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健康的な生活習慣を続けることで、病気になる確率を下げることができる。
病気を予防し健康寿命を延ばす7つの習慣を、年代別に紹介する。
■「病気になってから治す」が通用しない怖い理由
「こんなに体を壊す前に、なんとかならなかったのだろうか」
かつて救急医療の現場で働いていた私は、心臓の血管が詰まったり、
脳出血で倒れたりした人が救急車で運ばれてくるたび、無念さをかみしめていました。
このような患者さんのほとんどは、中高年です。
もっと若いころから健康に注意した生活を送り、たとえ高血圧や糖尿病などの生活習慣病になったとしても
きちんと治療を続けていれば、救急車で運ばれてくるような事態は、避けられたはずなのです。
とはいえ、これは理想論かもしれません。
現実には、毎日仕事が忙しくて、病院に行く時間はとれないし、
なにも症状がないのに、生活習慣病の改善に取り組むのは、億劫(おっくう)なものです。
やせるべきなのはわかっていても、ストレス解消のため、暴飲暴食してしまうときもあるでしょう。
ですが、やはり長年の生活習慣は、その後の人生に大きな影響を与えますから、軽んじるのは危険です。
「私の祖母は、お酒が大好きでしたが、100歳まで長生きしましたよ。
だから過度な飲酒は体に悪くない」
こんなことを言う方もいます。
もちろん、不摂生を続けた割には病気にならず、天寿をまっとうする人もいるでしょう。
しかしそれは、たまたま運がよかっただけの話です。
私たち医師は、過度な飲酒を続ければどうなるか、高血圧を放置し続けていたらどうなるか、
過度な肥満の状態が、何10年も続けば、どうなるかを知っています。
生活習慣病は、風邪とは違い、一度かかると、完全に治ることはありません。
どんな大金を積んでも、動脈硬化が進んだ血管を元通りにはできないし、
脳梗塞(のうこうそく)や心筋梗塞になり、脳や心臓の一部が壊死したら、
その部分が元通りになることもない。
いまは医療レベルが進歩し、心筋梗塞や脳梗塞でも、命が助かることが多くなりました。
しかし命が助かったとしても、大事な臓器にダメージを負ったあとは、
不自由な生活を送ることになります。
そうなる前に、すべての人に知ってほしいのが「予防医学」です。
予防医学は、統計学に基づいた論文をベースにした「確率論」です。
健康リスクのある生活習慣を見直せば、致命的な病気になる確率を下げられるのです。
残念ながら、人間は年齢を重ねれば重ねるほど、病気になる確率が上がりますし、
気を付けるべき病気の数も増えていきます。
ですが、いつからでも病気の予防を始めることができます。
これから健康寿命を延ばすための生活習慣を、年代別に紹介していきます。(略)
---------- 【60代〜】1日15分の日光浴が健康寿命を延ばす
なりやすい病気:骨粗鬆症、肺炎、難聴 ----------
■外での日光浴が骨を強くする
60代以降は、骨や筋肉の衰えを実感する年代です。
女性は65歳から(男性は70歳から)骨粗鬆症検診が推奨されているので、
積極的に利用してください。
体組成計などで筋力量を測定するのもいいでしょう。
骨や筋肉の健康を保つには、体を動かすことが一番です。
かかとで、地面を蹴ることで、足の骨を刺激するウオーキングを行うのがおすすめです。
また60代になって仕事を引退すると、通勤がなくなることから、
どうしても運動不足になる傾向が見られます。
60代のうちから、趣味のサークルや地域のコミュニティに参加したり、
現役時代の人間関係の維持につとめたりして、アクティブに過ごすことが、
70代以降の健康を支えてくれるでしょう。
外に出て、日光を浴びることでも、骨が強くなります。
日光を浴びると、紫外線と皮膚で反応が起こり、体内でビタミンDが作られます。
ビタミンDには、腸からのカルシウムの吸収を促進する作用があるので、
骨がもろくなるのを防げるのです。
紫外線は、シミやシワの原因になるので嫌われていますが、
1日15分は日光を浴びるようにしてください。
ただし紫外線(UVB)は、ガラスを通過しないので、ガラス越しの日光浴では意味がありません。
骨を強くする食事は、ビタミンDが豊富な魚類、キノコ類、卵などです。
