原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

ピアノ騒音、どう対処していますか?

2010年11月23日 | 音楽
 近頃のピアノは大きさがコンパクトになっているにもかかわらず、音色がいいらしいことを新聞一面広告で発見した。
 その新聞広告によると、国内楽器メーカー ヤマハ の新開発アップライトピアノは高さが113cmとのことらしい。 私が認識している旧来のピアノの高さはおそらく140~150cm程ではないかと思うのだが、アコースティックピアノにして音質を向上させ、尚かつ大きさ面における技術革新は目覚ましいものがあるのを実感する。
 さて、その価格は??  残念ながら広告には記載がないため価格は不明である。


 幼少の頃より音楽好きの私であるにもかかわらず、(親の不覚の致すところにより)ピアノを習い損ねている。 
 中学校でブラスバンド部に所属していた時、周囲の部員達のほどんどがピアノを経験していた。 その部員達が幼少の頃よりのピアノを通しての音楽経験に基づきブラスバンド部においてさらなる楽器に挑戦していることを悟った私は、 (音楽の出発点はピアノであるのに、何でうちの親は自分の娘が音楽の才能が豊かな??ことに気付かず、私にピアノを習わせるという発想が湧かなかったのだろう?)と、一種“恨み”にも似た感情を抱いたものである。
 その“恨み感情”をいつ頃だったか、親にぶつけた事がある。 
 そうしたところ、「申し訳なかった。あなたが今からピアノを習うのは手遅れだろうしその時間も取れないだろうから、必ずやあなたが将来産む子どものピアノ費用は我々が負担する。」 との親からの“降服条件”を取り付けていた私である。


 時が流れるのは早いものだ。 高齢出産の私が産んだ子どもがピアノ適齢期に達するまでには数十年の年月が流れているはずなのに、上記の約束のみは私と親との間でキラキラと輝き続けていたのである。

 相変わらず音楽好きな私は、我が子が2歳時点で既にヤマハ音楽教室の門戸をたたいている。 だが、2歳でピアノを習うのは時期尚早とのヤマハの説明に合意し、とりあえずは「音のゆうえんち」と称した小集団で親子共々音楽を楽しみながら遊ぶ教室を経験している。
 我が子が4歳になった時点で、いよいよヤマハでピアノ個人レッスンをすることに相成った。


 さて肝心のピアノであるが、実は我が身内が幼少の頃よりピアノを習っていてそのピアノが何十年も経過した今、身内の実家に燦然と存在していたのである! それに目敏く“つばをつけた”私は、義母に早くも交渉したのだ。 「あの…、もしよろしければあのピアノを我が娘にお譲りいただけませんか?」
 それに応えた義母曰く 「こんな“おんぼろピアノ”でよかったら喜んで差し上げるけど、今時もっといいピアノがいくらでも売ってるでしょ??」

 ここで、この“おんぼろピアノ”について私の分かる範囲で解説しよう。 
 実はこのピアノは“ETERNA“とのブランドの、今はなき国内メーカーが制作した希少なピアノだったのである。 そのメーカーは昭和44年にヤマハに経営吸収されたものの、今現在尚その音色のすばらしさが一部のピアノファンの間で高い評価を得ているとの話も見聞する。
 何故にこの種の希少価値ピアノを我が身内の実家が購入に至ったのかというと、たまたま身内の実家が経営するアパートに某交響楽団の楽員が住んでいたらしく、身内がその楽員にピアノを習い、その人物が推奨するピアノが“ETERNA”であったためにそれを購入したとのいきさつらしいのだ。

 そんな“希少価値”のピアノを身内の実家から無償にてゲットしたものの、集合住宅である我が家に設置したことが“不幸の始まり”だったのだ。
 そのピアノの音色がすばらしいばかりに (いえいえ決してそうではなく我が子の奏でるピアノ音が雑音の範疇を超えていないから故に)、 周辺住居への騒音迷惑は相当のものだったようだ。 その実態に素早く気付いた私は、頭を悩ませた挙句、ピアノを買い換える決断をしたのだ。
 そして、当時流行っていたサイレントピアノ(これとて当時数十万円程の出費だったのだが)を購入する計画を立て、我が親に約束通りの資金援助をしてもらったのである。 ところがその当時“ETERNA”ピアノという代物が世に名立たる希少価値を誇っていいることを私も身内もまったく心得ず、何と!引き取り費用として5万円程を出費して撤去してもらったのである…。
 しかももっと不幸なことに、我が子がその後まもなくピアノを辞める結果となったのだ…   (やめるならば、“ETERNA”ピアノをそのまま我が家に温存しておけばよかったのに… と思ってみても後の祭りである。 今となっては我がリビングの片隅に、滅多に弾かれることのないサイレントピアノと私が若かりし頃に購入した時代物の“電子オルガン”が寒々と存在しているのみである…)


 そんな我が家であるが、さらに不幸なことに、実は現在の集合住宅において下層の住民の“ピアノ騒音”に悩まされている実情なのだ。 
 我が家の場合、過去におけるピアノ騒音の“加害者”としての教訓が活きていることもあり、娘がピアノを辞めた暁には私の趣味の“電子オルガン”もヘッドホン利用でずっと我慢してきている。
 現在の集合住宅の管理組合を通して我が家以外の住民の皆さんからも再三騒音等につき配慮を促しているにもかかわらず、どうしてもピアノを弾き続ける下層住民が存在するのが実情である。

 大都会の集合住宅における“騒音被害(加害)者”の例外ではないことを私も日々心得え続けているが、この種の騒音に対し、集合住宅にお住まいの皆さんはどのように対処されているのだろうか?
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