ウィトラのつぶやき

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内閣改造は必要だったのか?

2014-09-04 08:22:34 | 社会

安倍総理が内閣改造を行い、第2次安倍内閣が成立した。私はこの内閣改造自体にも、それを報道したマスコミの姿勢にも疑問を感じている。

そもそも内閣改造が必要だったのか、この内閣改造に大義はあるのか、という点が不明であり説明もされていない。大臣を入れ替えれば、また最初からレクチャーをしなくてはならず、一時的にせよ国政は停滞する。そのデメリットは明らかである。これに対してメリットのほうはあまり明らかではない。「気分を変える」というような理由で行ってよいことでないことは明らかだろう。安倍総理はきちんと改造の必要性を国民に示していないと思う。

私の見方は石破外しである。滋賀県知事選挙で負けたことを理由に、石破氏を自民党の幹事長から外すことが主目的だったと思う。石破氏が安倍総理の地位を脅かす存在だったから、というようなことが言われているが、それよりはこれから行われる地方選挙への対策が主な理由だったと思う。石破氏は発言力があり、政策通であるが、自民党内には彼を嫌っている人も多い。大部分の政治家はこれまでの手法に従って政治を行うことをベースにしており、外部の情勢に応じて動き方を調整するというやり方である。これに対して、石破氏は本来あるべき姿を考え、その方向に向かって行動計画を実態に合わせて調整する、という動き方であり、自民党内部にはこの動き方をされると自分の立場が危うくなる人がたくさんいるからだと思っている。滋賀県知事選挙の敗北をきっかけに自民党内で石破批判が高まってきたことが理由ではないかと思っている。これから行われる地方選挙に備えて自民党内の団結を高めることが目的だったと思う。露骨な石破外しとみられないようにかなり大規模な人事を行ったと私は考えている。「女性と地方」を打ち出している点からも選挙対応であることが伺える。

石破氏は安全保障法制大臣を辞退し、地方創生大臣になった。どちらも担当する官庁のない重要ではあるが権限の小さなポストである。このあたりには安倍総理のライバルつぶしの臭いを感じる。私は石破氏がこのポジションで地方再生のためにどうするべきかを本格的に考えてくれるのではないかと期待している。以前も書いたように特産品を作るための奨励金というような小手先の対策ではなく、大企業が本社を地方に構えるようになるような仕組みを考えてくれるのではないかと思っている。

報道に関しては「誰が大臣になるか」というようなのぞき見趣味的な報道は山ほどあったが、、改造には大義はあるのか、というよう報道はほとんど見られなかった。国会解散もそうだが、総理に権限があるからと言ってむやみに実行してよいものではない。ましてや自分の立場を守るために内閣改造を行うことなどはなどは糾弾されるべきだろう。こういう姿勢を持つジャーナリストが殆どいないことに寂しさを感じる。



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