原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

国会は「ねじれ」てていいんじゃないの?

2010年07月13日 | 時事論評
 一昨日(7月11日)の参院選における民主党の敗北から2日が経過した今日、昼のテレビニュースで民主党幹部が参院選敗北要因や執行部の引責問題について語る影像が流れた。

 この種の報道を見聞させられる一国民としては、(もういいじゃないか)の思いで辟易とするばかりである。
 選挙後2日も経過して尚、選挙の敗北要因、引責問題へったくれ等の党内部のゴタゴタを国民に披露している場合ではないであろうに。 民主党が参院選に敗北して尚、菅政権を続行したいのなら尚更選挙結果を真摯に受け止め心を引き締め直して、一刻も早く通常の国政業務に戻り選挙運動中の執務の遅れを取り戻して、「政治とカネ問題」や「普天間問題」等々に正々堂々と立ち向かってはどうなのか、と言いたいのが国民感情である。


 民主党首相の菅氏によると、今回の民主党の敗因は選挙戦における自らの“消費税”の言及に関する勇み足と説明不足がもたらしたものだ、とのことのようだ。
 私論であるが、(そうじゃないよ! 民主党は国政を担う政権政党としての力量のなさ未熟さ等、もっと根源的な要因で敗北したのだ。それを国民に見抜かれていたんだよ!) と申し上げたいものである。

 国政選挙などというものは、選挙対策や直前のわずかの期間の選挙運動のみで勝てるものでは到底あってはならないはずである。
 昨夏の衆院選において国民から奇跡的とも言える大量得票を得た民主党は、真っ先にその大量得票の“根拠”を分析するべきだった。 それなのに民主党はその大量得票に有頂天になるが故に国民の真意の分析を怠り続け、その後国政運営を国民の“バブル期待”のみにすがってしまった。 その未熟さの結果こそが鳩山政権のわずか8ヶ月での退陣劇をもたらすはめとなったのだ。 鳩山氏は退陣に当たり「(我々は頑張っているのに)国民が聞く耳を持たなくなってしまった」と言い残したが、この愚かな発言こそが国民の国政を捉える確かな「目」を見据える力を総理自らが喪失していた事実を実証するものである。

 そして党首をすげかえ菅政権となった後、菅氏は国政において何の実績も国民に提示しないまま参院選に突入した。 就任直後菅総理は消費税10%を国民に言及した訳であるが、私論はこれに関して“10%の根拠”を明示して欲しく思うのみでさほどのインパクトがなかった事についてバックナンバーで公開している。 おそらく同じ思いの国民は多く存在するはずである。 今回菅氏が民主党の敗北の要因が“自らの消費税に対する言及”だと釈明している事実自体に、表立っての一政策に左右されて投票行動に出る多くの国民の“浅はかさ”を票取りに利用しようとしている政党の貧弱な魂胆を思い知らされる思いである。


 それにしても心強いのは、新党にして大いなる躍進を遂げた“みんなの党”が選挙後も「政権と連立するつもりは一切ない!」と言い切っている点である。 無党派層一国民の原左都子としては、野党各党には是非共そのようにお願いしたい思いである。 無党派層の一人として何故に苦渋の選択をしてまで政権党ではない他党に貴重な一票を投じたのかと言えば、どうしても未熟な民主党には今後のさばって欲しくない思いが強い故に他ならない。多くの反民主党派の国民も同様の思いだったのではあるまいか??
 (参考のため、原左都子は今回“みんなの党”には投票していません。) 
 そしてもっと心強いのは、“みんなの党”党首の渡辺氏が、参院選の結果野党が与党を議席数で上回った以上、参議院国会議長は野党から選出するべきと主張している点である。ごもっともであり、国会は即刻これを実現して欲しいものである。
 いや~~、さすが新党にして2桁台の議席を確保する渡辺党首は今のところ発言がブレてないね~。しかも菅さんのことを“ブレ菅”を通り越して“空き菅”だとも表現していたし。 渡辺さん、まさかすぐさま民主党と連携することはないと私は信じているが、今後民主党政権が長引くようなことがあった暁にあなたが政権と連立して閣僚の地位を確保していたならば、やはり大いに幻滅であるぞ~。


