ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

グーグル・ボイス

2009-10-23 07:16:37 | 経済
グーグルがアメリカで電話サービスを始めて大きな話題を呼んでいる。

アップルがiPhoneでGoogle Voiceの適用を拒否したとグーグルがクレームを出したり、AT&TがGoogle Voiceは公平じゃないと言ったりしている。

私は、これはスカイプのようなインターネット電話のことだろうと思っていたが、どうもそうではなく、普通の家の電話でも、携帯電話でも使えるようである。

グーグル・ボイスで電話番号をもらって、グーグルに電話番号を登録すると、電話がかかってきたときに、家の電話と携帯電話の両方が鳴り、どちらででも電話を取ることができる、といったサービスのようである。IP電話も組み合わされていて国際電話も安くなったりするようである。留守番電話を音声認識してメールで内容を教えてくれるサービスもあるようである。

グーグルはやはりこのサービスを無料で提供している。この種のサービスはこれまでオペレータが独占していたのだが民間ででもできることが示された。これは通信事業者にとっては大きな脅威だろう。

まだアメリカでしかサービスを提供していないようだが、アメリカではどんどん広がるだろう。日本では規制による参入障壁で時間がかかるかもしれないが、いずれは入ってくるものと思う。

グーグルはなんでもタダでサービスしてくれるので消費者にとってはうれしいことだが、産業界は大変である。本来、お金を取っても受け入れられるサービスをタダで提供することは普及の促進にはなるが、産業の発展ということで言うと生き延びられる会社が少なくなり、問題のようにも思う。

資本主義社会では仕方のないことだとも思うのだが・

国債発行額50兆円

2009-10-22 06:48:34 | 経済
藤井財務大臣が、今年度の国債発行額を50兆円にすると発表している。大変な額である。来年度の概算要求が95兆円、そのうち政策的に使用できる一般歳出は54兆円である。殆どの政策費用を国債で賄っていることになる。

財務省は国債費(利子と償還など)で約22兆円を計上している。来年度の税収が40兆円とみると税金の半分以上は国債の支払いに充てられていることになる。この国債費は昨年から1.6兆円増加しているそうなので10年も経つと税金の殆どは国債費になってしまう。

他の国はどうか?図はイギリスの今年度予算の内訳であるが利払いなどはごくわずかで日本よりはるかに健全である。ちなみに日本政府の借金はGDPの210%、イギリスの借金はGDPの70%だそうである。

今でも、人件費等の簡単には減らせない予算が40兆円(95-54)あるので国債を発行しなければ政策を実行できない状況になっている。どうしてここまで国債が膨れ上がってしまったのか? そこには昨日書いた郵貯の影響がかなりあると私は思っている。


鳩山首相は「国民が赤字国債を出すなと言うならマニフェスト先送りもあり得る」といっている。国民の中にはもっと金をつけろという人もいれば赤字国債を出すなと言う人もいるだろう。どうやって国民の声を聞くのだろうか?

どうやって国民の声を聞くかは大変重要である。今はマスコミの声が国民の声のように扱われていると思うが、私がこのブログで何度も書いているようにマスコミの声はマスコミ自身の「売り上げのための受け狙い」からくる質の低さによってゆがめられていると思う。私は大きな国の方針を打ち出すときにはヨーロッパなどで行われているリファレンダム、国民投票を導入してほしいと思っている。

日本郵政、西川社長辞任

2009-10-21 05:56:48 | 社会
日本郵政の西川社長が辞任の記者会見を開いた。これで小泉元首相が始めた構造改革は完全に息の根を止められた感じがする。

小泉首相は郵政民営化に政治生命をかけていた。このテーマは彼にとってそれほど重要であり、実際に自分が首相になって強引に始めたにもかかわらず、彼は「なぜ民営化が必要なのか」を国民にきちんと説明していない。「小さな政府への入口」といったあいまいな説明したしていないのである。なぜだろう?

以下は私の想像である。

小泉元首相の郵政民営化の主眼は郵便貯金事業の透明化にあったと思う。銀行マンである西川氏を社長に持ってきたことがそれを意味している。郵貯は巨大な預金を集める大銀行であるにもかかわらず、その運用は一切明らかにされていない。企業に貸し出しをしたということは聞いたことがないので、国債を買うとか、何かの政府系の活動に対して融資をしていたものだろう。 ここに巨大な金が動く。日本の国債がここまで積みあがったのも、この郵貯が大きく関係しているのではないかと思う。

不透明な流れで大きな金が動くとなればそこに絡んで利権をむさぼる人たちもいるだろう。小泉首相はこの流れを透明化したかったのだろうと思う。 なぜそれをきちんと説明しないか? 

