに心の襞にぐいぐいと染み込んでくる浸透力の強い曲である。

 こういったポピュラー系の音楽の方がオーディオ機器の潜在能力の差が出やすいのであろう、CLASSEのオメガ プリが持つ実力の高さがより如実に感じられた。パワーアンプであるCA-201もけっしてオメガ プリの足を引っ張らない堅実な実力を有いていることが分かった。

 その印象深い曲が終わった。「すべてが破綻なく安定感が抜群ですね・・・」と、私がCDをケースにしまっている大川さんに話すと、大川さんはぽつりとつぶやいた。「実は心はもう決まっているんです・・・」と、穏やかに「告白」した。

コメント

6234:OMEGA

2023年03月28日 | ノンジャンル

 リスニングポイントに置かれた3人掛けのソファに座ると視線の先にはMAGICO A3の凛とした姿があった。そしてその2本のスピーカーの間の床には、オーディオーボードの上にうやうやしくセットされたパワーアンプの姿があった。

 そのサイズは横幅は480mmぐらいであろうか・・・高さは200mmほど、奥行きは500mm近い。巨大と言うほどではないが、パワーアンプらしいかなりしっかりとしたサイズである。重さもきっとそれなりにあるはずで、一人で持ち上げようとすると腰を痛めるかもしれない感じである。

 通常サイズのラックには収まり切らないサイズのパワーアンプを購入した場合、スピーカーの間の床の上にボードを敷いてセッティングすることはよくあることである。私もオーディオを始めた当初、かなり大きなサイズのパワーアンプを使っていたので、そのようなセッティングをしていたことがあった。

 私は少し近づいてその型番を確認した。そのパワーアンプはCLASSE CA-201であった。両サイドはブラック、そしてそれ以外はホワイトで横のラインが精悍な感じである。真ん中に丸いスタンバイボタンがあり、その上に黄色く光るパイロットランプと「CLASSE」と記されたメーカーのロゴがある。実に精悍な外観である。

 そして、横長の3段ラックには、見慣れないプリアンプの姿もあった。電源部と本体が別躯体になっていて、2段重ねの構造である。こちらもプリアンプとしてはかなりしっかりとした躯体を有していると言えるであろう。やや右側に寄った位置にブラック仕上げの部分がありそこには左右に回す特徴的なボリュームダイヤルがある。

 本体の左側にはセレクトしたポジションやボリュームレベルを示す表示板があり、文字は赤く輝いていた。躯体の右端には本体にも電源部にも等しく「Ω」のマークが刻まれていた。

 「これは、パワーアンプと同じくCLASSEのオメガ プリだな・・・プリもパワーも2000年前後の製品であるはず・・・20年程前の製品か・・・もちろん中古品であろう・・・しかし、前のオーナーが大事に使われていたのであろう・・・傷一つない綺麗な外観を保っていいる・・・・」と興味津々に、それらの試聴機を眺めていた。

 従来のレギュラー陣である、COPLANDのプリアンプとパワーアンプもラックの片隅に佇んでいた。その姿は相変わらずの美しさを保っていたが、新たにリスニングルームに侵入してきた「新入り」に対して、少々警戒感を有している「先住猫」のような表情も見せていた。

 大川さんはコーヒーを木製のトレイに乗せて運んできてくれた。それらは、ソファの前のテーブルの上に置かれた。

 「クラッセですね・・・このプリアンプはその当時のフラッグシップじゃなかったですか・・・?」と私は問いかけた。

 「ええ、そうです発売は1999年です。かなり気合の入ったモデルで、コストも相当かかっています。新品の価格は確か200万円近かったですが、中古品ならその4分の1くらいで購入できます。パワーアンプは同じくクラッセのCA-201です。こちらはその当時のクラッセの中堅かエントリー的なポジションのパワーアンプです。これでもそれなりのサイズですが、このプリと純正の組合せとして販売されてていたオメガ パワーだと恐ろしく巨大になり、重量も160㎏ほどにまでなりました。」

