夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

お一人様1点限り、或いは底値、買物メール老ボーイの私は、微笑みながら・・。

2015-10-25 11:10:18 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市に住む年金生活の71歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭である。

平素は家内と共に朝食を頂き、一時間過ぎた頃、
家内は、新聞に添付されているスーパーのチラシを見たりし、
やがて赤のサインペンで丸印を付けたりしている。

まもなくして、この赤丸が我が家の本日の必須の購入品とし、
あとは私が店頭の商品で魅了された品を買い求めてくるのが、我が家の鉄則となっている。

この後、家内からスーパーのチラシを私は手渡し、
『本日は・・これだけお願い・・』
と家内は私に言ったりしたりしている。

私は現役サラリーマン時代の緊張感から解放されて、早や年金生活11年生であり、
体力の衰えも感じている中、せめてボケてはいけないと思い、
『はい! 了解致しました!』
と私は若き自衛官の諸兄に負けないように、明るく返事をしている。

このような我が家の平素の買物パターンで、私は独りで指定された最寄のスーパーに買物に行ったり、
或いは駅前までの片道徒歩20分ぐらいのスーパー、専門店に行ったりしているが、
根がケチなせいか利便性のよい路線バスに乗るのことなく、歩いて往還している。
          

定年前の私は、現役時代のサラリーマンの時は数多くの人たちと同様に多忙で、
家内は我が家の専守防衛長官のような専業主婦であり、日常の洗濯、買い物、料理、掃除などで、
家内なりの日常ペースがあり、この合間に趣味などのささやかな時間で過ごしてきた。

定年後の年金生活を始めた私としては、
この趣味などのささやかな時間を崩すことは、天敵と確信を深めて、
平素の買物専任者を自主宣言したのであった。

そして買物を終えた後は、やはり独りで自宅から数キロ以内の遊歩道、小公園などを
ひたすら歩き廻ったりして、季節の移ろいを享受している。

家内は従来通り料理、掃除、洗濯などをしてくれるので、
せめてと私は感じ、家内が煎茶、コーヒーを飲みたい時を、
私は素早く察知して、日に6回ぐらい茶坊主の真似事もしている。
          

年金生活を始めてまもない2004年(平成16年)の晩秋、
買物メール老ボーイとなった私は、
家内から依頼された特売の洗剤を買い求めに、最寄のスーパーに行った。

そして年金生活で貢献できるのは、せめて廉(やす)い価格の品を多めに、と思いながら、
5個ばかり買い求めて、意気揚々として帰宅した。

やがて帰宅後、家内に頼まれた洗剤を手渡すと、
『あら、違うわ・・ライオンのトップでも《部屋干し》をお願いしたはずょ・・』
と家内は言った。

『違った・・!?』
と私は言った。

『違っています・・うちはずっと《部屋干しトップ》なの・・貴方・・よく仕事ができたわねぇ・・』
と家内は追い討ちをかけてきた。

『じゃ・・取り替えてくるよ・・』
と私は言った。

やがて洗剤はひとつでも1・1Kgあり、5個買い求めていたので、少し重い洗剤を提(さ)げて、
再びスーパーに向かった。

そして仕事は給料を頂いて緊張感の中、責務を果たしてきたので、
気軽な買物と違うょ、と心の中で呟(つぶや)きながら歩いたりした・・。
                     

或いはトマトを買い求めた当初は、苦い失敗談があったりした。
確か翌年の2005年(平成17年)の6月初旬の頃だった・・。

たまたまスーパーの店内に於いて、野菜売り場の近くにトマトの販売コーナーがあり、
家内はトマトが好きであり、少し高い値段であったが何より新鮮であったので、
3つばかり買い求めたりした。

帰宅後、家内に手渡すと、
『わぁ・・立派なトマト・・美味しいそうだわ・・』
と家内は微笑みながら言ったりした。

やがて家内は、値段を訊(き)かれて、私は応(こ)えた。

『でもねぇ・・高過ぎるわょ・・我が家は年金生活ですから・・程ほどにして下さい・・
貴方は幼年期の頃、農家の児だったでしょう・・トマトの見極めぐらいは解っているでしょう・・
私は長い間、程ほど品をお廉(やす)く買い求めてきたわ・・』
と私は家内から叱咤されたりした。

『XXちゃんさぁ・・専業主婦25年選手でしょう・・
ボクは買物一年生だょ・・気を付けますょ』
と私は家内に抗弁したりした。

これ以来、私は野菜、果実(くだもの)は、新鮮さを見極めながら、
程ほど品を廉(やす)く買い求めたりしてきた。
                       

買物メール老ボーイも数年過ぎると、お一人様1点限り、お一人様2点限り、
或いは平素より遥かに廉(やす)い底値(そこね)と思われるスーパーのチラシを見たりすると、
ささやかな年金生活の中、天から励まされたように思え、私は微笑んでしまうことが多い。

『お一人様1点限り』に於いては、ネスカフェのゴールドブレンドなどを買い求めたりしてきた。
そして『お一人様2点限り』は、トイレット・ペーパーの12ロールを2つ、
ティシュ・ペーパーの5個パックを2つなどを購入してきた。

こうした中で家内はチラシを見たりして、
たとえば洗濯用の柔軟剤のソフランなど、底値(そこね)だわ、
と家内が呟(つぶや)いたりした・・。

『底値だったら・・少し多めに買ってくるからねぇ・・』
と私は家内の願いに、瞬時に応じたりしている。

我が家はソース、お醤油などの調味料、インスタント・コーヒー、ビールなどの嗜好品、
或いはトイレット・ペーパー、ティシュ・ペーパーなどの雑貨消耗品は、
押し入れに整理棚を設けて、保管しているが、私が在庫管理の責務となっている。

そして品薄と私が感じたら、家内に伝えて、私が買い求めてくる。
こうした中、インスタント・コーヒーが在庫が乏しい時、
スーパーが『お一人様1点限り』だった時は、スキップしたくなるように2往復した体験もある。
          

このように私は、買物メール老ボーイとなって、早や11年生となり、
昨今、年金生活を始めたと思われる男性が野菜売り場で、覚束ない手振りで品を見つめて、
スマホに話しかけているのを見たりしている。

この男性は、家にいる妻に助言か指示を仰(あお)いでいると思われ、
私は幾たびか目撃して、微苦笑したりしている。

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