オーレ・ヴァンシャーがデザインしたイージーチェアは、他の二つのイージーチェアに比べて座面の高さが若干高い。これをリスニングポイントに設置してオーディオシステムの音を聴くと、やや音域バランスが高域寄りになる。
カイ・クリスチャンセンがデザインしたイージーチェアとアルネ・ボッターがデザインしたイージーチェアの座面の高さはほぼ同じであるが、カイ・クリスチャンセンのイージーチェアの方がクッションの厚みがあり、実際に座ると沈み込みがあるので、耳の位置は若干低くなる。
耳の位置が低いと音域バランスが若干低域寄りになる。低域寄りのバランスの方がどちらかというと安定感が感じられるので、カイ・クリスチャンセンのイージーチェアをリスニングポイントに現在は設置している。
カイ・クリスチャンセンのデザインしたイージーチェアのひじ掛け部分の形状は、ペーパーナイフに似ている。そのためこのモデルは「ペーパーナイフチェア」と呼ばれている。カイ・クリスチャンセン がペーパーナイフチェアをデザインしたのは1957年のことである。この時代にデンマークでデザインされ製造されたイージーチェアは、その多くがとても美しく穏やかな表情をしている。そして、現代においても古さを全く感じさせない。
今日は、我が家に来ていただいたgenmiさんに、その「ペーパーナイフチェア」に座っていただいた。我が家のリスニングルームは、TANNOY GRFが横須賀市のK氏のもとに旅立っていったので、その様相がすっかりと変わっていた。
「随分と変わりましたね・・・ラックの位置も右側からセンターになっていますし・・・」と、genmiさんは、前回来ていただいた時とすっかりとその様相が変わっていたので、少々驚かれたようであった。
TANNOY GRFがなくなった後は、後方空間がフリーとなったので、スピーカー位置を様々に検証してみた。後方の壁に近づけて内振りを付けないセッティングなども検証した結果、従前GRFがあった時のセッティングに比較的近い位置に落ち着いた。
そのためスピーカー後方にかなり広いフリー空間が確保できた。その空間ができたので、リスニングポイントの右側面にあった3台のYAMAHA GTラックをセンター設置に切り替えてみた。視覚的にはセンターラック方式の方が落ち着く感じがあったので、このセッティングとなった。
genmiさんのリスニングルームと我が家のリスニングルームには共通点が二つある。一つはニアフィールドリスニングであるという点と、もう一つは使っているスピーカーが小型の2ウェイスピーカーであるという点である。
小型2ウェイスピーカーという共通点はあっても、genmiさんがお使いのB&W 805SDと、我が家のSonus Faber Guarneri Mementoでは、その持っている個性が当然違う。また送り出しに関して、我が家は少々時代遅れ的な感もあるCDプレーヤーとレコードプレーヤーが併存しているのに対して、genmiさんは最新型のPCオーディオである。
我が家でのOFF会では、クラシック、それもヴァイオリンなどの弦楽器ものばかりかけてしまう傾向があるので、今日はジャンルも含めて、CDとレコードの比率もなるべくバランスを取って、曲を選択するように心がけた。
まずはCDで女性ボーカルを聴いていただいた。先日、genmiさんのお宅でも聴かせていただいたKOKIAの「ありがとう」と「歌う人」と聴いた。さらにもう1曲、同じCDから「The Power of Smile」も追加で選曲した。その後は、アナログ・・・スザーネ・ラウテンバッハのヴィオリンでビーバーのヴァイオリンソナタ・・・今日はそういた感じで振り幅をつけながら極力偏らない選曲を心掛けた。
我が家のオーディオシステムは「第3期」に完全に移行した。第1期の「German Physiks時代」、第2期の「TANNOY時代」を経て、第3期は「Sonus Faber時代」である。今日は「第3期」に入ってから初めてとなるOFF会であったが、どうにか無事に終えることができて、ほっとした。