 「これは、もう購入されたんですか・・・?」

 「パワーはヤフオクで程度の良いものがあったので、落としました。落札価格は20万円にいかなかったです。プリは、実はこれ、小暮さんのところの在庫なんです。無理を言ってちょっとお借りしているんです。」

 「そうでしたか・・・このパワーアンプが20万円未満なら、良い買い物だったと思いますよ・・・このプリ、小暮さんのところで幾らで販売してるんですか・・・?」

 「オメガ プリは58万円です。コンデンサーなどの消耗部品は全て交換されているので、こちらも相当にお買い得だと思っているんです・・・」

 「なるほど・・・従前のCOPLANDに比べると、かなりしっかりとした駆動力を有している感じを受けますね・・・特にこのプリアンプ、フラッグシップだけあって、何だが凄いオーラが出ています。電源分も別躯体だし・・・相当なこだわりを感じます・・・」

 「論より証拠でですから、早速聴いてみましょうか・・・」

 ということで、CDが1枚取り出されて、CDトランスポートであるORACLE CD2000にセットされた。DACはこのトランスポートとペアを組んでいるZanden Model5000である。大川さんのところにはもう1系統KRELLのペアがあるが、トランスポートの具合が悪いようで現在はベンチを暖める存在になっている。

コメント

6233:雨

2023年03月27日 | ノンジャンル

 桜は満開の時期を迎えていたが、この土日は生憎雨続きであった。気温も低く、再び厚手のコートを着用する必要があった。

 日曜日に行われる予定であったチームでのロングライドも雨により中止となった。

 そこで、午前中に大川さんに連絡を取ってみた。すると「今、ちょうど試聴用にプリアンプとパワーアンプが我が家に一時的に来ているんです。もしよければ、聴きに来られませんか・・・?」とのことであった。

 大川さんは長年COPLANDのプリアンプとパワーアンプのセットを使われてきていたが、最近アンプを刷新することを考慮されていた。

 「新品を購入されるのであろうか・・・最近の新品は価格高騰が激しいけれど・・・」

 「もしかしたら『オーディオショップ・グレン』から中古製品を試しに借りているのかも・・・小暮さんはその辺は臨機応変に対応してくれるからな・・・」

 「あるいは、ヤフオクで落としたものか・・・もしもいま一つなら、すぐにヤフオクに出品すれば、ほとんど損失なく売却できる・・・」

 そんなことをあれこれを考えながら、午後になってから車を走らせていた。

 納車から1年が経過したBMW iX3は走行距離が20,500km程になっていた。今のところ大きなトラブルはない。自宅ガレージに充電設備があれば、充電に関して特に不便を感じることはない。

 400㎞を超えるような長距離を走らない限り、今のところ不便を感じることはないので、予定通り5年間はこの車を使い続けるであろう。

 1年目の法定点検でも特に問題はなく、タイヤの交換時期が近づいていることが報告されたのみであった。

 走行距離が25,000kmに達したらタイヤを交換する予定である。今履いているのはヨコハマタイヤのランフラットである。サイズは20インチ。

 20インチのランフラットタイヤを交換するとなると、コストは結構かかる。「きっと35万はかかるだろうな・・・」と危惧しているところである。

 青梅街道を走っていって杉並区役所を通過して少し行った先で右折した。広い青梅街道から脇道に入ると急に道幅が狭くなる。一方通行ではないが対向車がやってくるとすれ違えないほどの狭さである。

 幸い対向車は来なかった。大川さんの自宅が奥に位置するどん詰まりの私道にバックで車を入れた。

 車から降りて、大川さんのお宅のチャイムを鳴らした。玄関が空いて、大川さんが笑顔で出迎えてくれた。

 リスニングルームに入り、リスニングポイントにある3人掛けのソファに腰かけた。

 「コーヒを淹れてきます・・・」と大川さんは一旦部屋を出られた。私は、我が家のリスニングルームよりも一回り程広い部屋の様子を改めて確認した。

 すると、そこには「これか・・・!」とちょっと驚いた試聴用に一時的に借りているというプリアンプとパワーアンプの姿があった。 

コメント