「ですね…」
「それじゃ、また何かあれば声をかけますから、それまでは捜査を続けて下さい」
手羽崎管理官が消えると、口橋と鴫田だけになった。辺りにバタバタ動く人の姿はあるが、二人に声をかける者は他にいない。
「捜査を続けるといっても、ミイラが消えてちゃ、埒(らち)があきませんよね」
「ああ、仏さんが消えた捜査は俺も初めてだ、ははは…」
「笑いごとじゃないですよ、口さん」
「いや、すまん…」
「それにしても五体のミイラ、どこへ消えちまったんでしょうね」
「たぶん今頃、署長が公安に駆け込んでるとは思うんだが…」
「来年の本庁帰還がかかってますからね…」
「それも、いいポストにな」
「解決しなけりゃ、どうなるんでしょうね?」
「そりゃお前、決まってるじゃねぇ~か」
「と、言いますと?」
「鳴かず飛ばずさっ!」
「鳩だけに・・ですか?」
「ははは…まあ、そうなるだろうな。来年、もう一年、煎餅を齧りながらよろしくっ! ってな」
「ははは…そうなりますか」
二人は賑(にぎ)やかに呵(わら)い合った。^^
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