今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

昼神温泉に行く

2022年05月30日 | 温泉

茶臼山高原ですがすがしい朝を迎え、昼までカエル館にいて、昼過ぎから本日の宿のある昼神温泉を目指して愛車(フィアット)を発進。

経由地の平谷には、最短路の矢筈峠越えの狭い道を選ぶ(対向車には出会わず)。
平谷から国道153号(三州街道)を進む。
途中、矢作川源流の碑(Googleマップに掲載)に立ち寄る(道路には案内なし)。
源流といっても巨大な堰堤の手前の豊かな流れで、茶臼山の矢作川水源のような趣きはない。
ただし碑文を読むと、碑を建てた愛知県民の母なる矢作川を敬愛する気持ちが読み取れる。

治部坂高原を越えて道は長い下りとなり、道が左に大きく膨らむところで左折して、狭い一本道を進んで智里という開けた山村に出る。
ここは古代の”東山道”が通っていた所で、遺跡の碑がある。

近くの立派な民家の脇に「富士石」という岩があり(写真)、軒先の説明板によれば、この家の先祖が江戸時代に富士からもってきた砂が成長してこのような大岩になったという。

その奥に(こうべ)権現(大平神社)というのがあり、以下の伝説がある(神社内配布の説明書より)。
この地を通りがかった山伏を地元の熊谷氏が殺して埋め、爾後、熱病にかかった一人が、「私は殺されて埋められた武田の家臣で、私の遺骨を神として祀れるとよい」と告げた。
そして埋っていた頭蓋骨をご神体として祀った事から頭権現と言われるようになったという(大平神社となったのは明治以降の神仏分離による)。

近くの阿智には、武田信玄の遺骸を埋葬したと伝えられる寺もある(訪問済み)。

上の伝説もあってか、頭権現(私は明治の「神仏分離」以前の宗教形態に準拠する)は異様な雰囲気を感じたが(写真)、バケタンで探知すると、水色の「守護霊の出現を期待できる」という上から2番目の良い結果。

境内には、弘法大師を祀った堂(神社側は関与なしという)もある。

ちなみにこの智里からは行く手に高々と聖岳(ひじりだけ:3013m)の鋭峰が望める。
聖岳という名は静岡側の聖(ひじり)沢からとった名で(異説あり)、山深い南アルプス南部の山はそこから流れる沢の名をとったものが多いが(昔の人は魚獲りのため沢には入ったが、山頂には興味なし)、ここ古代の東山道から正面に見える山に、まともな山名がなかったのも解せない(結果的に、聖岳というすばらしい山名になったからいいが)。

ここからまもなく昼神温泉に達し、伊那華という宿に到着。

この宿は平日の一人客がリーズナブルに泊まれる(休暇村より安い)。
宿からは南アルプス深南部の池口岳(2392m)の双耳峰が見える(写真中央)。

昼神温泉は、中央高速道の工事中に発見された温泉で、歴史は浅いものの南信では唯一となる”温泉郷”を形成している。

ただし泉質はアルカリ単純泉。
伊那華の浴槽で温泉の濃さの指標である全溶存物質量(TDS)を測定すると、内湯で166ppmとやたら低い(白湯レベル)。
そのかわりpHは9.25と立派なアルカリ性で、確かにぬるっとする。
一方露天の方は、TDSは305あるが(分析表の源泉の数値に近い)、pHは7.99と中性。

もともと単純泉だから、療養泉的な成分は期待できないので、せめてpHがアルカリ性を示す内湯の方がましか。

かように、昼神温泉は泉質的個性がないのが残念。

宿伊那華の食事は、バイキング。
しかも今どき貴重なズワイガニも食べ放題に入っている。
温泉宿のバイキングで、種類はあっても貧相でワクワク感がないのは安宿チェーン。
種類・質ともに楽しみなのはグリーンプラザ。
ここ伊那華は、その中間だな。
種類は少ないが、ズワイガニのほかに、エビフライもある。
名古屋人の端くれとして、エビフライを前にすると冷静ではいられなくなる。
地酒の「聖岳」も美味しかった。


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