6月25日(月曜日)
この時期になると毎年のように、とんちの一休禅師ゆかりの寺として知られている酬恩庵一休寺へ”沙羅双樹の花”を見に行っている。
普通花を見に行くと言えば、咲いている花を見るのだが、沙羅双樹(ナツツバキ)は落ちている花を見るのが目的だ。
プールで泳いだ後、「 酬恩庵一休寺」 へ行った。プールから車で10分もかからない近場にある。広い駐車場に一台しか駐車していない。秋であれば沢山の観光客が訪れるが、この時期はヒマのようだ。駐車料金300円、拝観料500円を払い境内の沙羅双樹の樹のある所へ行った。白い花がポツリ、ポツリとコケの上に落ちている。
例年であれば、それこそ樹の周りグルリに花が落ちているが、今年はこれからのようだ。
毎年新聞報道で、「散る花見ごろ」を知り行っているが、今年はまだ報道されていない。今週には間違いなく報道されるはず。
平家一門の興亡を描いた『平家物語』の冒頭で、「祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり,沙羅双樹の花の色,盛者必滅の理をあらはす」という一節がある。
『諸行無常』はこの世の無常観で、すなわち永遠に変化しないものはないこと、人の世の変わり易さを表現する際に用いられる言葉である。「沙羅双樹(ナツツバキ)は、朝に咲いて夕方に落花する姿が、世の無常を感じさせる」がこの花の売りだが、落ちた花を見てまだ世の無常を感じるまでにはいたっていない。「昨日は済んだ。明日はまだ来ない。今を大切に」と晩年の一休禅師は説いた。皆さん今を大切にですぞ。
境内を散策すると、アジサイ、スイレンが咲いている。
何と言っても梅雨時期のコケは美しいね。
最後は方丈へ入り、縁に座って枯山水の庭を眺める。
誰もいないので、贅沢な貸切だ。貴女が横にいれば、きっと舞い上がることだろう。お前さんは凧か?「YES!」