 ところで、私論は今回の「ねじれ国会」を歓迎しているのだ。

 国会において二院制をとっている先進国自体が多くないようであるし、また今後我が国においても国会議員の定数削減と平行してこの二院制自体が議論されることであろう。
 一般市民には想像もつかないごとくの高額の歳費特権を享受している国会議員の定数削減を早期に実施して欲しい思いは原左都子にも強靭なものがある。

 今回の参院選でも、残念ながら“訳のわからんタレント議員”が当選してしまっている。タレント議員にとってはやはり多額の歳費特権と名声は何とも美味しいようだ。
 今や柔道界では下火でスポンサーが得られない(?)谷亮子氏にとって、あくまでも自らの夢の五輪を今後も目指すには、この歳費特権が不可欠だったのであろうかねえ…? 辛いねえ…。
 自民党で辛うじて当選した三原じゅん子氏は、今後女優業を引退して“女性の命を守る”と言うのだけど…。 “女性の命”だけの視野しかない人間が、まさか国会議員として長く活躍できるとは本人も信じてはいないのだろうが…。その暁にはまた女優に戻るのかしらねえ~~。

 
 余談が長過ぎたが、今尚二院制を採用している国において「ねじれ国会」とはある意味で理想型であるように私には思えるのだ。
 「ねじれ国会」を正当化するために、まずは“みんなの党”の渡辺党首が主張するところの参院国会の議長を野党から選出することから始めよう。 そして、民主党が参院選前に“我が身息災”観点から“超党派にて”と主張していた議論を、今回参院選で多くの議席数を獲得した野党各党を交えて対等な立場で激論し直そう! 与党は6月国会時のように、決して野党からの要望を一切無視して国会を早期に閉会してはならないのだ。

 “みんなの党”の渡辺党首の主張は至って正論と原左都子は捉える。
 国会とは国政における最高の議論の場であり、そこで各党がとことん話し合った結果を現状で切磋琢磨しつつ国政を実行していくことこそが国の理想像であろう。

 「ねじれ国会」こそが今後の我が国の革新力となり得るのかもしれない! 
 
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無党派層が参院選結果を左右する!?

2010年07月10日 | 時事論評
 いよいよ明日(7月11日)、参院選挙が投開票される。

 今回の選挙ほど、結果の予想がつきにくい国政選挙も珍しいのではなかろうか? 
 報道によると、今回の参院選は民主党に国民新党を加えた与党の過半数獲得は困難であろうとの見方が大多数を占めているようである。(それで民主党幹事長の枝野氏が参院選前にして“みんなの党”との連携を焦ったのであろうが。)
 朝日新聞の選挙戦終盤時点(7月6・7日)の情勢調査によれば、民主党は序盤と比べて勢いを失い、選挙区、比例区合わせても40議席台にとどまる可能性があるとの分析結果である。

 民主党が“党首のすげ替え”により鳩山政権から菅政権に移行した直後の世論調査では、政権支持率は60%に達していた。 その直後の菅総理による“根拠なき消費税10%宣言”や、国民の反応に迎合するがごとくのその後の消費税に対する菅氏自身の発言のブレと曖昧化、そして党内での消費税に対する見解の混乱等が国民の不信感を招き民主党は自滅するに至ったと言える。 それを主たる要因として、菅政権発足後わずか1ヶ月足らずで国民の民主党支持率が30%台にまで低下している有り様である。 この民主党の支持率低下と平行して、国民の参院選での投票先も揺らいでいる実態なのであろう。