野菜中心の食事では、ビタミンDをほとんどとることができないので注意しましょう。
まだ体力のある60代のうちに、
住まいを段差のないバリアフリーにして転ばないようにしておく、
寝室を2階から1階に移して、階段からの転落を防ぐなど、
70代以降に備えた対策を打っておくといいでしょう。
■肺炎球菌による肺炎はワクチンで予防できる
65歳から(心臓、腎臓、呼吸器の機能、またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能に
1級相当の障害のある人は60歳から)肺炎球菌のワクチン接種が推奨されています。
肺炎球菌は、高齢者が感染すると命を落とすこともあるため、しっかりとワクチンで予防しましょう。
■難聴を放置すると認知症のもとになる
早い人は、そろそろ耳の聞こえが、悪くなってくるかもしれません。
残念ながら、予防策は音楽を大音量で聴かないことくらいしかありません。
聞こえにくくなったら、早めに耳鼻科へ行って補聴器をつけてください。
面倒だからといって、放置しておくと人との会話が減り、
認知機能にも、よくない影響があるといわれています。
ただでさえ、この年代は定年を機に、人との会話が減少しやすいのです。
これらの病気に加えて、心筋梗塞や脳梗塞など「血管が詰まる系の病気」は、
これまでより一層の注意が必要です。
手足の麻痺(まひ)や、ろれつが回らないなどの症状があれば、迷わず救急車を呼んでください。
発症から4.5時間以内であれば、脳の血栓を薬で溶かすことができる場合があります。
【70代〜】1日6000歩歩いて脳と足腰の健康を保つ
なりやすい病気:フレイル、認知症 ----------
いまや人生100年時代。
70代以降でも、人生の残り時間は、まだまだあります。
脳の機能も、記憶力などは落ちる一方で、問題解決能力などは、
年を重ねるごとに向上するといわれています。
この時期を充実して生きるためにも、予防医学を実践してください。
70代以降は、
①フレイル(認知機能や体力が落ちた状態)や
②認知症に警戒が必要になってきます。
■足の上げ下げだけでも、フレイルを遠ざける
体力の低下を防ぐには、筋肉量を落とさないことが重要です。
そのためには、運動を継続すること。
もちろん激しいものである必要はなく、歩くだけでも大丈夫です。
1日6000歩を目安に歩いて、筋肉量の減少をなるべく食い止めてください。
もし膝(ひざ)が痛いなどで、歩くのが辛ければ、
寝た状態で、足を上げたり下げたりする「足上げ運動」だけでもOKです。
何かしらできることに、前向きに取り組んでみてください。
■睡眠時間は短くても長くてもダメ
70代以降は、寝すぎにも注意が必要です。
睡眠時間が「5時間未満」および「10時間以上」だと、
認知症リスクが上昇したという研究結果があります。
また、昼寝は1時間までにしましょう。
60分以内の昼寝は、アルツハイマー型認知症のリスクを下げたのに対し、
60分以上の昼寝は、リスクを高めたという論文があります。
社会的孤立や難聴も、認知症の原因になります。
定年後も人間関係のつながりを絶やさない、耳が聞こえにくくなったら
すぐ耳鼻科に行き、補聴器をつけるなどを心がけてください。
仕事をやめると、日常的に話す相手が配偶者だけになる方が多いのですが、
相手に先立たれると、急に孤立してしまいます。
人間関係も「分散投資」して、趣味や地域の人間関係をつくっておきましょう。
また、ウオーキングなどの有酸素運動は、
筋トレやパズル等の「脳トレ」よりも、認知症予防に効果的とされています。
フレイル予防も兼ねますから、ぜひ1日6000歩のウオーキングを習慣づけてください。
最後にお伝えしたいのは、70代まで長生きしたら、
好きな食べ物や飲酒など嗜好品(しこうひん)を制限してまで、
健康に気をつけるべきかどうかは、個人の価値観次第ということです。
健康は、人生を楽しく豊かに過ごす「手段」であって、「目的」ではないからです。
健康診断も、75歳を過ぎたら、必ずしも毎年受けなくて大丈夫です。
がん検診にも「終わりのタイミング」があり、死ぬまで受け続けるものではありません。
がんが見つかったとして、体力が低いこの年代での手術は、リスクをともないます。
