原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

受験生は神様です!? (その2)

2008年01月24日 | 教育・学校
 前回の記事「受験生は神様です!?(その1)」の続きです。 お時間がありましたら(その1)からお読みいただけると幸いです。


 さて、感傷的にはなってはいられない。受験は続く。気持ちの入れ替えが肝要だ。親がめそめそしていたのでは、子どもが気持ちを切り替えられるはずかない。
 今日落ちていたことよりも、明日頑張ることを子どもに伝えねば。冷たい大雨に降られながら電車を乗り換える毎に、母の私は自分の気持ちをリセットしつつ家路を急いだ。明日の朝も早い。

 そして、2月2日。私立中学受験2日目。今度は第二志望校の1回目の受験だ。
 昨日の大雨とは打ってかわって快晴。雨上がりの早朝の街がキラキラ輝いて見える。何だか気持ちまでリフレッシュするような気分、いい予感がする。

 またまた電車を乗り継いで第二志望校へ向かう。
 校門前では案の定塾業界が横に一列整列し、「おはようございます!」の連呼である。もう手馴れたものである。(はいはい、塾の方々ね。)と軽く頭を下げつつ校門を入る。

 さて、今回の受験シリーズ記事にはご覧のように「受験生は神様です!?」との表題を掲げたが、いよいよその理由について語れる時が来た。実はこの第二志望校、まさに「受験生は神様です!」対応が徹底しているのである。その徹底ぶりには学校説明会時から感心するやら驚くやらなのである。客商売業界でもこれだけスマートな対応はできないと思うほどその対応の仕方が洗練されているのだ。

 校門を入るや否や担当教員が数人待ち構えている。そして受験生一組ずつ受付までご案内である。挨拶だけではなく必ずもう一言かけて下さる。例えば「今日は天気に恵まれてよかったですね。」等々…。そして受付では整理券が配布され、また別の担当教員が一組ずつ控え室までご案内である。同じく挨拶に加え一声掛けて下さる。 この学校、いつ訪ねても館内はピカピカに磨かれており、全館冷暖房完備で設備面でもとにかく快適である。 広い特別教室を控え室として設営しているのであるが、昨日とは対照的にゆったりと席が用意されており、お茶のサービスもある。十分リラックスできる環境の中、親子で受験開始を待っていると、整理券の番号順に受験生は受験会場へ移動となる。到着した順を尊重し公平を期し、また混乱も避けるために整理番号制を採用しているのだ。 保護者はそのままその控え室で待機となる訳であるが、子どもが座っていた席が空席となるためゆったりしている。私は用意してきた税理士試験勉強に集中できる環境の中勉強に励んでいると、学校長自らが挨拶に来る。そして、昨日(2月1日、第一日)の受験者数、合格者数等ホットな情報を伝えて下さるのだ。これは大変参考になる。
 そして、子どもの受験中に保護者には受験問題用紙が1枚ずつ手渡されるため、じっくりと検討できる。 昨日同様、我が子の出来具合を採点してみる。うん、手応えあり!! これはいけてる!! 軽く合格最低点を上回っている。 面接で黙り込みさえしなければ大丈夫だ! 私は子どもの受験中に既に合格を確信した。
 受験を終えた子どもが控え室へ戻ってくる。やはり表情がいい。開口一番、私は子どもに「○○ちゃん、出来たでしょ。合格だね。」と褒め称えた。本人は「国語がちょっと…」言うが、「いや、大丈夫」とねぎらう。
 この第二志望校は当日午後3時合格発表とスピード処理のため、学校で発表まで待機することにする。控え室をそのまま“お茶付き”で待機室として利用可能である。その間、子どもには明日の第一志望校2回目受験に備え勉強をさせる。
 そして、合格発表。この学校は受験者一人ひとりに合格(不合格)通知を手渡し発表の方式を採用している。 3時前に並んで待つ。合格を確信しているとは言え、やはり落ち着かない。既に通知を手にした親子が悲喜こもごもの表情で帰っていく。 いよいよ順番が回ってきて通知を手にする。合格の場合は入学手続き書類等が同封されているためかさばっているはずだ。 手渡された封筒はずっしり重い! 「人がいない所で開けよう。」と子どもに言って洗面所の前まで移動する。そしていよいよ開封!

 入っていた。間違いなく“合格”通知が!
 
 何度も書くが、今回の子どもの受験指導は母の私が主に担当してきている。この1年の親子の格闘が私の頭の中を走馬灯のように駆け巡る。 感極まって涙が止められない、どうしても。 泣ける、泣ける…。 傍らで子どもが戸惑う中、私の目からは涙があふれ出るばかり…。

 あ~、みっともないなあ。涙目と鼻水たらたらのしわくちゃ顔で学校を後にした。 
 やっと、携帯がかけられる。 家族と、心配してくれている祖父母に携帯で“合格”を告げながら家路に着いた。
 
 我が子よ、感動を本当にありがとう。 あの日の感動を母は一生忘れないよ!
    


まだまだ続きます。「受験生は神様です!?(その3)」も是非ご覧下さいね!!
 
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