 昨夏の衆院選は国民の記憶に新しいと思われるが、何故に民主党があれだけの大量票を獲得したのかに関して私は今尚不可解である。 
 民主党のマニフェストや選挙対策が大いなる危険性を内在しているのを、私は選挙前から見抜いていた。 あんな安直なマニフェストが国政において通用するはずがないし、国民の真の期待に応えられるすべもないと考察していた。 片や、単なる数の論理で小沢氏が擁立した“訳のわからん”新人議員の大量当選と相成ったことに関しても、歳費特権の無駄以外の何ものでもなく国政における真の政治力とは到底成り得ないことに懸念していた。
 国家の財政危機を省みない単なる票取り目的の子ども手当て等の“カネのバラ撒き”や先だって試験的に導入された“高速道路無料化”、これらの民主党の政策に対して私論は国家財源の危機感を考慮して今尚反対派である。
 そして、私にとって予想外だったのが小沢氏や鳩山氏の「政治とカネの問題」である。小沢氏に関しては元々政治資金疑惑が顕在していたが、鳩山氏の母親からの贈与の巨額さ、そして総理の立場での「自分は豊かな家庭に育ったので贈与を把握していない」発言には仰天させられたものだ。 未だ両者共に真実の解明をうやむやにしたまま、要職から退いたとは言え民主党議員として居座っている醜態ぶりである。
 加えて、菅総理は総理に就任以降、ただの一度も「普天間問題」に触れないままである。 就任直後の沖縄における戦没者慰霊祭において「沖縄の皆さんの国際安保において果された役割に“感謝”する」とだけ述べて「普天間問題」をごまかし、沖縄県民の反発を煽っている現状である。

 鳩山政権滅亡の最大の要因であった「政治とカネの問題」と「普天間問題」を国民に忘れ去ってもらうため、上記のごとく参院選の争点として何とも無謀に「消費税10%」を持ち出して議論をすり変えたつもりの菅総理だった。 
 ところが、これが“無謀”過ぎた。 菅総理本人も民主党内も混乱して後々の醜態を晒す結果となり国民の信頼を急速に失墜するに至った。
 民主党さん、1年生政権としてあたふたするのはある程度許容してもいいが、国民を煙に巻く意図の意地汚い政策や内輪もめの醜態を晒すことは最低限回避するべきであるぞ。


 ここで表題の「無党派層」の話に移ろう。
 この原左都子も「無党派層」であることは既にバックナンバーで何度も公開している。
 政権交代直後の社会現象なのであろうが、鳩山政権が失策を披露し始めた年明け頃から国民の間で「無党派層」が増加の傾向にあるようだ。 私の記憶によると朝日新聞の最新の政党支持率調査における「無党派層」が30%台に達している現状である。
 明日の参院選においては、この「無党派層」の投票先が選挙結果の鍵となるように原左都子は考察するのだ。
 今までの「無党派層」とはおそらく“政治無関心派”であったことと捉える。 それに対して、今回の参院選における「無党派層」とは国政に対するポリシーがあるが故に投票先を絞り込めずに困惑している層ではないかと推測するのだ。
 そうなると、きっと30%を超える「無党派層」は明日の参院選に必ずや一票を投じるはずである。 参院選直前期に数多く立ち上がった新党も含めて、真に支持できる党や候補者を今、見定めいるに違いない。


 原左都子自身は、実はもう既に期日前投票を済ませている。
 「無党派層」の皆さん、貴方達の選択がきっと昨夏の衆院選における“バブル”とも表現できる“民主党への根拠なき単なる期待票”を超える大いなる力を秘めているはずと私は信じたい。  
 “一票の重み”がこれ程に実証されそうな国政選挙は、前代未聞かもしれない。
 国民の皆さん、どうか明日は参院選投票へ行って下さい。 
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続 ・生命体の継承と繁栄

2010年07月08日 | 雑記
(写真は、昨年9月から我が家で飼っている“クリームメダカ一族”の現在の風景。 逆光及び写真不鮮明のため個々のメダカが見づらい点をお詫びします。)


 本日(7月8日)の東京地方は久々に朝から晴天となっている。 早朝の4時過ぎ頃に東側の窓から朝日が注ぎ、目覚めた(させられた)私である。 こんな事はこの夏初めての経験のように感じていたところ、やはり天気予報情報によると東京地方が朝から晴れたのは6月上旬以降のことであるらしい。
 梅雨の合間の晴れ間にちょっと涼しげな写真でも掲載して、夏を実感していただこうとの趣旨の今回の記事である。(その割には、いつもながら写真が鮮明さを欠き詳細が分かりにくいのですが…)


