原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

国会は「ねじれ」てていいんじゃないの?

2010年07月13日 | 時事論評
 一昨日(7月11日)の参院選における民主党の敗北から2日が経過した今日、昼のテレビニュースで民主党幹部が参院選敗北要因や執行部の引責問題について語る影像が流れた。

 この種の報道を見聞させられる一国民としては、(もういいじゃないか)の思いで辟易とするばかりである。
 選挙後2日も経過して尚、選挙の敗北要因、引責問題へったくれ等の党内部のゴタゴタを国民に披露している場合ではないであろうに。 民主党が参院選に敗北して尚、菅政権を続行したいのなら尚更選挙結果を真摯に受け止め心を引き締め直して、一刻も早く通常の国政業務に戻り選挙運動中の執務の遅れを取り戻して、「政治とカネ問題」や「普天間問題」等々に正々堂々と立ち向かってはどうなのか、と言いたいのが国民感情である。


 民主党首相の菅氏によると、今回の民主党の敗因は選挙戦における自らの“消費税”の言及に関する勇み足と説明不足がもたらしたものだ、とのことのようだ。
 私論であるが、(そうじゃないよ! 民主党は国政を担う政権政党としての力量のなさ未熟さ等、もっと根源的な要因で敗北したのだ。それを国民に見抜かれていたんだよ!) と申し上げたいものである。

 国政選挙などというものは、選挙対策や直前のわずかの期間の選挙運動のみで勝てるものでは到底あってはならないはずである。
 昨夏の衆院選において国民から奇跡的とも言える大量得票を得た民主党は、真っ先にその大量得票の“根拠”を分析するべきだった。 それなのに民主党はその大量得票に有頂天になるが故に国民の真意の分析を怠り続け、その後国政運営を国民の“バブル期待”のみにすがってしまった。 その未熟さの結果こそが鳩山政権のわずか8ヶ月での退陣劇をもたらすはめとなったのだ。 鳩山氏は退陣に当たり「(我々は頑張っているのに)国民が聞く耳を持たなくなってしまった」と言い残したが、この愚かな発言こそが国民の国政を捉える確かな「目」を見据える力を総理自らが喪失していた事実を実証するものである。

 そして党首をすげかえ菅政権となった後、菅氏は国政において何の実績も国民に提示しないまま参院選に突入した。 就任直後菅総理は消費税10%を国民に言及した訳であるが、私論はこれに関して“10%の根拠”を明示して欲しく思うのみでさほどのインパクトがなかった事についてバックナンバーで公開している。 おそらく同じ思いの国民は多く存在するはずである。 今回菅氏が民主党の敗北の要因が“自らの消費税に対する言及”だと釈明している事実自体に、表立っての一政策に左右されて投票行動に出る多くの国民の“浅はかさ”を票取りに利用しようとしている政党の貧弱な魂胆を思い知らされる思いである。


 それにしても心強いのは、新党にして大いなる躍進を遂げた“みんなの党”が選挙後も「政権と連立するつもりは一切ない!」と言い切っている点である。 無党派層一国民の原左都子としては、野党各党には是非共そのようにお願いしたい思いである。 無党派層の一人として何故に苦渋の選択をしてまで政権党ではない他党に貴重な一票を投じたのかと言えば、どうしても未熟な民主党には今後のさばって欲しくない思いが強い故に他ならない。多くの反民主党派の国民も同様の思いだったのではあるまいか??
 (参考のため、原左都子は今回“みんなの党”には投票していません。) 
 そしてもっと心強いのは、“みんなの党”党首の渡辺氏が、参院選の結果野党が与党を議席数で上回った以上、参議院国会議長は野党から選出するべきと主張している点である。ごもっともであり、国会は即刻これを実現して欲しいものである。
 いや~~、さすが新党にして2桁台の議席を確保する渡辺党首は今のところ発言がブレてないね~。しかも菅さんのことを“ブレ菅”を通り越して“空き菅”だとも表現していたし。 渡辺さん、まさかすぐさま民主党と連携することはないと私は信じているが、今後民主党政権が長引くようなことがあった暁にあなたが政権と連立して閣僚の地位を確保していたならば、やはり大いに幻滅であるぞ~。


 ところで、私論は今回の「ねじれ国会」を歓迎しているのだ。

 国会において二院制をとっている先進国自体が多くないようであるし、また今後我が国においても国会議員の定数削減と平行してこの二院制自体が議論されることであろう。
 一般市民には想像もつかないごとくの高額の歳費特権を享受している国会議員の定数削減を早期に実施して欲しい思いは原左都子にも強靭なものがある。

 今回の参院選でも、残念ながら“訳のわからんタレント議員”が当選してしまっている。タレント議員にとってはやはり多額の歳費特権と名声は何とも美味しいようだ。
 今や柔道界では下火でスポンサーが得られない(?)谷亮子氏にとって、あくまでも自らの夢の五輪を今後も目指すには、この歳費特権が不可欠だったのであろうかねえ…? 辛いねえ…。
 自民党で辛うじて当選した三原じゅん子氏は、今後女優業を引退して“女性の命を守る”と言うのだけど…。 “女性の命”だけの視野しかない人間が、まさか国会議員として長く活躍できるとは本人も信じてはいないのだろうが…。その暁にはまた女優に戻るのかしらねえ~~。

 
 余談が長過ぎたが、今尚二院制を採用している国において「ねじれ国会」とはある意味で理想型であるように私には思えるのだ。
 「ねじれ国会」を正当化するために、まずは“みんなの党”の渡辺党首が主張するところの参院国会の議長を野党から選出することから始めよう。 そして、民主党が参院選前に“我が身息災”観点から“超党派にて”と主張していた議論を、今回参院選で多くの議席数を獲得した野党各党を交えて対等な立場で激論し直そう! 与党は6月国会時のように、決して野党からの要望を一切無視して国会を早期に閉会してはならないのだ。

 “みんなの党”の渡辺党首の主張は至って正論と原左都子は捉える。
 国会とは国政における最高の議論の場であり、そこで各党がとことん話し合った結果を現状で切磋琢磨しつつ国政を実行していくことこそが国の理想像であろう。

 「ねじれ国会」こそが今後の我が国の革新力となり得るのかもしれない! 
 
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