無事に手術できたとしても、術後の入院中に筋力が衰えて、
フレイルを招いたり、寝たきりの状態が続くことで、認知症を引き起こしたりするおそれもあります。
もちろん、目的意識を持って、健康診断を受けるのはOKです。
残された時間を意識し始めたら、健康との向き合い方を考えながら
日々の生活を楽しんでいただきたいと思います。
※本稿は、雑誌『プレジデント』(2025年1月17日号)の一部を再編集したものです。
---------- 森 勇磨(もり・ゆうま) 産業医・内科医 ウチカラクリニック代表
「すべての人に正しい予防医学を」という理念のもと
YouTube「予防医学ch/医師監修 ウチカラクリニック」を開設(略)、
構成=長山清子 ・・》
注)記事の原文に、あえて改行など多くした。
私は2004年の秋、民間会社を定年退職をして、
多々の理由で、年金生活を始めた・・。
こうした中で、平均寿命と健康寿命を意識したりした。
最近でも、同じように注視してる。
昨年の12月24日、時事通信の記事に寄れば、下記のように報じている。
厚生労働省は24日、健康上の問題がなく日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、
2022年は、男性72.57歳、女性75.45歳だったとする推計値を発表した。
前回19年調査と比べ、男性は0.11歳短く、女性は0.07歳長かった。
平均寿命は、男性81.05歳、女性87.09歳。
平均寿命から健康寿命を差し引いた日常生活に支障がある期間は、
男性8.49年、女性11.63年で、
2019年と比べて男性は0.24年、女性は0.43年短くなった。
初調査の10年以降、縮小傾向が続いている。
今回、60代、70代別の健康寿命を延ばすための生活習慣を学び、
【60代〜】1日15分の日光浴が健康寿命を延ばす
なりやすい病気:骨粗鬆症、肺炎、難聴に注意をしなさい、改めて学んだりした。
私は60代を体験し終わって、改めて感じることは、
60代は、体力も50代と余り差がなく、元気な御方が多いし、
心身共に人生の中で、現役を過ごした後のリタイヤの期間は、
その人なりの目標が発揮できる最も充実した期間と感じたりしてきた・・。
なりやすい病気:フレイル、認知症 ----------
70代以降は、
①フレイル(認知機能や体力が落ちた状態)や
②認知症に警戒が必要になってきます。
私は先輩、同世代、団塊の世代と交流している中で、
突然にこの世とサヨナラ・・されて、男性の平均寿命を意識させられたりしてきた・・。
誰しも、いつの日にか、この世とお別れするが、
それまでは、その人なりに充実した人生を過ごされれば・・、
と私は思いながら過ごしている。
もとより人、それぞれ価値観も差異があるが、
その人なりに心が満たされば、最上と私は感じ深めている。
モンモンでーす!いつも楽しく読ませていただいております♪
今回の投稿もとっても役に立つ内容ですね‼️
予防医学 大事なんですね!心にしみました❤️
モンモンも長生きしたいので とっても勉強になりました。
いつもご自宅の周辺3キロ範囲にある遊歩道、公園、住宅街を歩かれて 偉いですね!
これからも長生きしましょうね!(๑・̑◡・̑๑)
先程、貴女様よりコメントを頂いたことに気付きまして、
大変失礼を致しました。
初めまして・・。
>モンモンでーす!いつも楽しく読ませていただいております♪
>今回の投稿もとっても役に立つ内容ですね‼️
>予防医学 大事なんですね!心にしみました❤️
>モンモンも長生きしたいので とっても勉強になりました。
つたない私の投稿文をお読み下さり、ありがとうございます。
>いつもご自宅の周辺3キロ範囲にある遊歩道、公園、住宅街を歩かれて 偉いですね!
やはり健康でなければ、自身の日頃のささやかな願いも叶わないので、
殆ど毎日のように歩き、四季折々の情景に心を寄せたりしながら、
歩いています。
>これからも長生きしましょうね!(๑・̑◡・̑๑)
私も健康寿命を保ちながら、過ごしたいと思っています。
まもなく桜満開の時節、それぞれの桜花に思いを託して、めでたいと思っています。
コメントありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。