 「原左都子エッセイ集」のバックナンバー “生命体が共存する風景” 及び “生命体の継承と繁栄” の2本の記事において、私が昨年9月から自宅でメダカ(クリームメダカ)を飼育していることを公開しているのを継続読者の方は既にご存知であろう。

 その後の我が家の“メダカファミリー”は一応の繁栄を遂げて、現在では上記写真のごとく4本のビンとプラスチック容器に分散して飼育されている有り様である。
 我が家では、この飼育状況を「クラス分け」と独自に呼んでいるのだが、何故にメダカファミリーが「クラス分け」されているのかについて、ここで飼育責任者である原左都子が説明しよう。

 メダカは親が卵を産んだまま同じ水槽に放置すると親メダカがすぐさま卵を食べてしまうため、産卵後の卵は別容器に移して孵化を待つとの飼育レシピである。 その教授を守り、昨年11月の秋の産卵時に一代目の親メダカ(写真左端の容器)から卵を取り出して(写真左から2番目のインスタントコーヒー瓶)に卵を移して“2代目”を育てたところ、何とうれしいことに十数匹が孵化し、その中の3匹が大人に成長した。

 時は今年の春に移り行き、左端の一代目親メダカが3月から産卵に入ったため、既にある程度の大きさに成長している左から2番目の“2代目”に食われることを警戒して(右端のコーヒー瓶)を新たにしつらえ、春産卵の卵を移したのである。これで3クラスに仕分けられた訳である。

 ところがこれがどういう訳か一切孵化しないまま、6月に入り(左から2番目の)“2代目”が産卵を始めたのだ。 この卵も(右端のコーヒー瓶)に移しつつ孵化の様子を観察していたところ、一匹の“3代目”(1代目もずっと卵を産み続けているため、もしかしたら“2代目”だったのかもしれないが)が、やっと孵化したのである! 
 これに喜んでいたのも束の間……  “3代目”と思しき赤ちゃんメダカはわずか3日で命を閉じたのだ… (正確に言うと、生後まもない赤ちゃんメダカは死ぬとその姿が水中のゴミと化し見当たらなくなるという事態である…)

 この“3代目”(?)の稚魚の喪失に大いに痛手を受けた私は、春以降の産卵が孵化に結びつかない原因を我が過去の医学的経験も含めて探ってみた。
 もしかしたら「水草」に原因があるかもしれないと考え、ネットでメダカが産卵し易い水草を検索して、ネット通販で“マツモ”と名の付く水草を買い求めた。
 この“マツモ”とはクール宅配便で送付されるため送料が本体よりも高くつくのだが、それでも新鮮で美しい水草が届いた時には大いに感激したものである。
 ところがこの“マツモ”を3本の水槽に入れたところ、“2代目”の瓶の昨日まで元気だったオス1匹が2日目に突然死したのである。 その原因は不明である。

 その後も、“一代目”“2代目”共に日々産卵を続けているのだが、産卵された卵の回収が困難なほどに親メダカが生まれたての卵を食べている様子である。

 そこで我が家の“クリームメダカ族”の今後益々の繁栄のためには、新たな“仲間”に頼るしかないのかと考察した私は、つい最近メダカ販売店で同種のクリームメダカの稚魚を仕入れて来たという次第である。(その水槽が“右から2番目”です。)


 ところで、どうなのだろう。
 人間においては近親相姦は種の滅亡に繋がることは医学的にも証明されている事実である。それ故に3親等以内での婚姻は法的にも禁じられている訳であるが、魚類においてもその理論が成り立つのであろうか??
 医学的知識がある私と言えども、魚類におけるその辺の生物学分野の詳細の知識には欠けている。
 今回新たに同種のクリームメダカを買い求めたのは、種の近親相姦の懸念もあってのことなのだが…


