私は腕時計には(にも)装飾品的価値はまったく求めず、使いやすさのみを求めている。
それゆえ、 ロレックスだのなんだの、ばか高い物にはまったく無関心で、使いやすければ安物でかまわない(腕時計ごときにおのれの経済的・人格的情報など込める気はしない。ただしカメラについては、いつかはライカを買いたい!)。
ただ使いやすさとしてのこだわりには妥協しない。
まず時刻の表示は、デジタルでなくアナログ。
なぜなら、現在時刻だけでなく、時間経過なども直観的に(幾何的に。代数計算することなく)わかりたい。
なりより、アナログ時計は方位磁石の代りになる(夜間はダメ)ので、アウトドア使用を考えるとアナログ一択。
そしてアナログの文字盤が見やすい(視認性と可読性)のが第一条件。
瞬間的に時刻を確認できなくてはならない。
となると、文字はアラビア数字で、ゴチック的均等であること(これが意外に少ない)。
コントラストが最大になるには文字が黒で、背景は白。
秒針も必要。
なぜなら入試監督のとき、秒単位のタイミングで指示をするから。
それと本体の直径がでかすぎないこと。
なんで男物の腕時計って直径がバカみたいにでかいのか(それだけで選択肢から外れる)。
重くて邪魔で、見た目にも過剰な存在感。
ついでにいえば女物の腕時計は逆に直径が小さすぎないか。
そもそも機能的道具としての時計にはジェンダー(社会的性別)は不要(携帯やスマホがそうであるように)。
理想の直径は、今の男女の中間で、まさにユニセックスサイズがほしい。
かような条件にあう時計を探すと、そう簡単には見つからない(まず装飾品的時計には皆無)。
でもある。
たとえばカシオのMQ24だ。
この時計の文字盤の見やすさは定評があり、実際、私も試験監督の時にこれを使用した。
機能的に見やすいというより、見ることに快感すら覚えるほどだ。
すなわち、文字のデザインが機能美に達しているのだ。
この見やすさのためだろう、大学入試では受験生(♀)たちもよく使用している。
まさに、ユニセックスなのだ。
いちばんうれしいのは、この製品がなんと1000円(漱石)でおつりがくる驚きの安さで買えること(Amazon、ヨドバシなど)。
この安さでも時刻の精度は数日間なら問題ない。
ただし、欠点もある。
日付がないので、日常使用するには機能不足。
曜日は生活上頭に入っているが、日付は確認する必要がある。
それに精度も数日すぎると秒針がずれてくる。
この時計、日常的には使わず、試験監督の時しか使わないのはそのため(受験生たちも試験専用かも)。
それにもう一つ欠点があった。
ウレタンのバンドの劣化が早くて、切断してしまう(当然、腕に巻けない)。
もちろんサイズ16mmのバンドを買い替えればいいのだが、なにしろ本体が安いので、同質レベルの安いバンドの値段で、バンド付きの本体が買えてしまうのだ。
実際、ヨドバシにて1000円弱で新品を買うか、バンドだけを交換するか、迷った。
前者を選ぶと、バンドが壊れたMQ24が次々と増えていくことになる。
後者を選べば、MQ24はそのまま使えてバンドだけが新しくなる。
出費は同じだが、後者を選んだ。
ちなみに私が現在日常的に使っているのは別物で、日付があり、バンドが革製で頑丈なChristiano Domaniというネット価格で9000円ほどのやつ(諭吉でおつり)。
この時計、定価はなんと7万弱を謳ってこの販売価格なので、誰しもが不安を覚えるが、
日付に加えて月齢表示の時計がほしかったので買ってみた(今日が満月か新月か知りたい!)。
そうしたら、情報量の多さはもちろん、精度もMQ24よりはいいし、バンドも頑丈なので手放せなくなった。
ただ文字盤の見やすさ(見る快感)がMQ24には及ばないのが残念。
あれを超える文字盤にはまだお目にかかっていない。