このブログで何度か取り上げた張栩名人に井山八段が挑戦していた囲碁の名人戦は挑戦者の井山八段が4勝1敗で勝ち、名人位を獲得した。同時に井山八段は九段を贈与された。
内容をみるとシリーズを通じて井山八段のほぼ完勝であったと思う。名人戦が始まった頃は名人のほうが「自分のほうが強い」という自信を持って戦っていて、多少不利になっても巻き返して見せる、というような気概があった感じがした。
それが第4局、第5局あたりでは「ひょっとしたら向こうのほうが強いのかも」と不安を感じ始め、それが着手の不安定さにつながっていたような感じがする。
一方挑戦者の井山八段は全力で戦って迷いが無かった感じがする。深い読みとともに、常に色々なパタンの損得を考えていて、一つのところにこだわらない柔軟さが印象的だった。
第4局、第5局は名人のほうにちょっと精彩が無かった感じがするが第3局までは本当に力の入った熱戦だった。井山八段はこれで日本のビッグタイトル保持者の仲間入りをした。最強の名人に勝ったのだから他のタイトルも取ることは時間の問題だろう。 彼に次に目指してほしいのは世界戦のタイトルである。
日本の名人になったと言っても、韓国・中国に勝つのは容易ではない。それでも対局を重ねて、彼らから学んでいけば十分に可能性はあると思う。次の高みを目指すつもりで取り組んでほしいと思う。
最近、私はイ・チャンホ・ファイルという韓国のトップ棋士の書いた本を読んだ。この本を読んで感じるのは「彼の強さは判断力にある」という点である。プロ棋士はかなり先のほうまで手を読む。その先の局面が優勢なのか不利なのかのわずかな違いを判断して、相手が判断を間違えたときに差をつけてしまう。
これがイ・チャンホが世界に君臨した強さの源泉であると思うのだが、この判断力は井山新名人は同じ程度に持っていると思う。違いは優勢になったときに逆転の可能性をなくすように局面を単純化していく力である。
勝率を上げるにはこの技術が重要になるのだが、基本的な力があれば調子のよい時に勝ち進むことはできるだろう。 世界戦の決勝などに日本の棋士の名前があがることを期待したい。
内容をみるとシリーズを通じて井山八段のほぼ完勝であったと思う。名人戦が始まった頃は名人のほうが「自分のほうが強い」という自信を持って戦っていて、多少不利になっても巻き返して見せる、というような気概があった感じがした。
それが第4局、第5局あたりでは「ひょっとしたら向こうのほうが強いのかも」と不安を感じ始め、それが着手の不安定さにつながっていたような感じがする。
一方挑戦者の井山八段は全力で戦って迷いが無かった感じがする。深い読みとともに、常に色々なパタンの損得を考えていて、一つのところにこだわらない柔軟さが印象的だった。
第4局、第5局は名人のほうにちょっと精彩が無かった感じがするが第3局までは本当に力の入った熱戦だった。井山八段はこれで日本のビッグタイトル保持者の仲間入りをした。最強の名人に勝ったのだから他のタイトルも取ることは時間の問題だろう。 彼に次に目指してほしいのは世界戦のタイトルである。
日本の名人になったと言っても、韓国・中国に勝つのは容易ではない。それでも対局を重ねて、彼らから学んでいけば十分に可能性はあると思う。次の高みを目指すつもりで取り組んでほしいと思う。
最近、私はイ・チャンホ・ファイルという韓国のトップ棋士の書いた本を読んだ。この本を読んで感じるのは「彼の強さは判断力にある」という点である。プロ棋士はかなり先のほうまで手を読む。その先の局面が優勢なのか不利なのかのわずかな違いを判断して、相手が判断を間違えたときに差をつけてしまう。
これがイ・チャンホが世界に君臨した強さの源泉であると思うのだが、この判断力は井山新名人は同じ程度に持っていると思う。違いは優勢になったときに逆転の可能性をなくすように局面を単純化していく力である。
勝率を上げるにはこの技術が重要になるのだが、基本的な力があれば調子のよい時に勝ち進むことはできるだろう。 世界戦の決勝などに日本の棋士の名前があがることを期待したい。