ウィトラのつぶやき

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iPadは売れるか?

2010-02-03 09:27:45 | 経済
Appleが新しい端末iPadを発表して大きな話題を呼んでいる。

iPadはノートパソコンと携帯電話の中間くらいの大きさで、無線機能が着いた端末である。この分野では過去に様々な端末が投入されたがことごとく失敗に終わっている。 最近になってアマゾンの電子ブック「キンドル」が比較的好調に推移しているくらいである。

そこにAppleがiPadを投入すると発表した。キンドルと比べるとはるかに上位機種で多機能になっている。現在のAppleの好調さもあって大きな話題を呼んでいる。このiPadは果たして売れるだろうか?

私はあまり売れないと予想している。その主な理由は価格である。iPhoneの場合にはオペレータが加入を条件に金銭的サポートをして、驚くような安値で買えるという状況を作り出した。それが購買意欲をそそり、使ってみると結構いけるというので正のサイクルに入ったと思っている。

しかし、今回のiPadに関してはどうもそのような仕組みはなさそうである。 $600も出せばネットブックと呼ばれるノートパソコンが変える。同じくらいの価格でオペレータと契約しないと使えないiPadの魅力は薄いと思われる。

しかしオペレータがサポートしてこれが$300くらいで買えるとなれば話は別である。元々Appleには熱狂的ファンがいるし、3万円で買えるなら買おうかという人がかなり出てくるだろう。しかし、そのために通信料が毎月5000円もかかるのではやはり買えない。2000円くらいの上積みに留めたいところである。

iPhone用のSIMカードをiPadに差し替えて、一つの契約で使い放題のような契約をオペレータが認めるれば6万円でも売れるかもしれない。オペレータの料金体系に成否は掛かっていると思う。
日本ではドコモがiPadに興味を持っているそうである。ドコモがどのような料金体系を打ち出すか、やり方によってはアメリカよりも日本でブレークする可能性もあると思う。

私はAppleにはだいたい否定的見解を持っていたが、それを裏切って成長してきている。今回も何か仕掛けを用意しているのかもしれない。

iPadが普及すると最も影響を受けるのはニンテンドーとソニーだろう。一旦iPadがiPhoneのように売れ始めてしまったらゲームソフトのベンダはAppleのほうを向き、ユーザはどんどんとられてしまうだろう。

iPadに限らず新しいインターネット端末はオペレータの料金体系が大きく売れ行きに影響する。オペレータの力がこれまでと少し違う分野で試される気がする