 それにしても、上記写真のごとくメダカの各代を4本に分けて別々にして飼育しているのは我が家だけなのであろうか? 一切世話をしない家族にさえも、大き目の水槽に全世代のメダカ家族をまとめたら?と言われるのだが、体の大小の差があるため弱肉強食を懸念するし、卵を取り出す作業が困難なようにも思うのだが…
 もしもこのブログ記事を“メダカ飼育”分野の専門家が見られたならば、適切なアドバイスをお願いしたい思いの原左都子である。 

 それはそうとメダカと水草の生命体が人間の核家族のごとく4本の瓶の中で世代ごとにそれぞれに存在する風景は、人間の身勝手なれど我が家のリビングにおいて実に美しい光景でもある。 
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ボディスキャナが映し出す現代社会の落とし穴

2010年07月06日 | 時事論評
 昨日(7月5日)テレビ報道にて、空港における航空機搭乗前の検査の一環として開発されつつある「ボディスキャナ」の実証実験が行われたとのニュースが流れた。

 このニュースを垣間見た原左都子の脳裏に、真っ先にあらぬ妄念が過ぎったのだ。
(「ボディスキャナ」を通して見た私のナイスボディに一瞬にして心を奪われた男性検査員から“交際して下さい!”なんて迫られたらどうしよう~、困っちゃうな~~、ウッフ~~ン♪) 

 冗談はさておくとしても、現在実証実験が行われている「ボディスキャナ」の中には一人一人の体のラインが鮮明に写し出される機能を装備している機種もあるとの報道である。 このボディラインを堪能したいがために保安検査官に応募しそうな人種が存在してもちっとも不思議でないし、検査目的を歪めてボディラインを楽しむ特殊趣味の検査官も中には出現することであろう。(私の取り越し苦労に過ぎないとも言えない現実社会の荒廃ぶりを決して否定できないぞ。)
 
 昨日私がテレビニュースにて見聞した「ボディスキャナ」機種に関しては、体の詳細のラインまではクリアではないものの、何とも艶かしい裸の人間の全身像が検査画面に映し出されているのだ。 その艶かしいまでの裸体の中に「不審物」が写し出されるという検査画像のようであった。


 現在の航空機搭乗に伴う保安検査は、以前にも増して細分化している様相である。

 この私も、国内外を問わず航空機搭乗の際に何度も保安検査にひっかかった経験がある。
 ある時は私が身に付けているベルトの金属部分が反応したらしく、「ベルトをはずしてもう一度通過し直して下さい」と検査官から指示されたことがある。(ちょっと待ってよ。このベルトを着ける位置にはこだわって自宅の鏡の前で頑張ったんだから、ここではずすと再現が困難なのに…)と思いつつも指示に従わざるを得なかったものだ。
 この春郷里に帰省した際には、腕時計が検査機に感知されたようだった。
 それから、眉毛カッターのカミソリが何度もひっかかった。 刃の部分の長さが適当で重宝していたのだが、その刃渡りの長さが基準を超えていたらしい。 検査官から廃棄処分にするかあるいは別便にするかと迫られ、一度は別便にしたものの、別便で届いたカミソリをわざわざ受取所へ取りに行くのに大いなる時間を費やしてしまい、結局それが理由で長年愛用の眉毛カッターをその後別の商品に買い換えた経験もある。
 現在では“スプレー類”が困難を極める状態である。 静電気防止スプレーが機内持ち込み禁止とのことだったが、別便にする時間の余裕がなく結局空港にて廃棄処分を余儀なくされたものである。
 上記はすべて、航空機機内でのハイジャック防止策の一環と捉えられそうである。


 原左都子の場合、まさか覚醒剤や大麻等の密輸を企てた経験は皆無である。
 今回の「ボディスキャナ」の開発及び実証実験の趣旨とは、覚醒剤や大麻等等薬物密輸の取り締まりに重点が置かれているのであろう。
 確かに禁止薬物の世界的蔓延の実態は、法の水面下をくぐる違法な空輸や海輸によってもたらされていることは揺るぎない事実であう。 そして、人類がこの種の薬物の常用を繰り返すことがいずれは世界規模での早期の人類の滅亡に繋がることに関しても、原左都子も異論はない。 その水際である空港に於いて、是が非でもその密輸入を堰き止めるのが一番有効な手段であることにも間違いない。

