原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

今時の大学医学部附属病院病棟レポート

2015年04月23日 | 医学・医療・介護
 我が身内が先週大学附属病院に入院し4月20日に手術を受けた関係で、ここのところ日々病院通いにて身内のフォローに当たっている立場だ。

 それ故、現時点の原左都子の興味・関心視点がどうしても当該病院内光景に向かざるを得ない状況下にある。


 私自身が遠い過去に於いて国立大学医学部(パラメディカル分野)に在籍していたため、大学附属病院にて実習を強制される身にあった。
 元々医学になど一切興味がないのに、親から(単に郷里に残れ!との理由で)この進路を強制された私だ。 それ故(特に患者様達には実に失礼な話だが)、当時日々の病院実習に大いなる違和感を抱きつつ、私にとっては無駄とも表現可能な煮え切れない日々だった記憶しかない。
 病院独特のあの特殊な匂い…。 種々雑多な患者氏達が訪れるのみで何らのポリシーも抱けない、ただ単に混雑している病院内の風景…。  それら社会的弱者であられる患者氏達に対し、対等な立場で医療に臨んでいるとは到底思えない大学病院職員側の横柄な対応、等々…  すべての光景が私の脳裏に“無機質感”“虚無感”を抱かせる事態だった。
 そんな私は、自らの就職先として決して我が趣味範疇ではない“病院臨床現場”など断固として避け通した。 そして新卒就職先には自ら民間企業を選択し、上京後私なりの医学経験を重ねて来ている。

 月日が経過し、我が子を産んだ直後ともいえる40歳時に私の体内に癌が発見された。
 その時癌摘出手術のためお世話になったのが、(実に偶然だが)亭主が先だっての4月20日に手術を受け現在入院中の病院である話題は、一昨日当エッセイ集にて公開済みだ。


 さて、それでは私自身が当該大学病院に20年前に入院し癌摘出手術を受けた立場として、現在の病棟内が如何に変遷しているかに関し、以下にレポートしよう。

 当該大学病院にて私が手術入院した時点の印象とは、直に対応してくれる医師団、及び看護師(当時は未だ看護婦との名称だった)が実に懇切丁寧かつ優しく対応してくれた事を記憶している。
 
 その一因をここで考察するならば、特に当時の看護婦達とは皆が白いワンピース姿(現在歪んだコスプレにて人気のごとく…)に加え、頭にハットを付けていた。 そのコスチューム自体が患者達に“優しさ”や“美人度”なる心理的和み感を煽っていた時代背景だったのではあるまいか?? 
 当時40歳だった私とて例外ではない。 そんな美人かつ若き看護師氏達が病室を訪れ「体調は如何ですか?」なる声掛けをして下さるのみで、女の立場でも病状が回復する思いだったものだ。
 
 時を現在に移そう。
 看護師もズボン着用のセパレートユニフォームが常識と相成っている現状だ。これは時代の趨勢であり職業着として進化した事実に関しては私も重々ガッテンである。  しかも、ほとんどの看護師氏が常にマスクを着用している。
 職業人としての看護師氏の未来発展を願うならば、これぞ理想のユニフォーム姿である事に間違いない。
 一方で、不謹慎ながらも必然的に“美人度”が低下し、入院患者側の期待からは遠く離れ、病状回復を遅らせる予感も邪心ながら抱いてしまう…。


 次に医師達に関する私見を述べよう。

 当該大学病院は某私立大学附属である。
 4年程前に私が娘を大学に進学させる時点で、様々な私立大学の学費の程を調査した経験がある。 そのうち当該私立大学医学進学過程へ子供を入学させるためには、在学6年間で最低限5000万円也!の学費が必要な事実を私は把握している。
  
 そうかそうか、この病院内で若気の至りの立場で蔓延っている医師達(研修医も含め)はすべてその金額の恩恵を受けた後に、この病院に就職しているのか…??
 (ただそうでもない事実も把握している。 大学医学部幹部教授陣とはたとえ私立であれ、実務及び研究業績を積んだ人物を外部より招いているものだ。 もちろん生え抜き優秀者もおられるであろうが。)

 まあそれにしても、どう見ても大学内部の特に若き医師どもが、うだうだと病棟内を闊歩している姿に辟易とさせらる…  エレベータ内で公然と私事をくっちゃべり合う医師連中にも出会った…
 あんたたちねえ、まだ研修の身(?)だとしたら、廊下やエレベーター等で出会う患者さん達に挨拶でもしたらどうなの??  少なくとも、その“うだうだ歩き”は病棟内では慎みなさい。  患者家族の身としては、病院内でヤクザにでも遭った気分にしかならないってものよ。 


 もちろん、貴方達が今後成長した暁には立派な医師として活躍するであろう事に期待しているよ。 
 ただやはり、現況下の医療業界に於ける「三角ミラミッド」構造とは、各医学分野職員の実力に関わらず医師こそトップに君臨する事実が今尚揺るぎない現状だよね。

 それが証拠に、いつ何時我が亭主の病状に関し病室を訪れる看護師氏に質問しても、「医師に伝えておきますので後で担当医ご確認下さい」なる返答しか返されない現状だ。
 パラメディカル職員達を僕にその頂点に君臨している医師達が、患者やその家族達で溢れている病棟内を“ヤクザもどきに集団でうだうだと”闊歩してどうするの?!?

 少しは医療業界「ピラミッド頂点」を将来担うべく医師としてプライドを持ち、少なくとも病棟内で出会う患者達に毅然とした態度で挨拶(一言掛ける)等のキャパを発揮しても将来的に損はなかろうに…