《・・脳医学の権威として著名な、東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授に
「健脳法」についてお話をお伺いしました。
誰でもカンタン、いますぐ応用できる瀧先生直伝の「健脳6か条」は、
認知症の予防にも効果的。
「脳の研究は、現代の医学でも最も注目されている分野で、
日々世界中の医学者たちが膨大な論文を発表しています。
私はこれまでに16万人の脳画像を読影、解析して、認知症や加齢の影響を調べてきました。
5歳のお子さんから80歳を超える高齢者まで、MRIを用いた三次元の脳画像を集め、
莫大なデータの中から認知症をはじめとした様々な病気との関連を研究してきました。
今回は、そんな私の知見と、最新の論文で明らかになった「脳を健康にする6か条」について、
お話ししたいと思います。
まず第1条が「有酸素運動の習慣化」。
こう言うと引いたり身構えたりしてしまう方が多いのですが、ゆるい運動で構いません!
むしろ、ゆるい運動を私は推奨します。
どんな運動でもやらないよりは、やったほうが確実に脳によいことが証明されているから。
「健脳」の観点に立てば、散歩も立派な運動です。
エスカレーターではなく、階段を使うとか、慣れてきたら一段飛びで昇ってみるとか、
日常生活の中で、ゆるい運動を心がけるだけでも、脳は活性化されることが証明されています。
具体的に何が起きるかと言うと、【海馬】という記憶を司る部位が活発に動き、
記憶力を高めてくれるんです。
また、海馬の隣にある「扁桃体」という部位の過活動を抑え、
ストレスの軽減に効果があります。
海馬は、人間の生存に欠かせない部位であり、
脳の中で唯一『何歳になっても、新しく脳細胞が作られ続ける』という特徴がります。
この一事でも、いかに海馬が人間にとって不可欠な機能を与えられているかが
おわかりいただけるかと思います。
そして、辛くない程度の運動でも、海馬は喜んで強くなってくれる、
ということも覚えておいてください」
まずは歩くこと。
慣れてきたら、早歩きなど少し汗ばむ程度の運動を習慣化することが大事とのこと。
習慣化してしまえば、あとは脳が無意識のオートメーションで、脳があなたを運動へと促します。
これが瀧先生が言う「正のスパイラル」。
そのためにも、まずはゆるい運動から始めましょう。
「第2条は【趣味を持つ】です。
人間の脳に与えられている最も刺激的な機能は、「可塑性」だと私は考えています。
可塑性とは、グニャグニャと曲がったり形を変えたりする性質のこと。
コンクリートのように一度固まったら、固定されてしまうのではなく、
何歳になっても、新しく作り替えることができる。
これはとても素晴らしい能力です。
脳細胞自体は、加齢とともに減っていきますが、
自分がやっていて楽しい、好きと感じることをワクワクしながら行っている時、
いままで使われていなかった脳細胞同士が結びつき、脳の中に新しい「回路」が作られていきます。
この回路をいくつも持っている人のほうが、認知症にもなりにくいと考えられています。
また、俗に『頭がよい』と表現される人ほど、この回路をたくさん持っています。
趣味に熱中することは、この回路の創設に役立つだけでなく、
ストレスを軽減させ、ひいては脳の老化を防ぐ効果があることも報告されています。
「健康な脳を作るために第3条は、【会話】です。
群れをつくる社会的動物である人間は、
数10万年も前から、他者とのコミュニケーションを行ってきました。
会話とは、人間を人間たらしめる、とても人間的な行為です。
脳は会話を通して進化してきたといっても過言でないほど、高次元の機能を必要とします。
会話は、単なる言語のやりとりに留まらず、
相手の表情を読んだり、声色から感情を確かめたり、
自分の感情や意志を手振りを交えて伝えたり……など
様々な要素が絡み合って成立します。
これが、脳にとっては非常によい刺激となるんです。
脳のためにも、ぜひ積極的に他者との会話を楽しんでください。
対面のコミュニケーションがベストですが、テレビ電話などもおすすめです。
第4条は【食事】で、第5条は【睡眠】。
まず食事ですが、これはよく言われるようにバランスよく、
少しずつ多品目を食べるとよいでしょう。
肉よりは魚介類、野菜や果物がよく、カロリーも控えめにして、
野菜から食べ始める『ベジファースト』を心がけると、血糖値の急上昇を抑えられます。
また、忙しく働いている方は、毎食厳密に管理するのではなく、
一週間単位でバランスをチェックする、とストレスがなくて良いと思います。
第5条の睡眠も、とても大事な項目です。
人は疲れを取るためだけに眠るのではなく、物事を覚えるために眠ります。
昼間覚えたことを寝ている間に、記憶に定着させるのです。
睡眠不足の方の脳には、アルツハイマー型の認知症と関連があるとされる『アミロイドβ』が
溜まりやすいという報告もあり、脳の健康には十分な睡眠が欠かせません。
成人なら6時間以上は、睡眠をとるように心がけてください。
慢性的な睡眠不足は、脳にとって危険な状況を招きやすく、
仕事のパフォーマンスも低下させてしまいます」
基本的な生活を丁寧にすることが、脳の健康にとっての「王道」なのですね。
「最後の6か条目は、【主観的幸福感】を持って生きること。
主観的幸福感というと難しく聞こえますが、
要は「自分は幸せだ」と感じ、積極的に人生を生きていく姿勢です。
主観的幸福感を持っている人の方が、認知症にかかりにくいというデータもあります。
人生に困難はつきものですが、それでも日々楽しく、幸福感を持って過ごすことが、
脳の健康に資する。
逆に言えば、主観的幸福感を持って生きないと、
負のスパイラルに陥って、認知症のリスクも上げてしまいます。
脳の機嫌がよいほど、うまく働いてくれます。
運動や趣味などをつかって、うまく自分の脳のケアをしてあげれば、
脳の可塑性によって、いつまでも楽しく生きることが可能です。
ぜひこの6か条を意識して、健康な生活を送っていただきたいと思います」 ・・》
今回、脳医学の著名な東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授より、
誰でもカンタン、いますぐ応用できる瀧先生直伝の「健脳6か条」を学び、
認知症の予防にも最適と学び、78歳の私は多々教示されたりした・・。
◎第1条が「有酸素運動の習慣化」。・・歩くこと。慣れてきたら、早歩きなど習慣化。
◎第2条は【趣味を持つ】
◎第3条は【会話】
◎第4条は【食事】
◎第5条は【睡眠】
◎6か条目は、【主観的幸福感】を持って生きること。
この瀧先生直伝の「健脳6か条」を私は、2回読みながら、
過ぎし年金生活18年を思い馳せたりした・・。