 ただどうしても引っかかるのは、だからと言って数多くの善良な一般市民が自己の“ボディライン”を空港の保安検査所で公開させられるという手段で、親しい人相手にさえも普段は包み隠している至って個人的な情報を見知らぬ検査員に提供してまでも、(イコール“体をはってまでも”)この取締りの水際作戦に協力せざるを得ないのか、という部分である。


 しかも、現在の航空機搭乗券とは個人の氏名や年齢等の個人情報を詳細に提供した上でしか購入できないシステムとなっている。
 今後「ボディスキャナ」の実証実験が進んだ暁には、搭乗券情報をすべて網羅した上で、上記の保安検査所を通過して“ボディライン”という至って個人色の強い個人情報までをも公開せざるを得ないシステムが構築される訳である。
 今回の成田空港における「ボディスキャナ」実証実験にたまたま出くわした旅客者の中には、「あっと言う間に終わって、抵抗なく簡単だったので良かった」などとの軽率な回答もあるようだが、これは個人情報保護、プライバシー保護上とんでもなく安易な回答であろう。

 個人情報とは必ずや漏洩するものとの認識を、今一度市民には持ってもらいたいものである。
 その意味においても、個人のボディラインが鮮明に写し出される「ボディスキャナ」の採用だけは是非共拒否したい思いの原左都子である。
 その上で、今後空港において「ボディスキャナ」を運用しようとしている立場にある事業所には、まずは社員教育を徹底し、そしてボディラインという個人のプライバシーの究極であるとも言える情報の漏洩防止に徹底的に対処できるシステムの構築に尽力して欲しいものである。

 “マイボディ”を披露できる相手なんて、一般個人にとってはほんとにほんとに一部のごく親密な相手だけなんだからね~。 いくら国際的危機管理上の要請とは言えども、そこんとこ、心しておいて欲しいな~。 
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韓流スターの死と追っかけおばさんの涙の醜態

2010年07月03日 | その他オピニオン
 先日6月30日に32歳の若さでこの世を去った韓流スター パク・ヨンハ氏の突然の自殺には、この私も少なからず驚きショックを受けた。

 私は特段韓流スターファンという訳ではない。 そんな私も「冬のソナタ」と「チャングムの誓い」の2本は一応制覇している。 夜就寝前にたまたまテレビのスイッチを入れたところ偶然再放送をしているのに出くわし、そのストーリー展開の面白さや韓流スターの皆さんの魅力に引き込まれて、その後最終回まで毎週視聴したのだ。

 「冬のソナタ」のヨン様(ペ・ヨンジュン氏)は評判通りの魅力のオーラを放っている一方、恋敵役だった(と記憶しているが)のパク・ヨンハ氏の存在感も光っていた。 男優として完璧にまでも洗練された魅力の持ち主のヨン様に比して、童顔で素朴さがあるパク氏の雰囲気には母性本能をくすぐられるような魅力があった。現在の日本の男優には感じられない一種の新鮮さをパク氏に発見したものである。
 そう感じていたところ、やはり多くの日本女性が思うところに共通点があったのか、パク氏もヨン様同様に「冬ソナ」以降、幾度も日本のファンの要望に応え来日しているようである。特にパク氏の場合、元々音楽分野においても活動しているアーティストであり、日本全国でライブツアーもしていたようである。
 今回のパク氏の自殺は、日本におけるライブツアーの途中で一旦韓国に帰国していた時に起きてしまったとの報道である。

 
 ここで私事となり恐縮だが、8月末に韓国の首都ソウルへ所用と観光を兼ねて訪れる予定の私である。 時差がなく航空便を利用すれば短時間で訪れることができるお隣の国韓国であるが、実は私にとって韓国へ旅立つのは今回が初めてである。
 お互い隣国同士でありながら過去の悲しい歴史を抱える関係上、交流が深いとは到底言えなかった両国を結びつける親善的役割を果したのは、まさに韓国ドラマの「冬ソナ」であり「チャングム」であろう。 両ドラマが文化的国際親善分野で両国の橋渡しをした偉業は“歴史的快挙”と言っても過言でないと私は捉えている。
 8月末にソウルへ行って韓流スターに会おうと志している訳ではないが、「冬ソナ」において心を揺さぶられたパク・ヨンハ氏が32歳の若さで他界してしまい、もうその地にはいない事実に“はかなさ”を掻き立てられる思いである。

