社会教育の町 「ひらかた」が、大変な事態になっている。「市民の会」会報からの紹介です。
一万冊程の図書が並ぶ分室を訪れる度に感じること、それは二人の司書に守られた小規模で静かな読書環境が実に心地よいことだ。地域に溶け込んだ落ち着きが子供からその母親、高齢者までを“本の海”へ誘っている。
「香里ケ丘図書館を見守る会」と「図書館行政を考える会」は、8月12日から9月3日まで、釈尊寺・東香里・茄子作の三分室と二つのスーパー近辺で「シール投票」を実施した。昨年末と今年二月、市は香里ヶ丘図書館建替えに関する市民説明会を開いたが、新香里ケ丘図書館の完成に続き、その利用圏域を広げ、そこに含まれる上記三つの分室を閉鎖するとの方針を出した。
しかし「東香里まで坂道が多くて大変」「バスを二本乗り継ぐと往復九二〇円」「小学生は放課後校区外へ出られない」「高齢者・子供・乳幼児の母親にとって、かけがえのない居場所」と市のアンケートにも多くの声が寄せられた。それに対する市の答えは常に「分室閉鎖」ありきの紋切り型。「人口減少による税収減」「高齢化社会の進行と財政負担増」「人件費や施設運営費が負担になっている」である。一分室の経費は約一千万円。「お金の問題だけで分室を切り捨てないで、市民の暮らしに寄り添った市政運営を」と市民は声を挙げる。
8月22日、東香里小学校の説明会では市民の声がさらに大きくなり、中央図書館長は「持ち帰り、検討し、回答する」と言わざるを得なかった。シール投票の結果は「分室を残してほしい 92%」「残さなくてよい 1%」「わからない 7%」である。市民に最も近い「知と文化と地方自治の拠点」は残すべきだ。
v
v