幼児・保育者無償化が10月から開始された。本当に子どもたちは「大切」にされているのだろうか?
1989年11月20日『子どもの権利条約』が国連で採択されました。全ての子どもには、自分の思いや願いを自由に出しながらおとなに向き合ってもらい、守られ大きくなる権利があると定められました。日本も1994年に批准しています。批准国は国内の実施状況を、政府報告書として提出し、「国連子どもの権利委員会」による審査を受けます。今年2月、国連が第4回・5回日本政府報告の審査を踏まえた総括所見を出しました。
受験競争はエスカレート
これまで、再三、日本政府は、「子どもの権利委員会」から『教育制度の過度に競争的な性格が児童の心身の健全な発達に悪影響をもたらし、児童の可能性の最大限な発達を妨げる』と言われてきました。 それにも拘わらず、少子化と言いながら、受験競争はエスカレートするばかりです。 競争教育は学校間格差を拡大し、子どもを管理し序列化し、子どもの自尊心を傷つけ、差別意識や排他的な感情を生み出し、自己肯定感を低くしている。それが、『高度に競争的な学校環境が就学年齢層の子どものいじめ、精神障害、不登校、競争教育は学校間格差を拡大し、子どもを管理し序列化し、子どもの自尊心を傷つけ、差別意識や排他的な感情を生み出し、自己肯定感を低くしている。それが、『高度に競争的な学校環境が就学年齢層の子どものいじめ、精神障害、不登校、中途退学および自殺を助長している可能性があることも、懸念する』と言われ続けていることなのです。
改善勧告に応えよ
本来なら勧告を受けて改善した実施状況が報告されるべきですが、政府は、「まだ、高度に競争的な学校環境が問題というのなら、その客観的な根拠について明らかにされたい」と異議を唱えています。
また、前回から今回の報告の間には、甚大な被害をもたらした東日本大震災・原発事故があり、今も避難生活を余儀なくされている子どもがいますが、政府報告ではほとんど触れられていません。 そして子どもの貧困は深刻な問題です。それでも、予算割り当てについては「児童の権利の実現に必要な資源が十分に確保されている」と報告しています。しかし現実は「先進国」中、公教育費は最低レベルです。 子どもの権利委員会による、日本政府報告の審査・所見を読み解き、『子どもの権利条約』の学習をしてみませんか。