今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

稲毛浅間神社を計る

2024年06月02日 | 東京周辺

このブログの熱心な読者なら察しがつくかもしれないが、元教え子との縁で、稲毛(千葉県千葉市稲毛区)の浅間(せんげん)神社を訪れることになった。
そもそも稲毛は、かつては潮干狩りの地で有名で、私も小学校3年の遠足でここに潮干狩りに来た
(当時は臭いヘドロをしばらく越えてやっと海岸に達した)。
その後海岸は埋立てられ、今ではそこに東京湾岸道路とJR京葉線が走っている。

そしてその地に浅間神社、すなわち富士信仰のしかも由緒ある立派な神社があるとはついぞ知らなかった。

この神社、江戸期に流行った富士講で生まれた神社ではなく、
なんと大同三年(808年)、富士宮の富士山本宮浅間大社から分霊されたという。
当然、その頃は、ここ稲毛の海岸から海越しに富士山を拝めた。
しかも808年というと、富士山が山頂から噴煙を上げている真っ最中(800,802年に噴火、864年に大噴火)
現代人が見ないその姿に並々ならぬ神威を感じたに違いない。

さらに源頼朝が戦勝祈願し、地元御家人の千葉氏も祈願し、
そして今では、地元の鎮守として人生の通過儀礼に対応した祈祷の場となり、
とても繁盛していることがこの神社サイトの求人を見てもわかる。

実際、訪れてみると、参拝客がひっきりなしに訪れ、赤児を抱いてのお宮参りや車の祓いで駐車場が埋っている。


私自身は富士信仰がどう表現されているかに関心がある。
本殿は旧海岸沿いの丘の上にあるのだが、その丘が富士塚をなしていて、
本殿は富士山頂とされ、しかも本殿と参道が(今はビル群で見えない)富士に正対しているという。
この富士塚の山腹・山麓には富士の古御岳と同じイワナガヒメを祀る小御嶽神社、
それにオオヤマツミ神を祀る大宮神社、あるいは関東の山岳信仰の地である古峰神社・三峰神社などがある。
さらに、江戸時代の民間信仰である庚申塔や、富士講とかかわる弥勒像も、非神道だからと排除せず(そういう神社がけっこうある)、境内に解説付きできちんと祀られているのは嬉しい。


このように由緒あり、信仰の篤い神社なので、ただ参拝するだけでなく、パワーの計測を試みたい。
磁気計によると境内参道上で46.0μT(以下同単位)。
これがこの地のノーマルの値であり、境内のほとんどはこの値を示す。
ところが、弥勒の石像(みろくさま)がある所は40.5と低く、
逆に、小御嶽神社前の手水場奥(写真:その奥には出羽三山の石碑が並ぶ)は52.2と高かった。
両地とも周囲に金属類はなく、磁化した金属の影響でないことを確認(言い換えれば磁気異常の理由が不明)。
±6μTの差は大きくはないが、誤差の範囲とはいえない明確な値。
両地とも、やや閉じた地ながらも緑に囲まれて神聖な雰囲気が漂う心地よい場所。
ただし、ばけたんの反応はともに「何もない」。

このように思いの外、磁気異常の場が確認された。
これらの地での他の反応は確認されていないが、物理的基準ではパワースポットとみなせないこともない。


この神社境内の旧海岸寄りに、「ゆかりの家」という清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀の実弟・溥傑とその日本人妻・浩が新婚生活を送った家が残っていて見学自由。
また神社の東にある松林の稲毛公園の旧海岸沿いには浅草の「神谷バー」で有名な神谷傳兵衛の別荘があり、こちらも見学自由。
すなわち、昔の稲毛は三浦半島の葉山のような海岸の別荘地でもあったのだ(しかも潮干狩りもできた)。
庭先に走る湾岸道路を頭の中で海に変換し、さらにその向こうに富士を配せば、
昔日の稲毛の優雅な風景を再現できる。


ちなみに、本日はほぼ終日雨天の予報で雨を覚悟して行ったのだが、稲毛にいる間(神社、別荘)は雨に遭わず、帰りの電車内で強い雨が車窓を濡らした。だが、駅から自宅までは雨が止んでいた(帰宅後は本降り)。
稲毛が私を歓待してくれたのか。