おそらく説明すると大変な問題になるようなことが内包されているのではないか、とこれも私の想像である。したがって自民党内部にも反対者がたくさんいた。だから小泉元首相は「自民党をぶっ壊す」と言ってみたり、「抵抗勢力」というレッテルをはったりしてそれを抑え込んだ。亀井大臣はそれで自民党を飛び出した人である。

西川社長はそれらの問題を承知の上で引き受けたのだろうと思う。今年の春に鳩山総務大臣が西川社長を変えようとしたときに、自民党内に反対勢力が大きく盛り上がり、やはり説明なしに西川社長ではなく鳩山大臣のほうを切ってしまった。郵政民営化を止めるのならともかく、別の人で推進するというのは耐えられないと思った人がたくさんいたからではないかと想像している。

民主党政権は日本郵政をJALのような特殊な会社にしたいらしいが、それが本音ではどういう目的かはわからない。単に自民党に反対するほうが国民の支持を得やすい政策だったからか、郵貯の流れを透明化するとまずいと思ったからか、小泉路線よりも良い方法を持っていると信じているからか、どれかだろう。今後の推移を見守るしかない。

これだけ大きな問題なのにマスコミはなぜ本質に切り込んで解明しようとしないのか。郵政民営化は地方の郵便局が減るとかいった小さな問題では断じてないはずなのに、マスコミの力不足をここでも感じる

海外留学(3) 研究生活開始

2009-10-20 08:46:55 | 昔話
ニューヨークのコロンビア大学も9月に入ると学期も始まり、私の研究生活も開始される。

その前の英語学校に通う間の大切なこととして9月からの住む場所を確保しなくてはならなかった。 大学院生に部屋を斡旋する不動産屋で探したのだが、なかなか難航した。私はバスタブつきの部屋を探していたのだがなかなか見つからない。そのうち9月が近づいてくると次第に学生が戻ってきて空き部屋が無くなってくる。結局、あせって、シャワーだけでトイレつき、流しなしの細長い二間の狭い部屋を契約した。

敷金、礼金はなかったと思う。ベッドは付いていた。大学の正門のすぐそばで、狭い部屋だったが一月330ドルくらいだった。 私は会社からは1000ドル/月もらっていたので、この出費は結構大きかった。一月1000ドルはずいぶん安いようだが、当時は1ドル250円くらいだったのでそう文句も言えない金額だった。しかし、台所もない部屋で部屋代はずいぶん高いと感じたものだった。

部屋が決まると電話をつけてもらわなくてはいけない。これは管轄の電話局に行くのだが、私のアパートのあたりを管轄する電話局はハーレムと呼ばれる黒人街の真ん中にあった。そのころは大分ニューヨークにも慣れていたので私は歩いて電話局まで行って申し込みをした。行きは大通りを通って行って、全く危険は感じなかった。しかし、帰りに近道を通ろうとして裏道に入るとがらりと雰囲気が変わった。筋骨たくましい黒人の若者があちこちに何をするでもなくたむろしている。無職でぶらぶらしているのは明らかだった。視線を合わせないようにしてそこを通り過ぎて再び広い道に出た時はほっとしたのを覚えている。

自炊できないので基本的に3食とも外食だった。慣れてくると一日10ドルでやりくりできた。朝食が1.5ドル、昼食が3ドル、夕食が5.5ドルくらいである。これで一月300ドル、家賃を引いても若干余るのでそれで本や衣類を買ったり、飲みに行ったりしていた。ドクターコースの学生はだいたいこんな感じの生活だったと思う。最も初期投資が色々かかるので50万円ほどは日本から送金していた。

大学内では無給の研究生だったが、当時はコンピュータサイエンス学部を立ち上げたばかりだったので部屋には余裕があり、私は教授と同じ個室を与えられた。ドクターの学生は二人で1部屋だった。大学内での環境は恵まれていた

シーガイア(4)

2009-10-18 09:59:07 | 旅行
公園の中にはこのような神社もある。アメリカ人にとっては珍しいだろうが日本の神社としては小さな規模である。

結局シーガイアはゴルフをやる人か、日本の中でアメリカを求めるアメリカ人以外には魅力的とは思えない。第3セクターで一大リゾート地として開発したが経営に行き詰まり、シェラトングループが買収したらしいが、再度、経営不振に陥るのは時間の問題だと思う。