原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

無党派層が参院選結果を左右する!?

2010年07月10日 | 時事論評
 いよいよ明日(7月11日)、参院選挙が投開票される。

 今回の選挙ほど、結果の予想がつきにくい国政選挙も珍しいのではなかろうか? 
 報道によると、今回の参院選は民主党に国民新党を加えた与党の過半数獲得は困難であろうとの見方が大多数を占めているようである。(それで民主党幹事長の枝野氏が参院選前にして“みんなの党”との連携を焦ったのであろうが。)
 朝日新聞の選挙戦終盤時点(7月6・7日)の情勢調査によれば、民主党は序盤と比べて勢いを失い、選挙区、比例区合わせても40議席台にとどまる可能性があるとの分析結果である。

 民主党が“党首のすげ替え”により鳩山政権から菅政権に移行した直後の世論調査では、政権支持率は60%に達していた。 その直後の菅総理による“根拠なき消費税10%宣言”や、国民の反応に迎合するがごとくのその後の消費税に対する菅氏自身の発言のブレと曖昧化、そして党内での消費税に対する見解の混乱等が国民の不信感を招き民主党は自滅するに至ったと言える。 それを主たる要因として、菅政権発足後わずか1ヶ月足らずで国民の民主党支持率が30%台にまで低下している有り様である。 この民主党の支持率低下と平行して、国民の参院選での投票先も揺らいでいる実態なのであろう。


 昨夏の衆院選は国民の記憶に新しいと思われるが、何故に民主党があれだけの大量票を獲得したのかに関して私は今尚不可解である。 
 民主党のマニフェストや選挙対策が大いなる危険性を内在しているのを、私は選挙前から見抜いていた。 あんな安直なマニフェストが国政において通用するはずがないし、国民の真の期待に応えられるすべもないと考察していた。 片や、単なる数の論理で小沢氏が擁立した“訳のわからん”新人議員の大量当選と相成ったことに関しても、歳費特権の無駄以外の何ものでもなく国政における真の政治力とは到底成り得ないことに懸念していた。
 国家の財政危機を省みない単なる票取り目的の子ども手当て等の“カネのバラ撒き”や先だって試験的に導入された“高速道路無料化”、これらの民主党の政策に対して私論は国家財源の危機感を考慮して今尚反対派である。
 そして、私にとって予想外だったのが小沢氏や鳩山氏の「政治とカネの問題」である。小沢氏に関しては元々政治資金疑惑が顕在していたが、鳩山氏の母親からの贈与の巨額さ、そして総理の立場での「自分は豊かな家庭に育ったので贈与を把握していない」発言には仰天させられたものだ。 未だ両者共に真実の解明をうやむやにしたまま、要職から退いたとは言え民主党議員として居座っている醜態ぶりである。
 加えて、菅総理は総理に就任以降、ただの一度も「普天間問題」に触れないままである。 就任直後の沖縄における戦没者慰霊祭において「沖縄の皆さんの国際安保において果された役割に“感謝”する」とだけ述べて「普天間問題」をごまかし、沖縄県民の反発を煽っている現状である。

 鳩山政権滅亡の最大の要因であった「政治とカネの問題」と「普天間問題」を国民に忘れ去ってもらうため、上記のごとく参院選の争点として何とも無謀に「消費税10%」を持ち出して議論をすり変えたつもりの菅総理だった。 
 ところが、これが“無謀”過ぎた。 菅総理本人も民主党内も混乱して後々の醜態を晒す結果となり国民の信頼を急速に失墜するに至った。
 民主党さん、1年生政権としてあたふたするのはある程度許容してもいいが、国民を煙に巻く意図の意地汚い政策や内輪もめの醜態を晒すことは最低限回避するべきであるぞ。


 ここで表題の「無党派層」の話に移ろう。
 この原左都子も「無党派層」であることは既にバックナンバーで何度も公開している。
 政権交代直後の社会現象なのであろうが、鳩山政権が失策を披露し始めた年明け頃から国民の間で「無党派層」が増加の傾向にあるようだ。 私の記憶によると朝日新聞の最新の政党支持率調査における「無党派層」が30%台に達している現状である。
 明日の参院選においては、この「無党派層」の投票先が選挙結果の鍵となるように原左都子は考察するのだ。
 今までの「無党派層」とはおそらく“政治無関心派”であったことと捉える。 それに対して、今回の参院選における「無党派層」とは国政に対するポリシーがあるが故に投票先を絞り込めずに困惑している層ではないかと推測するのだ。
 そうなると、きっと30%を超える「無党派層」は明日の参院選に必ずや一票を投じるはずである。 参院選直前期に数多く立ち上がった新党も含めて、真に支持できる党や候補者を今、見定めいるに違いない。


 原左都子自身は、実はもう既に期日前投票を済ませている。
 「無党派層」の皆さん、貴方達の選択がきっと昨夏の衆院選における“バブル”とも表現できる“民主党への根拠なき単なる期待票”を超える大いなる力を秘めているはずと私は信じたい。  
 “一票の重み”がこれ程に実証されそうな国政選挙は、前代未聞かもしれない。
 国民の皆さん、どうか明日は参院選投票へ行って下さい。 
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