原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

福島原発汚染水問題、どう処理されようとしているか知ってる?

2019年09月29日 | 時事論評

 (写真は、左横に記載されている通り、東京電力福島第一原発の敷地内に並ぶ処理済の汚染水を保管するタンク群。 朝日新聞2019.09.26付夕刊記事より転載したもの。)

 

 「思い切って放出して、希釈するほかにあまり選択肢がないな。」 

 と、海への放出を切り出したのは前環境相の原田義昭氏が退任直前のお言葉。  原田氏は、「安全性、科学性からすれば大丈夫」とまで言及したらしい。

 大阪湾への放出を言い出す首長もいるとの事だ。

 

 早速、当該朝日新聞記事「科学 振りかざすのでなく」より続きの記載を以下に要約引用しよう。

 敷地にたまり続けるタンクの水をどうするか。 東電福島第一原発で汚染水を浄化処理した後の水の扱いが、にわかに注目を集めている。

 いくら浄化しても、水の形で存在する放射性物質トリチウムを分離するのは難しい。 トリチウム自体は世界各国の原発や再処理工場からも、濃度を管理して海に放出されている。 科学的に問題無いなら出せばいい、との声も上がる。

 しかし、これまでの経緯を振り返ると、唐突な政治家の発言には戸惑いを覚えざるを得ない。 

 他原発と違うのは、事故を起こした原発であることだ。 高濃度汚染水が流出し、実際に海洋汚染を招いた。 比較的低濃度の汚染水を意図的に海に放出し、国内外から批判を浴びた。

 原子炉建屋には今尚地下水が流れ込み続ける。 汚染水をためるタンクは際限なく増え(上記写真参照)、水漏れも相次いだ。 排水路からの汚染雨水流出を東電が公表しなかったことも問題になった。 (中略) 

 トリチウムを含む水の扱いを検討する経済産業省の小委員会が始まったのは3年前。 しかし1年前、浄化した水の8割超で、他の放射性物質が放水基準を超えて残っていたことが明るみに出た。  (中略)  3年後にタンクが満杯になる見通しを表明した今年8月の小委でも、東電は残る土地の全体像を示さず批判を浴びた。 (中略)

 限られた委員の議論に委ね、お墨付きを得るこの国の旧来の進め方にも限界が見える。 政治家が汗をかくべきは、社会全体が前提となる情報を十分に共有し、地道な議論を元に合意を目指せる枠組みと時間をつくりだすことではないか。

 (以上、朝日新聞記事より途中略しつつ引用したもの。)

 

 私論でまとめよう。

 東日本大震災・福島第一原発事故は発生から8年半が経過した今に至って、未だ何ら解決がなされていない厳しい現状を思い知らされる。 

 この“タンク映像”はニュース報道等を通して幾度となく見てきたが、その都度先の見えない原発事故の後処理問題に絶望感すら抱かされてきた。

 それでも安倍晋三氏は高らかに「福島安全宣言」をして、国際五輪委員会へカネまで配り、2020東京五輪開催を力づくでもぎ取った。  安全宣言をしたのならば、少なくとも2020年までに少しでも汚染水処理等を我が事として捉え、その解決策に少しは尽力すればよかったものを…

 閣僚どもも、どうしたと言いたいんだ??

 その処理の現状を問われて唐突に無責任発言を繰り返す始末。 「海に流しても大丈夫」だって?!  現地漁師皆さんの苦悩を推し量ってものを言っているのか?!?

 あるいは、これがために韓国との貿易問題の火種の元のひとつになっている現実を如何に捉えているのか?!

 

 私事を述べると、私は元医学関係者であり業務上放射性同位元素を取り扱った時期もあった。 40歳時に皮膚癌に罹患した際、あの時、放射性同位元素に触れたがために今になって予期せぬ癌に罹患してしまったのだろうか?と考察したものだ。

 (参考だが、その後の我が再考察によれば、癌罹患部が頭頂部皮膚だったことを勘案するならば、同じく医学研究の一端として、無菌作業中に頭部に紫外線が常時当たっていた事実こそがその原因であろうと結論付けている。 当時の医学研究現場に於ける放射性同位元素や紫外線の取り扱いは、未だ時代背景的に至ってずさんだったと言えるであろう。 今では、医学研究分野もそれらの取り扱いに関して目覚ましい進化を遂げている事と信じたい。)

 話題が私事にずれてしまったことをお詫びする…

 

 最後に、現環境大臣の小泉進次郎さんへ。

 貴方は先だって開催された「環境国際会議」にて、とんでもなく“すべった発言”を世界中に披露してしまったようだが。

 そんな事では貴方の事を“目の上のたんこぶ”と捉え、潰したい意向の安倍氏の“かも”と成り下がるだけだよ。

 環境大臣としてきちんと勉強してから国際会議に臨むべきだったのに、実に残念だ…