 それにしても、やはり両国の文化的相違であろうか。
 韓国においては、今を煌く(あるいは直前まで煌いていた)人材の自殺が際立つように感じる。 例えば、韓国第16代大統領であったノ・ムヒョン氏も大統領退陣直後に自殺するに至っている。 あるいは人気絶頂の20代の若手女優の自殺の報道もあるし、今回のパク・ヨンハ氏にしても自国における人気は下降傾向の様子であったものの日本からのオファーは絶えておらず、アーチスト生命は今後いくらでも維持できたはずである。
 パク・ヨンハ氏の場合、自殺の原因として実父の病気に関する苦悩も報道されている。 直系尊属を敬うという歴史的文化人類学的遺産を、我が国が失いつつある実態とは比べ物にならない程に今尚継承している韓国の現状が、今回のパク氏の自殺に大いにかかわっていると考察できるのかもしれない。


 さて、話を日本の“韓流スター追っかけおばさん”(おばさんと言うよりは“婆さん”と表現した方が適切かもしれないが)に移そう。

 今となっては政権から消え去ったセレブ鳩山前首相の奥方鳩山幸氏も、ひいきの“韓流スター”を追っかけていたという報道を見聞したことがある。 私としてはさほど興味がない話題であるため詳細は把握していないが、どうやら幸氏は韓国までそのひいきのスターを追っかけて旅したと見聞している。 セレブ故にまさか“公費”を拝借した訳ではなく自費での行動であろうが、一国の首相の奥方たるもの一体何を目的にその種の目立つ行動を取ったのであろう。必ずや報道されてしまう自分の私的趣味がまさか韓国との親善に貢献できると勘違いしたのでもあるまいに…

 それにしても、昨日のパク・ヨンハ氏の出棺の様子をテレビ報道で垣間見た私は愕然としてしまった。
 日本の報道が捉えた影像はパク・ヨンハ氏の出棺よりも“パク氏追っかけおばさん”がツアーを組んで(?)この出棺式に参加して沿道で一斉に涙を流している“醜態”なのである。
 いや、自由にしていいと思いますよ。 どうしても家族も子どもも日本にさて置いて韓国に渡ってパク氏の死をお悔やみしたいのならば経済力が許す限りそうすればいいでしょう。

 それにしても、やはりこの光景は私に言わせてもらうと“異様”としか言いようがない。
 恐らく40代から70代と思しき日本女性の集団が沿道で一斉に号泣する姿に、私は一種の“フラストレーション発散”の心理を垣間見てしまうのだ。
 きっとこの女性達は普段何かに満たされていないに違いない。 その欲求不満解消の矛先として「韓流スター」に心を回避しているのであろう。 しかも、この人種とは自らの力ではその欲求不満解消が不可能であるため「集団心理」に依存してしまっている。“皆で泣けば心が晴れる”との集団心理に酔っているだけの浅はかな心理が読み取れる気がする。

 だが、どう見てもこの光景は日本にとって“恥晒し”でしかない。
 今は亡きパク・ヨンハ氏にしても韓国国民にしても、この日本高齢者女性の集団心理を自国の経済力に繋げようとも、決して“心の拠り所”には転化し得ないはずだ。 (また日本の“勘違いおばさん”がいっぱい来たね…、と思うのが関の山ではなかろうか… )
 我が身の欲求不満解消のため故の身勝手な国際親善などむしろ自粛した方が、今後の日韓両国の真の親善に繋がるのではないかと私は思うのだが…。 もう既に経済力も文化力も韓国に優位を譲っている実態を、日本の世間知らずのおばさん達は少しはわきまえて今後行動するべきであろう。
             
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