原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

子供の学習における電子辞書使用の是非

2010年11月25日 | 教育・学校
 少し以前まで、子供の学習に電子辞書を使用することに関してその“弊害”が語られていたように記憶している。
 その後これ程までに電子辞書が普及した今、学習現場においてその使用の是非につき議論されることは既になくなったのだろうか?


 ここで我が家の実態を語ると、娘が高2になっている現在、学習に電子辞書を使用 「している」 。
 早くから電子辞書に飛びついた訳ではなく、小学生の頃はもちろん書籍の辞書を使用させていた。 中学生に進級した時、身内の推奨で多機能満載の電子辞書を買い与えたのだが、子ども本人がおそらくキーボード操作文字入力が面倒等電子辞書に使い慣れないことと、学校指定の書籍辞書を購入したこともあり、しばらくその電子辞書は専ら私専用となっていた。
 娘が高校に進学して以降は、パソコン学習を通してキーボード文字入力にもすっかり慣れたのか、毎日電子辞書を通学鞄に入れて登校している様子を見ると、今や教科を問わず電子辞書に頼る学習形態を採っているようだ。


 原左都子自身は、もちろんのこと電子辞書愛用派である。 一旦これに慣れると、もう書籍辞書を書棚から引っ張り出す行為自体が面倒な思いだ。 私の電子辞書には掲載されていない「医学」や「六法」関連等を調べるためたまに書籍事典を取り出してみるが、(何でこんなに文字が小さいの??)と、今さらながら自分の老眼の進み具合に愕然とさせられるのみである…。

 ただ、そんな私も書籍辞書の利点は過去における学習において把握できているため、我が子にはたまには書籍辞書を紐解いてみるよう指南している。
 辞書に限らず書籍の最大のメリットとは、その“一覧性”にあるであろう。 情報を得たい該当項目のみならず周辺情報までが同時に一覧できるのが書籍の最大の特徴と捉える。
 片や、パソコンや携帯そして電子辞書は、二次元ディスプレイの制約によりこの“一覧”がどうしても叶わない。 パソコンの場合、画面を重ねていくことは可能であるが、複数項目を並べて一覧する事は不能であることに、どうしてもまどろっこしさを感じざるを得ない私なのだ。 
 (もしかしたら、時代は私の想像以上に進化していて“一覧機能”のあるデータ処理装置が既に開発されているのだろうか? 3Dテレビはここでは置いといても、例えば新機能携帯電話の中には、本のごとくページをめくれる機種もあることは承知しているのだが…。 ただ、それでもあの狭い画面で複数のページを同時に見ることは不可能なんでしょ??)


 話が変わるが、我が娘幼少の頃より“お抱え家庭教師”として君臨している私は、現在娘の大学受験勉強の一部を陰でこっそり手伝っている。 既に自主学習力が十分身に付いている娘の主体性を尊重して、しばらく娘の学習に関しては疑問質問に答えるのみだった“サリバン先生”である原左都子が、娘の大学受験勉強のフォローを再び始めることに相成ったのには事情があるのだ。
 我が娘が芸術系大学進学を目指していることについては既に公開しているが、芸術系を目指す場合、その実技力の習得に相当の時間を要するのである。 日々美大予備校からの帰りが夜9時になる娘が、帰宅して後深夜まで学校の宿題に取り組む姿を目の当たりにして忍びない思いの私は、昼間学科受験勉強の補助をすることを申し出たのである。 (読者の皆さん、これを過保護だとどうか責めないで下さいね。 何分娘が多少の事情を抱えていることを承知の上で“世を真っ当に渡らせよう!”との鬼母である原左都子の指導の下で、幼少の頃より何事にも並々ならぬ努力を重ねている娘の頑張りを私なりに応援してやりたいのだ。 そして、親としてはやはり子どもの健康維持を最優先することが先決問題でもあるし…)

 私が娘に申し出たフォローとは、受験英語長文読解の“単語調べ”である。
 自分で単語を調べてこそ英語力が付くことも、当然ながら我が人生において幾度も大学受験や大学院受験等を繰り返した原左都子とて重々承知の上なのであるが、我が娘は何分持って生まれた事情故に何をこなすにもスローペースで、結果として人より“絶対時間が少ない”ことをご理解願えたら幸いである。

 ここで活躍するのが電子辞書である。 
 当然ながら私が若かりし時代にはこんな長物はなく、専ら書籍辞書に頼っていたものだ。 英単語調べとは正直言って“しんどい”作業だった。 私の過去の度重なる受験勉強において一番時間を要したのが英単語辞書調べであったと言っても過言ではない。 もちろん、「出る単」(森一郎著「受験に出る英単語」)等で英単語を学習、記憶する作業も平行しているのだが、実際の英文長文読解学習においては分からない単語を一語一語丹念に辞書で調べるしか方法がなかったものだ。

 その点、電子辞書の威力とは凄い!のだ。
 あっという間に単語調べが片付いてしまう。 (ディスプレイの文字も大きくて年寄りにも親切だしね!)
 同単語の動詞形、形容詞形、副詞形等関連単語もディスプレイの上下に表示されているし、ある程度の一覧学習も可能なのかもしれない。
 ただし、もしかしたらそれは過去において英単語を何度もマスターしている私が電子辞書を使っている故にこれ程簡単に感じるだけの話なのだろうか…?


 それでも、私が昼間娘のために電子辞書を用いて手作りしておいた「英単語帳」に頼って、今まで多少敬遠していた英語長文読解に積極的に取り組んでいる我が娘である。
 この「手作り英単語帳」を用いて、親子単語合戦をしたりして楽しんでいる我が親子でもある。 当然ながら今は私が大勝しているのだが、そのうち娘が逆転してくれることに期待しつつ本日も娘の長文読解課題の英単語を電子辞書で調べた私だ。

 そんな我が家の場合は、子供の学習に電子辞書を使用することは「是」であると結論付けたい原左都子である。 
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