原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

高額所得者への課税をもっと強化しよう!

2012年07月16日 | 時事論評
 原左都子が今回の記事の議論の対象としたい「高額所得者」とは、民主党政権交代後初代首相として君臨したにもかかわらず、わずか1年足らずで“政治とカネ”等の問題により退任を与儀なくされた 鳩山由紀夫氏 レベルの高額所得者を指す。

 もちろん、“それ以下ランクで庶民よりちょっと上程度”(庶民にとってその暮らしぶりがある程度想像可能、且つややもすると一転して貧困層に崩れ落ちそうなレベル)の“一見”「高額所得者」層に関しても、今後その所得に応じた課税の程を私なりに検証したい思いも山々ではある。
 そのランクの考察は次回以降に回すとして、今回は(私のような一般人にとってその暮らしの様子が想像が付かない程の)ケタ違いの高額所得者に関して論じる趣旨である。


 先だって民主党政権離党届を提出し、既に新党結成を表明している 小沢一郎氏 率いるグループの意向や今後の動きに関しては、その是非や賛否の程はともかく、国民にもある程度“分かり易い”現象と言えよう。
 一方、その小沢氏のバックアップにより劇的政権交代を果した当初の首相として任命され、あくまでも小沢氏に迎合するかの行動を取っていた鳩山氏の現在の意向の程が理解しにくい。

 民主党は7月9日の臨時常任幹事会で、消費税増税法案造反者の処分を正式に決定した。
 鳩山氏に関しては、当初6ヶ月の党員資格停止処分だったところ、3ヶ月に軽減された模様だ。 鳩山氏の処分案への反発が鳩山グループ議員に拡大していることを受け、今後内閣不信任決議案への同調や離党を阻止しようとの野田政権幹部の魂胆であるようだ。
 民主党政権の寿命も後どれ程かとの思いを抱かされる昨今においては、党内部の茶番劇がどう展開しようがさほどの興味をそそられなくなっている私である。
 それにしても鳩山氏は首相退任時に、「政界を引退する」と公言したはずなのに…


 そんな鳩山由紀夫氏が小沢氏離党のこの期に及んで尚、政治家の椅子にしがみつく醜態を観察しつつ、原左都子は思うことがある。
 庶民が想像不能なごとくの超リッチ族にして、やはり世間との繋がりとは自身にとって欠かせない生きる力であり、たとえバッシングであれ外野からその刺激を得たいのか……  などと、少し哀れさすら漂わせて尚政権内で生き延びようとする鳩山氏の姿を分析する私である…

 7月2日付朝日新聞一面によると、鳩山兄弟(民主党の由紀夫氏と現在無所属の邦夫氏)は2011年度も相変わらず母親から、それぞれ約42億円の贈与を受けたことが分かったとの報道である。
 これが叩かれて首相を退任に追い込まれた由紀夫氏であるため、当然ながら今年はそれに相応する贈与税は既に納めているようだ。
 邦夫氏の談話によると今年国税庁に納めた贈与税は「贈与財産の半分」とのようだが、原左都子が単純計算すると21億円也。  要するに、手元にまだ21億円が残る計算だ!
 鳩山一族の親族関係に関してはご存知の方も多いであろうが、兄弟の母親である安子氏は ㈱ブリヂストン創業者の娘であられ、父親の遺産を引継いだ様子だ。 片や政治家ご両人の父であられる安子氏の夫 鳩山威一郎元外相が死去した際にも総額152億円の遺産を安子氏は子どもと共に相続したのに加え、約50億円と評価された東京の土地も安子氏所有との事らしい。 さらには、北海道や福岡にも巨額の資産物件を有している一族であるようだ。


 少し話題を変えて、同じく朝日新聞7月5日付記事を紹介しよう。
 「もっと私に課税してくれ」 との記事の表題のごとく叫ぶのは、米国ニューヨークに居住する超リッチ層24歳の男性である。
 ハーゲン氏と名乗る上記男性が、自分が“お金持ち”だと意識したのは遅ればせながらも高校生の時だったらしい。 
 当時のブッシュ政権が富裕層への減税を報じていた時、「こんなの不公平!」とハーゲン氏が家庭内で意義を唱えたところ、母から「我が家も富裕層よ」と言われて初めて自分が富裕層と自覚したとの事だ。
 (原左都子の独り言だが、何だかハーゲン氏の思いが分かる気がする。 庶民にとってケタ違いの富裕層とは、そんな事普段まったく意識していないのだろうねえ。 それに引き換え、ほんのちょっとの富裕層や“成り上がり人種”って、それを庶民相手に公言したがる存在だからすぐバレるよね…) 
 ハーゲン氏の話に戻すと、富裕層とは“富の独占”に無自覚な人が少なくないと感じるとの談話だ。 そして氏は次のように言う。「恵まれて育ったのだから、税金で社会に貢献するのは当然です。」
 原左都子の私論に移るが、ハーゲン氏はまだ24歳と若い世代故に純粋にもそう感じるのかと捉えた上で、、富裕層の立場でのそのような感覚を大事にしつつ今後米国の発展に貢献して欲しい思いだ。 


 最後に私論を展開したいものの、鳩山由紀夫・邦夫兄弟とは父親の後を継いで容易に国会議員になどなってしまったがために“超リッチ族”にしてドロドロした庶民の世界を知り過ぎたのではなかろうか、などと老婆心ながら同情したりもする。

 この鳩山兄弟がそんなドロドロ人生を今後に至って楽しみたいが故に今現在も政治家を続行しているとして、ご本人達はそれで済むのだろう。
 一方、貴方達が所属する国家の財源のために、今後消費税を増額されてまでも庶民の生活が脅かされる事実が、真の庶民にとって迷惑極まりない実態である事も少しは認識して欲しい思いだ。
 同じく自民党の元首相であられる麻生太郎さんも“超リッチ族”のご出身のようだが、あの方は今何をしておられるのだろう???


 上記を考察しつつ原左都子の私論をまとめよう。

 結局、人間とは一生に於いて社会的存在でしかあり得ないのだ。
 それが“超リッチ層”であろうが、“中途半端な富裕層”であろうが“バリバリ貧民層”であろうが皆そうなのである。
 そんな社会で皆がそれぞれにもがきつつこの世は成り立っているのだ。

 そうだとすると、一番お金持である“超リッチ層”の方々。 その余り余った所得の使い道がご自身の能力内でとりあえず思い浮かばないのならば、ここは思い切って今まで以上に税金として社会に還元しては如何か?
 そうする事により、社会の中で生き延びたい貴方達にとってより刺激的な反応カムバックがもたらされる事間違いないと、私は考えるのだけど…