ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

日本人の英語力向上策 -初等教育-

2008-05-16 09:22:34 | 社会

さて、本題の日本人の英語力向上策に入る

先に、「日本の英語教育は自転車の乗り方を口で教えているようなものだ」と書いた。これは戦後作られた教育システムの中で、英語を話せるような教師がほとんどいない状態でカリキュラムがつくられたからだと思っている。教師自身が自転車に乗ったことがないのだから乗り方を勉強してそれを伝えるしかなかったのだろう。そして、この基本的教育カリキュラムは多少の変更はあったものの基本的には変わらずに来ていると思っている

最近韓国では新しい大統領が「すべて英語でやる授業」を打ち出して、教師にトレーニングを課している。教師の中にはそのために大変なパニックになっていると聞く。私はこれは韓国政府の大英断たと思っている。5年も経つと基本的英語力に日本人と韓国人で大きな差がつくと思う。英語力では今でも負けているので、10年後には情報通信産業に大きな実力差がつき、この分野での韓国企業の日本での存在感が目立ってくるのではないかと思う

日本でもこれをやるべきである。しかし、私は日本での実現は極めて難しいと思っている

まず、英語を話せない教師が反対する。教師のトレーニングプログラムについていける人もいるが、「自分は付いていけない」と感じる英語教師も2割くらいはいるだろう。この人たちにとっては死活問題であるのであらゆる手を取って反対するように働きかける。「ついていける」「本当はそういうトレーニングを受けたい」という人も5割くらいいて数の上ではこのような人が多いのだが、この人たちは積極的に発言しないので、教師全体が反対、というムードになる。
マスコミは韓国に行ってノイローゼになった教師を探してきて報道する。マスコミは別に反対ではないのだが、ニュースとは極端を求めるため「TOEICの平均点が50点上がった」、というのはニュースにならず、「ノイローゼになった」というのはニュースになるので報道するのである。こうして世論全体が反対であるかのような印象がつくられる。
選挙を気にする政治家は法案を引っ込める

これが私が予想するシナリオである。私が予想するくらいだから、自民党も当然同じような予想をして、この関係では動かない、ということになる

上記反応は、英語教育に限らず新機軸を打ち出そうとするときにいつも起こる日本社会の反応であり、かなり深い文化的背景に根ざしていると思っている

実際に政府が「すべて英語の授業」を打ち出して、私の予想が外れることを願っているが、実際には起こりそうにない。従って「日本での英語初等教育の大幅な改善は当分(10年くらい)望めない、というのが今の私の結論である

ではどうするか、「個人の出費、努力による英語力の向上を奨励する」というのが今の時点での私の結論である。これについては次回回しにしたい


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2 コメント

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Unknown (とも)
2008-05-16 10:24:08
はじめてコメントいたします。
過去、ウィトラさんのもとで働いていた者です(お分かりでしょうか?)。

お変わりなくお過ごしのようで、大変嬉しく思っております。

私の息子(早いもので、今年5年生になりました)の学校では、今年から英語の授業が正式に開始となります。

これまでも、週に一度程度、外国の方が授業(というより、英語に親しみましょう... レベル)が行われていましたが、今年からは、正式な教科書を用いた授業が開始されるそうです。

今後、文科省主導で日本全国に広げていくためのモデル地区のひとつとなっていると、聞いております。

もっとも、米軍基地の近くですので、外国人(というよりアメリカ人が多い)の方と接する機会が多く、息子達の学校のどのクラスにも、数人の子供達(どちらかの親が外国の方)がおります。

英語とは、生活に全く必要と感じていない人から見ると、アレルギー反応を起こす原因、そして嫌々仕方なく"学業=目的"として勉強をしており、必要な人・普段接している人からみると、単なる手段として考えるのではないでしょうか?

私は幸運にも、学生生活においても、就職してからも英語に接する機会が多かったため、学問・学業というよりも、手段として習得しました(せざるを得なかった)。

マスコミにおいては、これら全く立場の異なる人たちをひと括りにして報道されるため、ネガティブな意見が大勢を占めるのではないかと考えております(個人的には、ネガティブな意見をお持ちの方のほうが、声が大きく、それら意見のみが報道にて採用されている気がしております)。

現在、仕事で韓国の方と接する機会が多くなってきました。 ハングルを習得するため、テキストなどを購入し、通勤時にブツブツ練習をしている毎日です。


これからもこのブログを時々拝見いたします。
お変わりなくお過ごしください。
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よろしく (ウィトラ)
2008-05-17 04:45:01
ともさん、
コメントありがとうございます。
子供さんの年齢と「とも」というキーワードからあの方かなと想像していますが、自信はありません。

多分、私が書いているテーマに対して独自の意見をお持ちだと思いますのでたまにコメントいただければと思います。

今後ともよろしくお願いします。
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