今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

トトロの里を歩く2:クロスケの家と塚森

2017年05月06日 | 東京周辺

 GW締めの歩きとして、狭山丘陵(埼玉県)の”トトロの森”方面に行く(今回で2回目)。
といっても自然探索ではなく、映画『となりのトトロ』の雰囲気を味わえそうな所に行きたい。
前回は”七国山”(実際は八国山)付近を歩き、ネコバスが走ってきそうな森の中の道を歩いた→「トトロのふるさとを歩く」

今日土曜は、「クロスケの家」が開いている日なので、まずはそこに行きたい。
そこは西武線の小手指(こてさし)駅からバスで行く所なので、そこと小手指の間にある白旗塚の森、すなわち、映画での「塚森」(トトロの棲み家)のモデル地にも行こう。

というわけで、西武池袋線に乗ると、隣席のカップルが、トトロのストーリーの都市伝説バージョンの話しで盛り上がっていた。
なかなかの出だしだ。

急行だと数駅の停車で小手指に着く。
まずは腹ごしらえと付近の食堂をまわるも、いずれも開店前。
仕方なしにコンビニでおにぎりを買って、バス停のイスに座って食べる。


クロスケの家へは、ここから早稲田大学方面のバスに乗って「大日堂」で降りる。

そこから道路を渡って数分で、トトロのバス停が入り口に置いてある「クロスケの家」(写真)。

ここはトトロの森を管理運営する公益財団法人「トトロのふるさと基金」が古民家を買い取って、狭山丘陵の里山保全のためのナショナル・トラスト活動の拠点としている所。
なので観光地ではなく、活動のプロモーションの場。

といっても、民家の縁側には大きなトトロ像がでんと座り、活動支援のトトログッズも販売している。

来訪者のほとんどの目的は、このトトロ像の前で写真を撮ること(写真)。
それ以外にトトロ関連はないが、屋敷に覆いかぶさるような木立が映画の雰囲気を思い出させる。
映画と同じく家の裏庭には井戸があって、タライの中にドングリが沈んでいる(誰のしわざ?)。 
茶畑の手前の竹林には筍が顔を出している。
こういう何気ない里山的風情がそれだけでトトロ的なのだ。

といっても、ここには30分も滞在すれば充分。
まだ正午なので、 帰途の小手指に向かうには早過ぎる。
やはり狭山丘陵のトトロの森を回っていこう(※文末資料参照)。


丘陵側に向かった常楽院には六地蔵があるが、映画のそれとは違う。
丘陵に向かう谷の道路を登っていくと、トトロの森10号地があった。
こうしてちびちびでも土地を買い取ることで里山の自然を部分的にも保全している。
狭山湖外周の道に出て左折すると、トトロの森4号地
この付近は人家のない森の道なので、廃材の不法投棄などがされているようで、 その注意書きの看板が目につく。

地蔵尊が分岐になっていて(映画にもそういう所があった)、映画の通り左に折れて丘陵を降りる。
途中、モミジの大木があり、その脇には”木のトンネル”(サツキが引越した家に向かう道を評した言葉)状の踏跡があった。
踏跡は奥に続いているが、行き先とは違うので途中で引き返す。
坂から降りた所に明るく開けた八幡神社があり(境内にしめ縄が掛けられた神木がある)、
そこから北上すると、大日堂のバス停に出る(一周したことになる)。


ここから小手指駅に向かう(※資料参照)。 
稲荷神社脇の庚申塔と供養塔を見て、砂川遺跡に出る。
ここは旧石器時代の遺跡で簡易トイレもある(助かった)。
さらに一本道を進み、ひとまたぎできそうな小さな砂川の橋を渡った所にトトロの森14・27号地がある。

一旦南下して、平沢記念病院をすぎて細い道を北上すると白旗塚の森が目の前に拡がる。
クスノキの巨木こそないが、雰囲気は「塚森」(写真)。
そもそもその白旗塚とは、鎌倉幕府を滅ぼした新田義貞軍がここに白旗(源氏の旗)を立てたから。
そして「小手指原古戦場」の碑も建っている。
歴史散歩も兼ねることができた。

誓詞橋からは小手指駅への歩行者用の道標をたよりに行く。
西所沢高校を過ぎると、水のない調整池があり、奥に西武線が走っていく。
映画の中の「神池」(しんいけ:サンダルが発見された)を思い出す。

もう私の頭はすっかりトトロモードになっていて、”とまり木の森”ではびっしり幹に蔦が絡みついた木もトトロたち(大中小)に見えてしまう。
この歳の私でも、トトロの森にもう少し通いづめれば、森の中で何かが見えるようになるだろうか。


そう思いながら、小手指の駅前に到着。
行きに入りそびれた「ぎょうざの満州」で、生ビールと餃子を注文。
歩いた後の冷えたビールは旨い!
かつて、苦かったビールが美味しく感じるようになるのと引き換えに、 失ったものがあったのかな。
そういえば、歩きの途中で腕時計を落としてしまった。
安物なので喪失感はなく、むしろ”時の流れ”から解放された気がしないでもなかった。 


※ルートの参考にした資料
『トトロのふるさと 狭山丘陵見て歩き』(トトロのふるさと財団編) 幹書房
「トトロの森お散歩マップ#1」(財団法人トトロのふるさと基金のサイトからダウンロード)