ウィトラのつぶやき

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中国の住宅価格が下落?

2011-07-19 07:38:25 | 経済

6月20日のブログで世界経済の変調の傾向を書いて円高が進むかもしれない、と書いたが、現実はその通りにユーロの危機が再発し、アメリカもQE2(第2次量的緩和)が終わって世界経済は不安的な兆候を示し、円高に向かってきた。

この先、アメリカがQE3を行うかどうかが焦点の一つであるが、行わない方向に向かっており、私はそれが正しい方向だと思う。病人の病気は回復していないのに薬の効果が切れてきた状態であるが、ここで更に投薬すると副作用の悪影響のほうが大きくなるだろうと思う。アメリカはしばらく安静にしているほかないだろう。

ヨーロッパは全体が悪いというよりあちこちに筋肉痛や、できものができている状態である。こちらも投薬しているのだがなかなか治らない。ヨーロッパの場合にはホルモンバランスが悪いような状態で、内部での組織間の争いが問題である。政治力が問われる状況が続くだろう。

こうした中で世界経済を引っ張っているのが中国である。中国は住宅バブルだと私も何度か書いたし、今でもそう思っている。今朝の日経に6月は前月より3都市多い12都市で住宅価格が下がったと出ていた。いよいよ中国経済も停滞か、と思ってネットで調べてみると、ブルームバーグの記事は「中国の新築住宅、北京と上海で上昇加速」と全く反対の記事が出ている。中国では今年に入って政府が住宅価格の全国統計の発表を止めたそうで、どういう統計をみるかで判断は全く変わってくる。

ブルームバーグは「中国は実質マイナス金利なので投資熱はそう簡単には下がらないだろう」としている。つまり、預金金利よりも物価上昇率のほうが高いということでお金があればモノに投資したほうが良いということである。一連のニュースから見ると、投資熱は冷めてはいないものの、「そろそろ危ない」という意識も高まってきており、投資家による選別が強まっているのだろう。中国がバブルがはじけた状態になると世界的な不況は避けられないだろう。

その一方で中国国内で実需を上回る投資家による見せかけの需要があり、実際には誰も住まないようなマンションが高値で取引されているのも事実である。この状態はいずれ実際に住む人が買えるレベルまで価格が下がるはずなので、軟着陸するにせよ経済成長の速度を落としていかないと中国経済は大きな痛手を被ることになるのは間違いないだろう。

不透明な世界経済がしばらく続きそうである。


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