今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

本日の強風の理由

2024年05月28日 | お天気

本日、名古屋での午後4時ごろ、会議のため大学に行こうとして、傘をさして駅に向かっていたら、一陣の強風で傘がバラバラに壊れた。
強い雨も降っていて、雨を防ぐ道具がなくなったのでびしょ濡れになって家に引き返し、着替えて車で大学に向かった。


さて、気になったのは、台風からずっと離れているのになんで強風が吹いたのか(雨は梅雨前線で説明可能)。

Windyというアプリで日本付近の風の分布を見ると、風速の分布では紀伊半島南方に強風域があり、そこの風向を見ると南西と南南西の風が収束(合流)している。

そして大さっぱに言うと、台風の東側一帯は南寄りの風になっていて、それが本州上の梅雨前線にぶつかっている。
そこに風の収束帯ができて、収束すると速度が増し(運動量保存の法則)、気圧が低下し(ベルヌーイの定理)、上昇気流を生んで低気圧が発生する。
※:とても重要な法則で、台風や竜巻だけでなく、ビル風や隙間風も説明できる。要するに、風の強さは、風ベクトルの方向に沿った気圧差と、そのベクトルに直角に作用する収束度合い(”風束密度”とでも言うべき)によって決まるということ。
この収束帯と小さな低気圧が、東海地方の強雨と強風をもたらした。

この現象はフィリピンの北にある台風1号の直接の影響ではなく、台風の東側に広がる南風帯が本州上の停滞前線にぶつかることで、収束による強風と低気圧化による降水をもたらした。


台風でなくても、あるいは天気図レベルで等圧線が混んでいなくても、風の収束帯で強風が発生するということは、天気図では情報不足で、Windyのような風の分布もチェックが必要だと痛感した。

ついでに、風の収束帯は停滞性の強雨をもたらす「線状降水帯」も作りうる。